ECサイトの運営を検討している企業担当者の中には、ECパッケージの選び方について詳しく知りたい方もいらっしゃるでしょう。 本記事では、ECパッケージとは何かをはじめ、ASPとの違い、導入する際に気を付けるべきポイントなどを解説します。
ECパッケージとは?
ECパッケージとは、商品管理や売上管理機能など、ECサイトを構築するために必要な機能が揃っている製品のことです。ECサイトの構築に使用する製品には、ほかにもASPやフルスクラッチなど、いくつかの種類が挙げられます。その中でもECパッケージは、プログラミングをする必要がなく、サーバーにインストールするだけでネットショップを作れるのが特徴です。新しくサイトを作る場合などに導入されるケースが多くなってきています。
ECパッケージとASPの違いとは
ECパッケージとよく比較されるものにASPがあります。これらの違いは何なのでしょうか?
まず、前者は自社のサーバーにインストールし、システムを構築します。比較的自由な設定が可能なため、独自性を出しやすく、デザインや機能などでオリジナリティを求めたい場合の使用が推奨されています。
しかし、サーバーなどの用意のために初期費用が高額になってしまう点や、システムを自社で管理するために専門知識を有している人材を確保しなければならない点などに注意が必要です。なお、近年ではクラウド型のECパッケージもリリースされています。クラウド型はオンプレミス型に比べて金額が安く抑えられ、常に最新の状態のシステムを利用できるところが魅力です。
一方、ASPとは「アプリ・サービス・プロバイダ」の略で、企業からシステムのみを月額契約でレンタルする方法を指します。自社でサーバーを用意する必要がないため、初期費用がかからず、導入しやすいのが特徴です。
しかし、機能が追加しづらい点やシステムをレンタルしている分、独自性のあるサイトを作ることが難しい点などがデメリットとして挙げられます。
ECパッケージ選定のための5つのポイント
ECサイトの立ち上げに便利なECパッケージ。しかし近年ではさまざまな製品が販売されており、選ぶのに困っている方もいらっしゃるでしょう。ここからは、ECパッケージ選びの5つのポイントを紹介します。
1. 自社のニーズに適しているか
まず自社のニーズに適した製品であるかどうかが重要です。種類によって、備わっている機能が異なるため、自社で必要な機能が含まれているかどうかを確認しましょう。
標準機能で希望通りに構築できるのか、難しい場合は個別に実装できるのかどうかなどをチェックします。なるべく費用を抑えるためにも、必要な機能が最初から含まれているものを選ぶのがおすすめです。
2. 長期事業計画を立てて構築する
ECサイトは流行の移り変わりが激しく、数年間で大きな修正が必要になる可能性があります。また、サイト構築当初はアクセス数が少なくても、年数を重ねるうちに増える場合もあるでしょう。
そのような事態に備えて、変化に柔軟に対応できる製品を選ぶことが大切です。基本的にECパッケージは5年の耐用年数を持っていることから、5年以上の長期的な事業計画を立てることが望ましいといわれています。
3. デザイン・カスタマイズの柔軟性
ECパッケージは、デザイン・カスタマイズの柔軟性が高いことが魅力の1つですが、サービスによって備わるものが異なります。そのため、カスタマイズの自由度やデザインなど、理想のサイトに近づける機能が揃っているかどうかを確認することが大切です。
自社独自のオリジナリティをアピールすることで、他社との差別化を図ることができるのはもちろん、顧客をより引きつける効果が期待できるでしょう。
4. サポート体制が充実しているか
サイトの運営をしていくうえで、どうしても何らかの問題が生じることがあります。たとえば、システム障害が発生してECサイトが利用できなくなるなどです。この対処に時間がかかると、その分の売り上げが落ちてしまううえに、機会損失を生じる恐れもあります。
そこで、これらの問題に対するシステム会社のサポート体制や対応力が重要になります。サポート体制が充実していれば、何らかのトラブルが起きた場合でも、スムーズに対処をしてくれるでしょう。
また、ECサイトは時代の変化に応じて、管理や運用の仕方を変えていかなくてはなりません。システム会社の対応力が高ければ、時代が変化してもその変化に遅れずに、サイトを運用できます。
5. 初期費用・ランニングコストも要チェック
ECパッケージを購入する際には、初期費用とランニングコストを確認しておきましょう。ECパッケージの費用は、オープンソースと有償パッケージで異なります。前者は無料でダウンロードできるため、導入の際の初期費用がかからないのが嬉しいポイントです。しかし、機能や・デザインの設定やトラブルが起きた場合の対処を自社で行わなくてはなりません。
後者は販売会社から買い取るため、初期費用がかかるものの、トラブルが起きた際はその対応を販売会社などに任せられます。そのため、技術者など、ITの専門知識を有する社員がいない場合も安心して利用できる点がポイントです。初期費用の目安としては、カスタマイズなしの場合であっても、数百万円程度が挙げられます。詳しくは後述します。
また、サーバーの運用やメンテナンスの費用など、ランニングコストがかかる点にも注意しましょう。ランニングコストは、製品によって異なります。使い続けられるものを選択しましょう。
大手ECパッケージの初期費用を比較
ここでは、大手ECパッケージの初期費用を比較します。
Orange EC
ECサイト構築費用は1,000万円~となっています。なお、導入規模や設定の内容によって金額は異なります。
ecbeing
企業ごとに見積もりを出しているため、導入を検討している方は問い合わせてください。なお、大手企業向けの製品を扱っているため、比較的高額になるでしょう。
えびすマート
えびすマートでは3つの料金プランが用意されています。それぞれ内容が異なり、従量課金プランと固定料金プランでは300万円~、サイトの売上金額に対して決められた料率を支払うレベニューシェアプランでは1,000万円~となっています。
コマース21
導入にはサイト構築費用やパッケージライセンス費用などがかかります。具体的な金額については、利用規模によって異なるため、問い合わせてください。
SI Web Shopping
SI Web ShoppingではEC年商数十億円以上を目指す企業に最適化されたECサイト構築パッケージです。各種機能などはご要望に合わせた設定が可能です。費用は内容によって異なるため、公式サイトにあるフォームから問い合わせてください。
まとめ
ECパッケージは初期費用が高くなりがちですが、機能やデザイン面などにおいて、好きなようにカスタマイズできる点が魅力です。
パッケージを選ぶ際は、自社のニーズを満たすかどうかや、サポート体制の有無などを確認しましょう。コストパフォーマンスはもちろんですが、柔軟性があるかなど、自社に合うものを選ぶことが大切です。