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Microsoft Dynamics 365 Copilotとは?概要や機能などを徹底解説

Microsoft Dynamics 365 Copilotとは?概要や機能などを徹底解説

Microsoft Dynamics 365 Copilotは、企業の業務効率化を目指した画期的なツールです。Copilotは、データ分析から顧客関係管理まで、多岐にわたる業務を自動化し、洞察を深める能力を持っています。

この記事では、その概要と主要な機能について詳しく解説します。

Dynamics 365 Copilotがどのようにビジネスプロセスを変革し、新たな価値を生み出すかを明らかにするために概要やメリットを詳しく紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

Microsoft Dynamics 365 Copilotの概要

Microsoft Dynamics 365 Copilotの概要

Microsoft Dynamics 365 Copilot(読み方:コパイロット)は、 企業の業務効率化を目指した画期的なツール として注目を集めています。Copilotとは日本語で副操縦士と訳されます。
Dynamics 365 Copilotとはどのようなサービスなのか、Microsoft 365 Copilotとの違い、GPTとの違いについて詳しく解説します。

Dynamics 365 Copilotとは

2023年3月6日にMicrosoftが、Dynamics 365 Copilotのサービス提供を開始すると発表しています。 Microsoft公式ページ では、 「複数のビジネス機能を横断して AI による対話型支援を提供する Microsoft Dynamics 365 Copilot」 と紹介されていました。

世界中の多くの企業が顧客関係管理( CRM )や企業資源計画(ERP)のシステムを活用しています。現在、CRMやERPを使ってデータを入力する、表やグラフの作成、要点をまとめるなどの作業は手作業で行われています。

手作業で行っていた非効率な作業を自動化して、ビジネスの核となる創造性を働かせることに注力できるようにサポートしてくれるサービスがDynamics 365 Copilotです。

引用: Microsoft

Dynamics 365とは

Dynamics 365とは、Microsoftが提供する CRM・ERPをパッケージ化した業務用アプリ です。
Dynamics 365は、以下の8つのモジュールで構成されています。

  • Dynamics 365 Sales (CRM/ SFA ):顧客関係管理と 営業力 自動化のためのツールで、顧客データの管理と営業プロセスの最適化を支援します。
  • Dynamics 365 Finance (ERP):企業の財務管理を強化し、会計、予算計画、資金管理などの複雑な財務プロセスを効率化します。
  • Dynamics 365 Marketing:マーケティング活動を統合し、顧客エンゲージメントを高めるためのキャンペーン管理や分析機能を提供します。
  • Dynamics 365 Customer Service:カスタマーサービスの最適化を図り、顧客の問い合わせや要望に迅速かつ効果的に対応する機能を提供します。
  • Dynamics 365 Field Service:フィールドサービス管理を支援し、現場での作業員のスケジューリングやリソース管理を効率化します。
  • Dynamics 365 Operations (プロジェクトオペレーション):プロジェクト管理と運用を強化し、リソースの割り当て、進捗の追跡、財務の管理を一元化します。
  • Dynamics 365 Commerce:流通や小売業界向けの機能を提供し、販売、在庫管理、顧客体験の最適化を支援します。
  • Dynamics 365 Human Resources: 人材管理を効率化し、従業員情報の管理、人材育成、福利厚生プログラムの実施などをサポートします。

8つのモジュールに 「AI による対話型支援を提供するCopilotの機能」 を搭載したサービスがDynamics 365 Copilotです。

Dynamics 365は、下記のようなMicrosoft 365製品と連携可能という特徴があります。

  • Teams
  • Word
  • Excel
  • PowerPoint
  • Outlook
  • OneDrive

Dynamics 365 Copilotも、Microsoft 365製品との連携が可能となっています。
この連携によって、Dynamics 365 Copilotで生成したデータを用いて自動でメールを作成、Excelで表を作成などの作業もできます。

Dynamics 365 の詳細については、下記のページでも詳しく解説しています。
ぜひ、本記事と併せてご覧ください。

Microsoft Dynamics 365(概要から特徴、メリット、機能、事例、トライアルなど)

Dynamics 365 CopilotとMicrosoft 365 Copilotの違い

Dynamics 365 Copilotは、主にビジネスの運営と管理に特化したAI機能を提供し、 CRMやERPなどの 業務プロセス を自動化する ために設計されています。

一方、Microsoft 365 Copilotは、 オフィス作業の生産性を向上させるために開発されたツール で、文書作成、メール管理、データ分析など、日々の業務を効率化する機能に焦点を当てています。

Dynamics 365 Copilotは企業の戦略的な意思決定をサポートするのに対し、Microsoft 365 Copilotは個人やチームの作業効率を高めることに重点を置いており、これらはそれぞれの分野で特化した機能を提供しています。

CopilotとGPTの違いとは

Dynamics 365 Copilotと最近話題となっているChatGPTは、どちらもAI技術による自然言語処理を行う点で共通しています。しかし、両者は利用目的が大きく異なっています。

Dynamics 365 Copilotは、顧客管理や財務管理に特化した機能を提供し、Microsoft 365 Copilotはビジネスの業務生産性向上を目的としており、特定の目的に特化したサービスです。

一方でChatGPTは、より汎用的なAIモデルであり、さまざまなアプリケーションやプラットフォームに統合して利用されています。

Dynamics 365 Copilotで何ができる?

Dynamics 365 Copilotで何ができる?

Dynamics 365 Copilotでは、企業の業務効率化を実現するための機能が多く搭載されています。具体的にどのようなことができるのでしょうか。機能を1つずつ解説します。

営業案件・潜在顧客情報の要約

Dynamics 365 Copilotの主な機能1つ目は、レコードの要約です。
レコードを作成すると、メールや電話、面談など、いつ誰が誰に何を行ったかについて記録を残すことができます。
また、商談のアポが取れたなど、今後の予定についても、レコードを作成して記録できます。

SFAやCRMのレコードに記録している 大量のデータの中から営業案件や顧客情報など必要な情報を収集・要約してまとめる機能 を搭載しています。例えば、顧客のアクション履歴、販売データ、市場のトレンドなど、膨大な量の情報が記録されたレコードを迅速に分析し、重要な情報をピックアップして自動でまとめてくれます。

情報の取得や内容の取得・要約には、かなりの時間を要するため、レコードの要約機能は企業の業務効率化という点で効果的なツールといえるでしょう。

レコードのキャッチアップ

Dynamics 365 Copilotは、 前回のアクセスからの変更情報(7日間分まで)を要約する機能 を搭載しています。この機能によって、常に最新の営業案件や顧客情報を把握することが可能です。

レコードの監査履歴→キャッチアップ概要を生成して変更履歴を取得できます。

会議の準備

Dynamics 365 Copilotの主な機能3つ目は、 会議の準備を効率化する機能 です。
24時間以内に、Outlookのカレンダー機能で会議予約をしているときは、Copilotが会議の準備をサポートしてくれます。

過去3カ月のメモの要約、関連レコードや関連するメールの内容を表示してくれるため、関連書類の管理等も容易です。

さらに、会議のアジェンダ作成や参加者への事前通知など、会議準備にかかる時間を大幅に削減し、より生産的な議論に集中できるようサポートしてくれるでしょう。

未返信メールのリマインダーなどメール業務のサポート

Dynamics 365 Copilotの主な機能4つ目は、 メール業務を大幅に効率化する機能 です。

過去3~7日間、返信もされずにメールボックスに残ったままのメールに対して未返信リストとしてリストを表示します。 顧客からの購入意図や質問があるかをAIが判定 して、該当するメールのみ通知可能です。

未返信のメールに対するリマインダー機能を利用することで、重要なコミュニケーションを見落とすリスクを減らします。これにより、タイムリーで効果的なメール対応が可能となり、 顧客満足度 の向上やビジネスの機会を最大限に活用できます。

ニュース更新の情報

Dynamics 365 Copilotの主な機能5つ目は、ニュース更新機能です。ニュース更新機能を使うことで、 特定の取引先企業や市場に関連する情報を集める のに役立ちます。

Copilotに依頼することで、特定の取引先企業に関連する最新のニュースや記事を収集することができます。提供されるニュースは、取引先の最新動向について話題にするなど、顧客との会話を始めるためのよい素材となり得ます。

要するに、Dynamics 365 Copilotのニュース更新機能は、ビジネス関連の最新情報を手軽に得るためのツールであり、顧客や取引先との関係強化に役立つ情報を提供します。

Dynamics 365 Copilotを利用するメリット

Dynamics 365 Copilotを利用するメリット

Dynamics 365 Copilotを利用することで、企業には多くのメリットがあります。
ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

Microsoft 365アプリと連携して作業を効率化する


Dynamics 365 Copilotは、 Microsoft 365アプリとの連携により、作業の効率化を実現 します。

この統合により、ユーザーはOutlook、Word、ExcelなどのMicrosoft 365アプリ内で直接、Dynamics 365のデータにアクセスし、操作できるようになります。複数のアプリケーション間でのデータ転送や切り替えの手間が削減され、作業プロセスがスムーズになります。

また、CopilotのAI駆動の分析と洞察は、文書作成やデータ分析などの日常的な業務を高度にサポートし、時間の節約と生産性の向上に貢献します。Dynamics 365 Copilotの利用で、ビジネスプロセスを効率化し、より迅速かつ賢い業務遂行を実現可能です。

Business Chatで複数のアプリを横断する業務の生産性を高める

Dynamics 365 Copilotを活用する最大のメリットの1つは、 Business Chat機能を通じて複数のアプリと連携して業務の生産性を高める ことです。

Business Chatは、ユーザーが自然言語でクエリを入力し、複数のDynamics 365アプリケーションから関連情報を迅速に収集・表示する機能を提供します。これにより、ユーザーは異なるアプリケーション間で情報を探索する時間を大幅に削減し、必要なデータにすばやくアクセスすることが可能になります。

さらに、AIが提供する洞察に基づいて、より効果的な意思決定をサポートします。Dynamics 365 CopilotのBusiness Chatは、業務の効率化と生産性の向上ができる強力なツールです。

スキルの向上や提案

Dynamics 365 Copilotの使用は、 ユーザーのスキル向上と効果的な提案作成 に大きく貢献します。

Copilotは、ビジネスデータの分析や市場の洞察に基づいた専門的な提案を自動生成する能力を持ち、これによりユーザーはより洗練された戦略や計画を短時間で作成できます。また、AIが提供するデータ駆動の洞察は、ユーザーが新たなスキルや知識を身に付ける機会を提供し、ビジネス環境の変化に迅速に対応する能力を向上させます。

さらに、このツールは、ユーザーの作業パターンを学習し、個別にカスタマイズされた提案を行うことで、より効果的な業務遂行をサポートします。

Dynamics 365 Copilot使用上の注意点

Dynamics 365 Copilot使用上の注意点

Dynamics 365 Copilotを使用する際には、いくつかの注意点があります。

Copilotは入力されたデータに基づいてAIによる分析を行うため、誤ったデータが結果に反映される可能性があります。AIによる提案は参考情報であり、Dynamics 365 Copilotのデータを利用するかどうか、最終的な意思決定はユーザー自身の責任となることを認識しておきましょう。

Dynamics 365 Copilotを効果的に使うための注意点

Dynamics 365 Copilotをせっかく導入してもうまく扱うことができなければ、業務効率化にならず、Dynamics 365 Copilotを使用しない方が早く作業ができると感じることがあるかもしれません。

Dynamics 365 Copilotを効果的に使うための4つの注意点を紹介します。

  • 1度に1つずつ質問をする
  • 明確かつ具体的な質問をする
  • 正確な回答を得るために前後の文脈(コンテキスト)も記載する
  • 可能であれば専門用語を避ける

回答の精度が悪いと感じている方は、上記の4つを意識しながら質問をしてみましょう。

日本でサポートされている機能について

Dynamics 365 Copilotは、リージョン(地域)ごとに利用可能な機能に違いがあるため注意が必要です。

日本では、Dynamics 365 Customer Serviceにおいて、Copilotで下書き機能を利用できません。また、TeamsでAIが生成する連絡先機能についても利用不可となります。

Dynamics 365 Customer Serviceでは、日本語に対応していないなど、言語や地域によって対応していない機能もあります。詳しくは Microsoft公式ページ をご確認ください。

まとめ

本記事では、Microsoft Dynamics 365 Copilotの概要と多様な機能について解説しました。

Dynamics 365 Copilotは、ビジネスプロセスの自動化、データ分析、顧客関係管理の最適化を可能にし、企業の生産性と意思決定の質を飛躍的に向上させます。

企業はDynamics 365 Copilotを活用することで、競争力が向上し、新たなビジネスチャンスを掴む可能性も高くなるでしょう。

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