「経営」「経営者」といった言葉は、社会で働く方は必ずしも聞いたことがあるでしょう。「経営」について深く考えないまま会社の経営を行っていると、倒産や経営破綻といった結果につながってしまう可能性があります。
そこで、今回は「経営とは何か」について、必要な要素や成功するためのキーポイントを簡単にご紹介します。
経営とは何かを簡単に解説!
そもそも「経営とは何か」、「起業すればそれは経営と言えるのか」、「誰が経営を行えるか」などの、「経営とは何か」といった部分から簡単に解説しましょう。
事業の目的のために行う活動
経営そのものに明確な定義は存在しません。それでもあえて定義づけするのであれば、「事業の目的を達成するために行う、継続的な活動のこと」が経営であると言えるでしょう。
経営を行うためには、何かしらの取り組むべき事業が存在します。その事業の最終的な目的を達成するために行う活動の中でも、具体的な方針や、事業を始める・継続する上で必要な予算の計算、関わる人間に対する人事業務など、さまざまな活動が経営に含まれています
間接的にお客様との関係を作っていくことも含まれる
経営は、自社だけが関係するものではありません。会社経営は、他の企業や、自社の商品・サービスを利用する顧客との関係を含めたものであると言えるでしょう。
買い手となる存在がいなければ、経営は立ち行かないものです。お客様の存在あってこその経営である、と念頭においておく必要があります
経営者によって答えが違う
経営に明確な定義が無いと解説した通り、経営に対する考え方は経営者によって異なります。そのため、「経営者ごとに自分にあった経営論」があるということです。
経営に明確な答えが無いとしても、さまざまな方面や他の人の経営に対する考え方から、自分だけの経営について考えてみると良いでしょう
経営には自分の中で明確な夢や目的がないと成り立たない
前述したように、経営という単語そのものの意味は、事業や目標に対して継続的に行う活動を指します。つまり、経営するうえで、目標や夢といった最終的なゴール地点が無ければ成り立ちません。
最終的にどのような結果を求めているのかを定めたうえで、そこにたどり着くまでの小目標を設定していき、大目標に向かって進めていくのが経営であると言えるでしょう
経営するのに必要とされる5つの力
経営を滞りなく進めるために、必要な能力があります。優れた経営者はこれを持ち合わせているか、その人特有の優れた能力を持ち合わせている場合が多く、逆に経営者として失敗ばかりを重ねる人は、必要とされる力を持っていない場合が多いです。まずは経営に必要な力を理解し、自分がその力を有しているかを客観的に判断する必要があるでしょう。
気持ちではなく数字を見て考える力
経営とは、感情だけでどうにかなるものではありません。人と関わる以上、露悪的に他者と接したり、他人が不快になるような要素を表に出しても損しかしません。逆に、人の気持ちに寄り添うばかりでは、それは利益を出すための事業ではなく、ボランティアと同じ慈善事業でしか無いでしょう。
そのため、人の気持よりも数字を見て判断し、時には冷酷に決断する力が必要です。優しいだけでは損をして、悪いことをすればお金が儲かると言います。もちろん、悪いことや犯罪行為で儲けるわけにはいきませんが、ただ優しくしても利益は出ないのです
しかし、これはあくまでも利益にならない慈善はしない方が良いというだけであって、利益につながることであれば、気持ちを見ることも大事です。気持ちだけ、数値だけというような極端な思考ではなく、柔軟に、かつ損をしない考え方ができるようになれば上手く立ち回ることができるでしょう
目標や夢に向かって走り抜けられる力
経営とは、目標や夢を達成するための手段です。そのために必要不可欠なのが、目標や夢に向かって走り抜けられる力でしょう。メンタルの強さ、と言い換えても構いません。
定めた目標が現実的に不可能なことでも無い限り、実現をすぐに諦めてしまったり、すぐに目標を変更してしまうような軸のブレた精神力では、成功は掴めません。全てが順調に進むことは珍しく、目標を達成するまでにさまざま々な困難が存在します。そういった困難に挫けずに、定めた目標や夢に向かって走り抜けられる能力が欠かせないのです
計画と行動をすぐにできる力
兵は神速を尊ぶと言うように、計画や行動は遅いよりも迅速に実行できる方が気を逃すこと無く済みます。そのため、計画をすぐに立てることができる判断力、立てた計画をすぐに実行できる実行力が必要です。
ただし、せっかちに行動すれば良いわけではなく、時制を見極める力や最も適したタイミングで実行できる判断力も必要です。計画と行動をすぐにできる力とは、そういった適切なタイミングにすぐさま実行に移せる能力を指しています
周りの人を思いやる力
気持ちではなく数値を見て考える力の項目でも解説しましたが、経営は人との関わりも重要な要素の一つです。お客様の存在が無ければ成り立たない以上、人を思いやることができなければ、当然顧客を思いやることはできません。
もちろん従業員に対しても同様で、例えば従業員に対して効率だけを重視した待遇や環境を強いたところで、肉体・精神的負担によって問題が生じてむしろ業務効率が低下するなどの損につながります
逆に従業員を思いやった働きやすい環境を作ることで、業務効率を高められるだけでなく、周囲の評価も高まるため、経営に得になるような恩恵が得られる可能性が高まります
新しいことや時代の流れを読む力
伝統や歴史は、一見すると良いもののように思えるかもしれません。しかし、ビジネスにおいてそういったものを重視したところで、それは時代遅れになってしまうだけでしょう。こだわりを持って従来の形を続けるにしても、新しいことに取り組んだり、環境を常にアップデートして時代の流れや需要の変化などを見極める力は欠かせません。
近年はコロナウイルスの流行により、半ば強制的に需要が変化し、従来のままの経営では立ち行かなくなる事例が増えています。飲食店であれば、営業時間を外部から強制的に制限されてしまうなど、望んでいなくても変化を強いられるのは避けようがありません
しかしそこで、新しくデリバリーサービスを取り入れたり、持ち帰り可能な商品を増やすといった新しいことを始めることで、時代の変化についていくことができた飲食店も存在します
このように、先を見据えて変化する時代に適応できるかどうかが、現代で経営者となる者に求められる資質であると言えるでしょう
失敗しない経営をするための3つのキーポイント
最後に、失敗しない経営を行うためのキーポイントを3つご紹介しましょう。このキーポイントを抑えておくことで、不幸な事故などの理不尽さえなければ、少なくとも失敗することは無いでしょう。
また、これらのキーポイントを活用するうえで重要なのは、勘や経験のみに頼ってはいけない点です。定量的な評価や結果といった目に見える数値をもとに判断ができるよう、常に成果や現状を把握できる環境を構築しておきましょう
時にはリスクを恐れないで実行する
経営を行ううえで、一番怖いものと言えば損失でしょう。失敗した場合に発生する損失は、カバーしづらいものであり、そのまま倒産に直結してしまう可能性もあります。
常に挑戦し続ける姿勢は失敗する可能性も高まりますが、だからといってリスクを恐れてばかりでは、成功するチャンスを逃してしまうこともあります。そのため、普段は堅実に経営しながらも、ここぞというタイミングでリスクを恐れず実行できる大胆な判断力が必要です
人材をしっかりと育成する
会社は1人では回りません。優秀な人材が1人いるより、戦力となる育成された人材が10人いる方が効率良く業務を進められます。特定の誰かに依存する環境は、その人が仕事を辞めたり、体調を崩して休んだ瞬間に破綻してしまいます。
理想としては、その部署の人間全員が全員の代わりをできるような状態ですが、そうでなくとも、戦力になる人間は多い方が良いでしょう。教育にはコストがかかります。終わるまで利益を生まない人材を抱えることになりますが、目先の利益に囚われた結果、長期的な利益を失ってしまっては意味が無いため、人材育成は怠らないようにしましょう
事業計画を事前に立てる
行き当たりばったりに物事を進めるよりも、入念に準備をして綿密な計画を立ててから行動した方が物事は上手く行くものです。
経営においてもそれは同じで、事業計画を事前に立ててから経営を始めた方が、余計な手間をかけずに事業を進められます。起業をするにしても新しい事業を立ち上げるにしても、事業計画はしっかりと用意しておきましょう
まとめ
以上、経営とは何かについて解説しました。
経営とは明確な答えが無いものではありますが、経営を失敗しない方法だけで言えば明確なものがあります。成功するかどうかは事業に対し売るための需要があるかどうか、そして経営者の手腕にかかっています。綿密な事業計画を用意し、必要な能力を身につけることで事業経営を成功させましょう。