SharePointOnlineがどんなものかご存知でしょうか。この記事では、ワークフローやSharePointOnlineについてはもちろん、ワークフローを作成するメリットについても紹介しています。業務効率化やコスト削減を検討している方は参考にしてください。
ワークフローとは
ワークフローとは、直訳の通り「業務の流れ」のことを指します。
組織で仕事を行う場合、「誰が、いつ、どのように、作業・判断するか」という業務の流れを体系化したものです。具体的には、稟議申請書や報告書、出張費などの経費精算書の提出がワークフローになります。
従来のワークフロー
従来のワークフローの典型的な例は、紙による申請書です。例えば、交通費を経費として紙ベースで申請する場合について考えてみます。
①まず、交通費を使った人が、いつ、どこからどこまで移動し、いくら使ったか、という情報を所定の申請書に記入します。
②次に、申請書を上司に渡し、承認してもらいます。
③そして、申請書は経理部門担当者・責任者にて、承認され、経費として認められます。
このように交通費申請1つをとっても、1文字でも誤字があれば書き直さなければならなかったり、書類の保管場所が拡大したり、改ざんの可能性が高くなったりするなど、様々な問題点があがります。
SharePoint Onlineとは
SharePoint Onlineとは、Microsoft社が提供するクラウドベースのワークフローシステムです。サンプルの参照・利用可能なテンプレートが豊富で、使い方やフローの作り方を勉強しやすい環境にあるため、比較的導入しやすいワークフローです。
また、大きな特徴として、同じMicrosoft社の製品との連携があります。ExcelやAccessと組み合わせて、データをインポート、エクスポート、リンクすることができます。
SharePoint Onlineのワークフローの特徴5つ
SharePoint Onlineは、時間と労力を節約できるように設計されており、繰り返し定期実行するタスクの一貫性と効率を高めることができます。これらは、事前にプログラミングされたアプリケーションであるため、難しい関数を用いた開発が不要になります。
ここからは、SharePoint Onlineにおけるワークフローの特徴について紹介します。
1:承認のワークフロー
SharePoint Onlineの承認ワークフローを使用すると、SharePointに保存したドキュメントやアイテムが自動的に回覧され、承認タスクが割り当てられます。
SharePoint Onlineのワークフローは、複数承認や並列承認といった多段階承認も設定可能です。また、進捗状況が追跡でき、通知設定することにより必要に応じてリマインダーやアイテムの更新に関する通知メールが送信されます。
この承認ワークフローにより、プロセス全体の自動化、効率化、標準化が可能です。
2:フィードバックの収集
2つ目の機能は、フィードバックの収集ワークフローです。フィードバック収集とは、複数の使用者にフィードバックを求めるときに使用します。
SharePointに保存したドキュメントやその他のアイテムに関するフィードバックを、集計し、校閲記録と共にワークフロー所有者に提供されます。
3:発行承認ワークフロー
発行承認ワークフローは、他のワークフローとは異なり、Webページの発行が細かく管理されるエンタープライズコンテンツ管理のサイト向けに設計されています。
コンテンツの承認の有効化を設定することにより、ワークフロー内の誰かが却下した場合は、すべての承認者によって承認されるまで、新しいコンテンツは発行できないという制限をかけることができます。
4:署名の収集
4つ目は、署名の収集ワークフローです。このワークフローでは、MicrosoftのExcel、Wordなどで作成したドキュメントをユーザーに回覧して署名を収集することができます。
承認者の署名が必要なタスクを受診すると、SharePoint Online内のリストやExcel、Wordなどから署名が可能になります。
5:3段階の状態管理
3段階の状態管理ワークフローは、フェーズと呼ばれる3つの状態を使用してリストアイテムの状態を追跡します。
このワークフローでは「開始」、「進行中」、「完了」の3段階があり、カスタマーサポートの問題、セールスリード、プロジェクトタスクなどの組織が抱える大量の問題を含むビジネスプロセスを管理できます。
SharePoint Onlineでワークフローを作るメリット8つ
SharePoint Onlineの特徴について解説してきましたが、SharePoint Onlineでワークフローを作るメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、SharePoint Onlineでワークフローを作ることでクラウド上でデータ管理ができることなどをはじめ8つのメリットについて、従来のワークフローと比較しながら解説します。
1:クラウド上でデータやファイルの管理ができる
紙ベースのワークフローの場合、オフィスにスペースを確保してファイルを保管しなくてはならないうえに、ファイルを閲覧する場合はオフィスにいる必要があり、ページを1つずつめくって必要な書類を探す必要がありました。
しかしSharePoint Onlineを使用することで、データをクラウド上で保管管理できるため、社外からでもデータ閲覧・編集が可能です。また、検索機能を活用することで必要なデータをすぐ閲覧することができます。
2:リモートワークを進められる
SharePoint Onlineはクラウド上の運用するため、紙に押印・署名する必要がなくなります。そのため、申請者や承認者が自宅や出張先にいてもワークフローを進めることができます。
多様な働き方が求められている今、ワークフローをクラウド上で管理することはリモートワーク推進に一役買っているといえます。
3:業務を効率的に進められる
紙ベースのワークフローの場合、上長が出張や休みで不在の際に確認がもらえず業務が滞ってしまうなど、効率が悪くなってしまいます。また、コピー紙やインク代のコストもかかります。
SharePoint Onlineでワークフローを運用することで、申請者はオフィスに不在でも自分のタイミングで申請でき、承認者が出張先などで承認が滞ることがありません。
4:決済までの時間を短縮できる
紙ベースでのワークフロー申請では、手間と時間がかかります。紙という実態があるために、申請者や審査・承認者がそれぞれ出社して確認する必要があったり、本社と支社で書類を郵送したりなど決済まで時間がかかるという大きなデメリットがあります。
SharePoint Onlineを活用したワークフローでは、このようなやり取りや確認がクラウド上で実施できるため、申請から決済までの時間を大幅に短縮できます。
5:承認のプロセスが明確になる
紙ベースであれば押印により承認の順番は見えますが、ステータスが分かりません。また、電子メールベースでは、承認プロセスに特化していないので、回覧漏れや確認漏れの恐れがあります。
SharePoint Onlineのワークフローでは、権限設定をすることで上長の承認の順番やステータスが可視化され、承認プロセスが明確になり対応漏れなどのトラブルが発生しにくくなります。
6:進捗確認ができる
紙のワークフローでは、申請から決済までの明確な進捗を追うことはできません。
SharePoint Onlineでワークフローを運用することで、どのステージまで承認が進んでいるか、保留中・差し戻しといったステータス情報、各承認プロセスの通過日時、タスク開始からの経過日数などを確認できます。
そのため、紙のワークフローでありがちな、書類の回覧漏れやスケジュールの遅延を防ぐことができます。
7:ペーパーレスに対応できる
SharePoint Onlineの運用により、申請書などが電子化され、様々なコストが削減されます。まず、紙自体の節約、印刷・コピー時の印刷費、FAX代等の通信費が削減できます。さらに、印刷機・複合機やFAXのレンタル・メンテナンス費用も削減可能です。
また、紙で管理する場合は、書類の保管場所やファイリングの手間などが発生しますが、それらの場所や手間もなくなります。
8:業務上の手間が省ける
紙ベースのワークフローでは、書類の説明や確認作業などの手間がかかりますが、SharePoint Onlineではその必要がありません。また、申請者が承認者に対して、電話や電子メールで進捗状況を確認するなどの業務連絡の必要がありません。
SharePoint Onlineでワークフローを運用することにより、このようなアナログな手間が省けるため、結果的に1人1人の負担や労働時間が削減されます。
SharePoint 2010のワークフローはサポート終了
現在、SharePoint 2010のワークフローはサポート終了となっています。
2020年8月1日から新規のテナントで廃止、2020年11月1日から2010のワークフローが実行されないよう既存のテナントでも削除されています。
SharePoint 2013やSharePoint Server 2016や2019は利用可能ですので、SharePonit 2010が動かない場合やエラーが生じる前に、他のソリューションへの移行が必要です。
まとめ
ここまで、SharePoint Onlineとはなにか、SharePoint Onlineのワークフローの特徴について紹介しました。
SharePoint Onlineでのワークフローを導入すうことで、従来の紙や電子メールベースによるワークフローの課題であった、時間と手間を節約したり、進捗状況の把握を可能にしたりします。
業務効率化・コスト削減を図るために、SharePoint Onlineの導入を検討してみましょう。