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作業手順書の作り方を解説 分かりやすくするためのポイントとは

業務をスムーズに進めるため、作業手順書を導入しようと検討している企業は少なくないでしょう。ただ、いざ作成するとなると、どのように作ればよいのかと頭を悩ませる担当者もいるのではないでしょうか。本記事では、作業手順書とマニュアルの違い、具体的な作り方について解説をします。

作業手順書の作り方を解説 分かりやすくするためのポイントとは

CRMの利用実態と課題

作業手順書とは マニュアルとはどう違う?

作業手順書とは、特定の作業における取り組み方を解説した文書です。たとえば、コンビニやスーパーの業務におけるレジ打ち作業を、読んだ人がすぐ理解でき取り組めるようにまとめたものを指します。

一方、作業マニュアルは、業務全体の進め方やノウハウなどをまとめた文書です。企業によって記載される内容は異なりますが、具体的な仕事の流れやイレギュラーな事態が発生したときの対処法、品質の判断基準などをはじめ、経営理念や業務に取り組む際の心構えなどが記載されることもあります。

作業手順書を作成する目的

作業手順書を作成する目的として、従業員の安全確保が挙げられます。作業への取り組み方が個々で異なると、従業員が危険なことをして怪我を負うおそれがあります。ひいては、品質や生産性の低下にもつながるため、作業手順書を用いるのです。

また、作業手順書には作業の属人化を防ぐ目的もあります。手順が統一されていないと、特定の人にしかできない作業が発生し、その人が休んだり退職したりすると対応できない可能性があります。このような事態を回避するため、作業手順書を用いて作業の標準化、均一化を図る必要があるのです。

作業手順書を作成する手順

作業手順書の導入を検討しているのなら、まずは誰が作成するのか、主導する人や部門を決めておくとスムーズに進みます。そのうえで、以下のような手順に従って作成を進めるとよいでしょう。

1.作業の洗い出しをして記載すべき事項を抽出する

まずすべきは、手順書に記載する内容の洗い出しです。対象となる作業の手順を細かく抽出し、記載すべき内容を洗い出しましょう。具体的な手順のほか、うまく進めるコツや失敗しやすいポイント、トラブルが起きたときの対処法なども含めるべき内容です。

質の高い手順書を作成するには、実際に現場で作業に取り組んでいる従業員に協力してもらう必要があります。直接インタビューするなどして、正確に記載すべき事項を抽出しましょう。

2.時系列に沿って手順書を書き進める

時系列に沿った手順書でないと、読み手が混乱するおそれがあります。これでは、かえって作業効率を低下させるおそれがあるため、実際の作業における流れに沿った手順書作りを心がけましょう。

製造業における機械メンテナンスであれば、「1.機械の電源を落とす→2.〇〇を取り外す→3.〇〇を清掃する→4.〇〇を交換する→5.もとに戻して試運転する」といった具合です。

3.手順書を仮運用し内容を精査する

手順書が完成したら、ひとまずその状態で仮運用を始めましょう。実際の作業で運用し、内容に問題がないか、時系列に沿ってまとめられているかなどをチェックします。

なお、チェックを行うのは熟練のベテランではなく、習熟度の低い従業員に担当させるとよいでしょう。ベテランは手順書が必要ないほど作業に慣れており、内容に問題があってもそのまま作業を進められるためです。習熟度の低い従業員に担当させ、手順書通りに作業を進められるかどうかを確認しましょう。

4.定期的にアップデートする

作業手順に変更が生じた、新たな工程が増えたといったケースが考えられるため、作業手順書の定期的なアップデートは欠かせません。基本的には、作業工程の変更や追加が発生したら、できるだけ間をあけずにアップデートを行いましょう。

手順書の内容が古いままでは、内容を信じた従業員が作業で失敗してしまう可能性があります。無駄な作業や怪我などが発生するリスクもあるため、手順書は常に新しい状態を維持しなくてはなりません。

分かりやすい作業手順書を作成するポイント

手順書を作成しても、読んだ人が分かりにくいと効率化や品質、安全性の向上につながりません。新人や習熟度の低い従業員でも簡単に理解でき、すぐ作業へ反映できる作業手順書が理想です。以下、分かりやすい作業手順書を作成するポイントをピックアップしました。

視覚的に説明する

作業手順書を作成する際には、読み手が視覚的に理解できる内容を心がけましょう。たとえば、テキストのみがひたすら羅列されたような手順書では、読み手が理解しにくく運用を阻害するおそれがあります。人によって読解力も異なるため、写真やイラスト、動画などを用いるとよいでしょう。

特に、手順が難しい作業については、写真やイラスト、動画などの活用が望ましいです。文字や言葉による説明では理解しにくくても、写真や動画であれば感覚的に理解が進みます。また、視覚的に説明できれば、英語しか話せない外国人労働者にも対応できるでしょう。

すべての要素を明確化する

作業手順書の内容は具体的でなければなりません。抽象的な内容では、作業者が正しく理解できず作業品質やスピードの低下につながります。従業員に伝わる手順書に仕上げるには、5W1Hを意識しつつ作成に取り組むとよいでしょう。

5W1Hとは、When(いつ)、Who(誰が)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の略です。5W1Hを意識して作成した手順書であれば具体性が増し、初めて目にする人でも問題なく作業を進められます。新人や他部署からの応援など、前提知識をもたない人でも読めば作業に取り組める内容が理想です。

確認方法を記載してセルフチェックできるようにする

作業がきちんとできているかどうかを従業員自らが確認できるよう、基準を記載しておきましょう。確立した確認基準を手順書に記載していないと、従業員はミスをしたことに気づけず延々と低品質なものを生産しつづけるおそれがあります。

従業員がセルフチェックできるよう、チェックシートを用意するのもおすすめです。「〇〇は曲がっていないか」「サビはないか」「Aの部分に傷はないか」など、複数の項目でチェックできるシートを用いれば、従業員自ら判断がつけられます。

作業手順書は今後どう進化するのか

作業手順書は、フリーソフトのテンプレートやWordなどでも作成できますが、近年はオンラインで利用できる手順書を運用する事例も増えています。また、MR技術を活かして、作業の流れや注意点などを従業員の手元などに表示できる技術も実用化が進んでいます。

たとえば、スマートフォンやタブレット端末などを用いて、現場から手順書にアクセスできるようなシステムを導入するケースも少なくありません。これなら、手順や注意点を知りたいとき、わざわざ紙の手順書を探して開くといった工程を省くことができ、作業効率を低下させません。

また、ウェアラブル端末の一種で、メガネのように装着するスマートグラスを利用して、作業手順や注意点を表示する技術も広がりを見せつつあります。

スマートグラスは、装着したままさまざまな情報を確認できるため、手がふさがらないメリットがあります。たとえば、習熟度の低い従業員に対し、ベテランや管理者がスマートグラスにリモートで情報を送り、現場の従業員をサポートするといった活用も可能です。

まとめ

作業手順書の作成により、作業の標準化や効率化が進み、従業員の安全も確保できます。実際に手順書を作成するときは、作業の洗い出しを行ったうえで時系列に沿って書き記し、仮運用で内容を精査しましょう。また、分かりやすい手順書に仕上げるため、要素を明確化する、写真や動画を活用するといったことも大切です。手順書は作ればよいというものではありません。成果につながる手順書を運用するため、本記事でお伝えしたポイントなども踏まえて作成を行いましょう。

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