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デジタイゼーションとは? デジタライゼーションやDXとの違い

DXの実現にはステップがあり、最初はデジタイゼーションから始めることが一般的です。本記事では、デジタイゼーションの概要から、ステップごとの違いや具体例、実現することで得られるメリットについて解説します。また、実際に取り組む際の基本的な手順やポイントも紹介します。

デジタイゼーションとは? デジタライゼーションやDXとの違い

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デジタイゼーションとは?

まず、DXと同じ場面で登場することの多い「デジタイゼーション」は、そもそもどのような意味で、DXとの違いはどこにあるのかについて解説します。

デジタイゼーションとはDXの最初のステップ

「デジタイゼーション(Digitization)」は、紙の文書などアナログデータを電子化する取り組みを指します。「デジタルへの変換」と説明されることもあるでしょう。

総務省が公表した「令和3年情報通信白書」によると、広義ではDXと同じ意味として捉えられ、国連開発計画(UNDP)では以下のように定義付けられているとしていいます。
「既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること」
(引用元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112210.html

経済産業省においても、2018年9月に公表された「DXレポート」に続き、2020年12月には「DXレポート2(中間とりまとめ)」を発表し、デジタイゼーションを「アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化」であると定義しています。

企業がDXを進めるためのステップは、まず「デジタイゼーション」からスタートし、次にプロセスのデジタル化である「デジタライゼーション(Digitalization)」へ進むのが一般的です。そしてデジタライゼーションから発展させた形が「DX」とされています。

デジタライゼーションやDX(デジタルトランスフォーメーション)との違い

では、デジタイゼーションは、デジタライゼーションやDXとどのような違いがあるのでしょうか。
デジタイゼーションは、アナログからデジタルへの部分的な移行です。一方、デジタライゼーションは、デジタルによって全体の業務プロセスを最適化し、ビジネスモデルや組織を変革させることを意味します。そして、デジタライゼーションをさらに発展させ、デジタル技術やさまざまなデータを活用することでビジネスモデルを根底からくつがえし、競争優位性を確保していくことがDXです。
企業がデジタライゼーションやDXに取り組み、実現させると、新しい事業価値を創出できたり、良質な顧客体験を提供できたりするようになるでしょう。

デジタイゼーションのメリットは?

デジタイゼーションは、組織におけるDX化のファーストステップとして、気軽に取り組みやすいのが特長です。また、他にもさまざまなメリットが挙げられます。
例えば、これまでアナログで行ってきた業務をデジタル化することで、業務効率化を図れるようになります。人が関わることなく自動的に処理できることが増えると、ヒューマンエラーが減り、生産性も向上するでしょう。ひいてはワークライフバランスが実現し、離職率低下にも期待できます。従来負担となっていた人件費や、紙資源などのコストを削減できることも魅力です。

デジタイゼーションの事例

デジタイゼーションとなる身近な例としては、ITツールの導入が挙げられます。例えば、テレワークが浸透してきた昨今では、対面での会議や打ち合わせよりも、オンラインでのミーティング機会が増えています。クラウド型オンライン会議ツールを活用することも、デジタイゼーションの例です。これにより、オフィスと自宅との移動時間が短縮でき、従業員は他に注力すべき業務に取り組めたり、休暇をとってリフレッシュしたりすることも可能になるでしょう。
その他にも、紙で管理していた資料を電子化するといったことも、よく行われているデジタイゼーションの例です。紙資源の節約はコスト面だけではなく、地球環境に優しい取り組みを積極的に行っているとして、社会へ広くアピールできます。すると企業イメージが向上し、採用活動時に優秀な人材を確保しやすくなるのも大きなメリットと考えられます。

デジタライゼーションの事例

昨今は、RPA(Robotic Process Automation)といったツールを活用し、わずらわしい定型作業を自動的に処理する取り組みも注目されるようになりました。これもデジタライゼーションの例であり、データ入力作業や経費処理といった業務プロセスの多くは、RPAで自動化できるようになります。すると、手作業での入力ミスが減り、人はより注力したい専門的な業務へ専念できるようになります。このように、デジタライゼーションの取り組みによって、従来のビジネスモデルをより良いものに変革すれば、業務効率化を図れて生産性向上にもつながっていくでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例

DXの段階では、5GやIoTといった最先端のデジタル技術を基に、ビジネスモデルや企業文化を根底から変革し、市場での優位性を維持するような取り組みが行われます。
例えば昨今、自動車業界で注目される、自動運転技術が挙げられるでしょう。デジタル技術を駆使することで、ハンドルに手を触れることなく自動的に運転できるようになったのは、非常に画期的なことです。この技術が広まれば、交通事故や渋滞を減らせるようになるでしょう。さらに、運輸業界では、労働人口の減少によるドライバー不足の解消や、新たな交通サービスの創出なども期待できます。

デジタイゼーションとDXの進め方

もし、まだデジタル化を進められていない場合、デジタイゼーションからDXに向けて、どのように進めていけばよいでしょうか。基本的なプロセスの考え方について解説します。

業務内容を分解し、デジタル化のためのツールを導入する

デジタイゼーションの本質は、手作業などアナログで行ってきたことをデジタル化することにあります。
まず、現在の業務にどのような作業があるのか分解し、手作業で行っている箇所を可視化します。それをデジタル化すると決めれば、次はどのツールを導入するのかを検討しましょう。その際、自社や自組織にとってどのようなデータが必要なのか、どう処理するのかといった作業手順を考えることがポイントです。デジタル化を実現するためのツールにはさまざまな種類があるため、複数のツールから機能面やコストなどを総合的に比較検討して選びます。
最初はスモールスタートによる導入でも、徐々にデジタイゼーションする部署や部門を増やしていくと、次のステップへスムーズに進めやすくなるためおすすめです。

新しい顧客体験を検討する

激しい競争が繰り広げられる市場において、企業には自社の視点で商品やサービスをただ販売するのではなく、顧客にとって良いと感じてもらえるような新しい「顧客体験(CX)」もあわせて提供することが求められます。デジタイゼーションを実践する場面でも、既存の顧客体験に問題がないかどうかをチェックし、顧客のニーズにあわせて最適な体験価値を検討することが大切です。そのためには、カスタマージャーニーマップを作成したり、自社の各チャネルやシステムなどの課題を解決すべく、ソリューション構築をしたりすることも検討するとよいでしょう。

デジタイゼーションを始めるならマイクロソフトのクラウドアプリDynamics 365

ビジネスモデルを変えずに、アナログからデジタル化する取り組みをデジタイゼーションと呼び、業務効率性のアップなどに期待できます。その際、「Microsoft Dynamics 365」といったクラウド型のビジネスアプリケーションを活用するのもおすすめです。マーケティングや営業支援、カスタマーサポートなどから、必要な機能のみを選択することでコストを抑え、デジタライゼーション、DXへとスムーズなステップアップが可能になるでしょう。今や企業の競争力向上にDX推進は不可欠です。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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