Dynamics 365 Business Central(以下、D365BC と略す)は、進化し続けています。
Copilot を使用した AI 機能との連携が D365BC のリリースアップごとに機能追加されて来ています。
これまでの D365BC の Copilot 連携機能
これまでに提供、あるいは一般提供前のプレビュー段階で公表されて来た D365BC の Copilot 連携機能には、以下のものがあります。
- マーケティングテキストの提案
- 分析モードの設定提案*
- 受注明細行を簡単に作成*
- Copilot とチャット*
- Copilot を使用した銀行勘定調整
- Copilot を使用した品目マスタ登録*
- Copilot を使用した伝票番号採番ルールの設定*
「*」を付した機能は、現在正式提供前のプレビュー段階のもので、近々に一般提供が 開始となる機能です。
「*」の記載の無い機能は、すでに一般提供が開始されております。
上記の Copilot 連携機能は、いずれも一言でいえば「D365BC の操作に対するガイダンスと支援の提供」です。つまり、アシスタント機能として Copilot を使用できるように連携しているのです。
なお、このアシスタント機能の実現方法としては、(4)の Copilot とチャット の機能 は、Copilot のサイドカーとしての利用ですが、他の機能はいずれも Copilot が D365BC に組み込まれた機能としての実現ですので、より D365BC に密着した機能といえます。
新しい方向性を持った D365BC の Copilot 連携機能の計画
前述の D365BC の Copilot 連携機能に対して、今後の Copilot 連携強化の方向性を示すような機能の提供が予定されています。
これまでのアシスタント機能から一歩踏み出して「自律的に動作してビジネスプロセス を自動化」するものです。
最初に提供される機能は、「販売注文エージェント」です。
販売注文エージェント機能の概要
当機能は今後一般提供開始前のプレビュー段階を経て、一般提供開始となります。
まずは、米国からの提供開始のようです。
当機能で予定されている機能は、次のような内容です。
- 会社の共有メールボックスで顧客のメールから品目の要求を受け取ります。
- D365BC に登録されているものから顧客を特定します。
- 要求された品目についての販売見積の下書きを作成します。
- 品目があるかどうかを確認します。
- 承認を得るために販売見積を顧客に転送します。
- 確認を受け取り、見積を販売注文に変換し、メールで注文を顧客と共有します。
販売注文エージェントによって実行されるアクションは、ユーザーが Copilot ウィン ドウで確認できるように完全に透明です。
サポートが必要なときや、プロセスで担当者によるレビューが必要なとき (すべての受 信メッセージと送信メッセージ、承認、不足しているデータの追加など)、エージェン トからの通知を検出します。
必要に応じて、担当者は見積または注文を調整して、エージェントにフローを続けるよ う指示します。
このようにして顧客からの品目要求のメールに自動で対応し、受注までの処理を自律的 に実行してくれるようになるのです。
このような Copilot 連携機能は、D365BC の AI 利用を一段階上のステージに引き上げ るものであり、日本での提供開始が待ちどおしいところです。期待しています。