近年はデジタル化やDXなどがあらゆる企業で進められ、業務効率化が重要な経営課題となっています。ただ、新しいシステムを導入しようとしても、運用体制の整備や従業員の教育などでハードルを感じることは少なくありません。この記事では、Microsoft社が提供しているPower Platformについて解説します。各ツールの機能やメリット、使い方、活用事例、おすすめの支援サービスについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Power Platformとは?
Power Platformとは、Microsoft社が提供する、業務効率化ツールを包括したクラウドサービスです。業務内容に応じたアプリケーションを作成できるPower Appsや、定型業務の自動化が可能なPower Automateなどが利用可能です。ここでは、それぞれのツールでどのようなことができるのかについて詳しく解説します。
1. Power Appsでできること
Power Appsとは、プログラム知識がなくてもアプリケーションをローコードで、かつテンプレートを使用しながら簡単に開発できるツールです。たとえば、勤怠情報や日報などのデータを、One Driveの中にあるExcelファイルに保存するといったスマートフォンアプリを開発できます。データの入出力が容易になるだけでなく、スマートフォンのGPS情報を取得したり、写真を送受信したりするアプリケーションなども作成可能です。
2. Power BIでできること
Power BIは、データを分析したり、グラフなどを使って分かりやすく見える化したりできるBI(Business Intelligence)ツールです。Power Appsで開発されたアプリケーションやプラットフォームを利用したうえで、Power Automateによって自動的に収集されたファイルからグラフを作成し、ダッシュボードに表示できます。もちろん、データはExcelファイルなどに限らず、さまざまなクラウドサービスで提供されているデータベースとも連携可能です。
3. Power Automateでできること
Power Automateは、条件を設定することで定型業務の「自動化プロセス」を作成できるツールです。「旧Microsoft Flow」と表記されることもあります。
外国語のメールを受信した際に人の手を借りずに翻訳したり、申請書が承認された際に自動で所定のフォルダへ移動したりなど、業務プロセスの自動化を実現できます。Power Automateは、各種クラウドサービスとAPIで連携するDPA(Digital Process Automation)の側面も備えている重要なツールです。
4. Power Virtual Agentsでできること
Power Virtual Agentsは、社内外向けのAIチャットボットを作成できるツールです。専門知識を持ったエンジニアがいなくても、Microsoft Teamsで従業員や顧客とのやりとりを可能にします。
Power Virtual Agentsでは、トピックと呼ばれるキーワードを最適化することで、利用目的に合わせたチャットボットサービスの構築が可能です。うまく活用することで、問い合わせ対応などにリソースを割くことがなくなり、受付や総務の対応工数を減らせるようになります。自己学習型AIのため、使えば使うほど精度が向上するのもポイントです。
5. Power Pagesでできること
Power Pagesとは、社外向けのWebサイトをテンプレートを使用しながら簡単に開発できるツールです。デザインもドラッグ&ドロップで簡単に作成することができます。たとえば、自社のセミナー・イベントへの申し込み用サイトや、顧客からの問い合わせを受け付けるサイトを作成可能です。
Power Platformの使い方
Power Platformはクラウドサービスであるため、WebブラウザからMicrosoft社のアカウントにログインするだけで利用できます。またデータベースやSNS、他社から提供されているクラウドストレージなど、異なるサービスと連携するためのコネクタと呼ばれる機能も用意されています。
Power Platformを利用すれば、Officeアプリケーションと同じような操作で開発作業のほとんどを行えます。具体的には、作成するアプリケーションの画面で、PowerPointやExcelを利用するのと同様に、ドラッグ&ドロップによるレイアウト変更が可能です。他にもデータを集計、分析できるBIツールもWebブラウザから利用できます。
Power Platformの活用事例
「業務効率化のために新しく業務システムを導入したい」と検討していても、保守などの運用体制や工数の負担、新規システムの習得方法などで課題を抱えがちです。そうした悩みを解決するには、Microsoft 365ライセンスで利用できるPower Platformを活用しましょう。また、その際には富士フイルムデジタルソリューションズの「テンプレートアプリ」を導入すると、安価で素早く業務アプリを使えるため、おすすめです。
ここでは、Microsoft 365のライセンスを持っている会社がPower Platformを利用すると、どのようなメリットがあるのかについて、事例を2つ紹介します。
事例1:業務課題をテンプレートで解決
テンプレートアプリでは、文書管理や情報共有、申請作業など、業務課題ごとに各種テンプレートアプリが用意されています。そのため、安価なランニング費用で、自社の課題解決に向けた業務アプリをスピーディに作成・運用することが可能です。
事例2:システム間を簡単に連携
業務ごとに異なるシステムを連携できるのも見逃せないポイントです。普段業務で使い慣れているMicrosoftの各種アプリケーションと同じ操作感で、ユーザーにストレスを与えません。
また、保守や運用がスムーズで、高いセキュリティ環境も整備されています。クラウドサービスであるため、リモートでのアクセスも可能です。
Power Platformのテンプレートアプリ
Power Platformの導入・運用をスピーディにできるよう、ゼロからアプリを開発するのではなく、業種や業界によらず活用できる便利なテンプレートアプリを利用するのがおすすめです。ここでは、富士フイルムデジタルソリューションズが提供しているテンプレートアプリを紹介します。
1. データ管理・共有
データ管理や共有を目的としたものは、5つのカテゴリ・10種類のテンプレートアプリが提供されています。データの一元管理、情報共有の促進するテンプレート群で、データの利活用による社内コミュニケーションの促進にもつながります。
2. 業務プロセス効率化
業務プロセス効率化を目的にするなら、5つのカテゴリ・12種類のテンプレートアプリを活用するとスムーズです。定型業務の可視化と効率化を促進するテンプレート群です。
Power Platform導入は支援サービスを利用するのがおすすめ
Power Platformを導入する際には、支援サービスを利用すると社内に早く浸透し、運用効果をより高められます。富士フイルムデジタルソリューションズでは、導入支援サービスも提供しています。
ハンズオン教育
「Power Platformを習得したいのに業務が多忙で時間を取れない」といった悩みに応えられるのが「ハンズオン教育」です。これはアプリの作り方を学べるサービスで、自分で一から習得するよりも効率よくPower Platformに関する理解を促せます。お客様の技術レベルに応じた教育内容にできる点も安心です。
運用支援
専門的な知識を持った一部のエンジニアしかPower Platformの使い方を理解していない場合、導入後に問い合わせ窓口が集中することも少なくありません。「スキルの底上げで担当者の負担を軽減したい」といった要望があがることはよく見られることです。
それらを解決できるのが「運用支援」です。既存アプリの機能を修正・追加でき、アプリの新規作成時も知識を役立てられます。アプリについて多くの従業員が理解を深めて共有すれば、業務効率化やリスク分散にもつながります。
まとめ
Power Platformは、Microsoft 365のライセンスがあれば追加ライセンスが不要で、業務効率化などを実現できるクラウドサービスです。富士フイルムデジタルソリューションズのテンプレートアプリを導入することで、安価かつスピーディに活用できるようになります。これから自社でPower Platformを活用してみたいとお考えであれば、ぜひご検討ください。