できない営業マンが優秀な営業マンになるためには、できる人材の方法を学んで実践する必要があります。では、優秀な営業マンとは、一体どのような人材を指すのでしょうか?営業部門全体のレベルを底上げするためにも、できる営業マンの定義を知り、そのノウハウを人材育成に役立てましょう。
そもそも優秀な営業マンの基準とは?
優秀な営業マンの定義は、「成果」を上げていることがひとつのポイントです。営業における業務の根幹は企業利益を上げることなので、これが適切に遂行されていなければなりません。
しかし、成果はあくまでも指針のひとつにすぎず、「顧客との信頼関係の構築」「咄嗟の正確な判断」「積極的な行動」ができているのかも重要です。これらを加味すると、成果に結びつくプロセスや制約後のアフターフォローなども重視すべきでしょう。
また、いかに優秀な営業マンであっても、トラブルや成果の伸び悩みに直面することもあります。その際、「なぜトラブルが起きたのか」「なぜ成果が落ちたのか」など、自分で考えて行動する力がある人材は優秀です。これができていれば、トラブル後に自分で対策を立てられますし、成果が多少落ちてもまた立ち直れるでしょう。
これらを総合すると、優秀な営業マンの基準として以下の点が挙げられます。
- 成果を上げている
- 問題の解決能力がある
- 顧客と信頼関係が築けている
- 行動力がある
- 成約後のことも考えている
上記の5つのうち、複数の基準を満たしていれば優秀です。足りない部分がある場合も、しっかりと育成することで優秀な営業マンになる可能性を秘めています。
優秀な営業マンの特徴
優秀な営業マンの多くに当てはまる特徴として、以下の点が挙げられます。
- コミュニケーション能力が高い
- 身だしなみに気を配っている
- 誠実さと責任感がある
- 常にアンテナを張り巡らせている
- 業務や成長に対して意欲がある
- レスポンスが素早い
営業ではさまざまな人間と接するため、コミュニケーション能力が重要なポイントです。成果もコミュニケーションによって発生するため、優秀な営業マンの多くが「会話が得意」「人当たりがよい」といった特徴をもちます。
さらに、人とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、身だしなみも重要です。たとえば、シワだらけのスーツや汚い靴を身につけた営業マンがいた場合、「この人に仕事を任せても大丈夫だろうか」という考えに至るのは当然です。身だしなみは第一印象を左右する重要なファクターであり、できる営業マンは当然それを認識しています。
無論、身だしなみだけよかったり、口八丁だったりすればよいというものでもありません。中身が伴わなければ誠実さを感じられず、責任感のない人間であると捉えられてしまいます。できる人材は、外見だけでなく実際に中身も伴っているものです。
また、多くの人間と信頼関係を築くには、幅広い知識を有することが強みになります。「自分の業種に関わる情報」「ビジネス」「ニュース」「趣味」「流行り」など、さまざまなことに関心があってアンテナを張り巡らせている営業マンは総じて優秀です。
そして、自分の業務や能力に対して意欲的な姿勢も重要です。どんなに優秀でも、業務に意欲がなければ会社を辞める原因にもつながるため、企業にとって優秀な人材の多くは自分の業務に意欲的です。
優秀な営業マンの共通点
優秀な営業マンは、「営業センス」「情熱」「ぬかりがない」という3つの共通点をもっています。ここでは、それぞれがどういう意味合いなのかを解説します。
営業センスのある人材
できる営業マンの共通点として最初に挙げられるのが、営業センスのある人材です。一口に営業センスといっても意味合いはさまざまですが、主な点は以下となります。
- さりげなく成果につなげられる
- 説明が簡潔でわかりやすい
- 相手によって適切な質問ができる
- 最適なタイミングでコンタクトを取れる
- 聞き上手である
営業が成果を考えすぎて強引に推したり、逆に押しが弱すぎたりしてもいけません。適切な強さで推すことが肝要です。また、センスがある人材は大抵、話がうまく聞き上手です。相手によって適切な質問ができるほか、相手が困っている最適なタイミングでコンタクトを取れます。
自分の業務に情熱がある
自分が携わっている業務に対してやる気がなければ、成果も上げられません。特に営業は、自社の商品をアプローチするのが仕事であるため、その商品のよさがわかっていなければ、相手によいプレゼンテーションができないのです。
逆にいえば、優秀な営業マンは自社商品をよりよく相手に見せることに長けています。他社より劣っている点があったとしても、自社と契約することでどのようなメリットがあるのかを的確に伝えることが可能です。
不測の事態を想定している
商談の場では何が起こるかわかりません。うまくいっていた話も、ふとした問題をきっかけに破談となることもざらにあります。こうした不足の事態があった場合も、常に新しいチャンスに変えられるよう想定しているのが、できる営業マンです。
問題には兆しがあることも多く、事前にコミュニケーションを取っておくことで防ぐことも可能です。そして、積み上げた下準備をもとに、抜かりなく成果にもっていけるのが優秀な人材の特徴です。
優秀な営業マンになるためには
優秀な営業マンへの近道は、身近なできる営業マンの仕事を真似することです。「どのように成果に結びつけているか」「プロセスや業務をどのように行っているか」を共有してもらうのです。そうして、それぞれが足りない点を補うことで個々のレベルアップにつながり、ひいては営業全体の質の向上につなげられます。
また、営業マンの育成においては、ロールプレイング(ロープレ)の積極的な実施をおすすめします。ロープレとは、上司などが顧客に扮して実際の営業現場を想定し行う模擬演習です。ロープレを行ったあとはフィードバックすることで、改善点を見つけて営業センスの向上につなげます。このとき、「顧客役」「営業役」「ロープレを監査する第三者」の3人で行うと、より客観的なフィードバックが可能です。
営業センスを磨くうえでは、話し方も意識しなければいけません。身振り手振りや間の取り方などを考えることで、よりコミュニケーション能力の向上が期待できます。たとえば、これを最大限に活かした芸能では、落語があります。
落語では、言葉と言葉の間をコントロールして、お客さんの感情をコントロールします。さらに身振り手振りが加わることで、より具体的に情景が浮かぶのです。ボディランゲージによって想像力が働くのは人間の特徴でもあり、これをうまく身につけることで、コミュニケーションやプレゼンに役立てられます。
優秀な営業マンの身だしなみや持ち物
先述した通り、身だしなみは第一印象に直結します。身だしなみがしっかりとしている営業マンは、それだけでも好印象となるため、できる人材は意識しているポイントです。
このとき意識する点は、清潔感と控えめさです。たとえばスーツでは、派手すぎないシンプルな柄や色をチョイスして、サイズも身丈に合ったものを選択します。毛玉や汚れ、シワがつかないよう常に気を配って、汚れたときはすぐにクリーニングに出しましょう。
またネクタイの色は、TPOによって使い分けるのが正解です。謝罪のときは紺のネクタイ、大きなプレゼンのときは赤いネクタイなど、色を適切に使い分けると優秀さを印象づけられます。
そのほか、身につけるものとしては靴や腕時計がありますが、どちらも控えめなデザインと色合いにします。特に靴を見る方は多いため、常に綺麗に磨いておきましょう。
身につけるもの以外では、髪型や髭の手入れ、口臭や体臭のケアが挙げられます。髪は短くセットして、髭はしっかりと剃り、臭いのケアも欠かさず行います。カバンの中には、こうしたケアを行えるグッズを入れておきましょう。
まとめ
優秀な営業マンの業務内容を部門全体で共有して真似する方法は、確かにレベルの底上げには有効です。しかし、あまり属人的になってしまうと、優秀な人材が辞めた際、レベルが一気に下がってしまうという問題が起こりかねません。
そこで営業にICTシステムを導入し、効率化を図るのもひとつの手です。たとえば、「Microsoft Dynamics 365」では営業支援システムを提供しており、業務全体の見える化が可能です。これによりチーム全体で足並みをそろえられ、最適なタイミングで顧客にアプローチできるようになります。個人の属人的な手法に頼ることなく全体のレベルを上げられるため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。