自社WebサイトやECサイトに良いFAQを設置することは、顧客満足度やCVの向上につながります。しかし、そもそも「良いFAQ」とはどのようなものなのでしょうか。
本記事では、良いFAQの条件や具体的な改善方法、解決率を高めるポイントなどを解説します。記事を踏まえ、成果が期待できるFAQへの改善に取り組んでみましょう。
良いFAQサイトの条件
FAQとは、アクセスユーザー自らが知りたい情報を取得できるよう設置するコンテンツで、「よくある質問」とも呼ばれます。そのため、求める情報へスピーディーにアクセスできるのはもちろん、ユーザーが抱える課題を解決できる設計が求められます。
求めるFAQをすぐに探すことができる
良いFAQの条件として、求める情報へスムーズにアクセスできることが挙げられます。たとえば、質問と回答をカテゴリ別に整理している、検索フォームを設置しているといったFAQであれば、比較的スムーズにユーザーは求める情報にアクセスできます。
また、Webサイトそのものの設計にも配慮しなくてはなりません。FAQの内容が充実し検索性に優れていても、FAQそのものにたどり着けなければ意味がありません。FAQへの入口も分かりやすくしておく必要があります。
解決率が高い
FAQにアクセスするユーザーの多くは、自ら課題や悩みを解決したいと考えています。このニーズに応えられるよう、コンテンツを充実させなくてはなりません。
そのためには、想定される質問や悩みを正確に汲み取り、FAQに反映させる必要があります。コンテンツのボリュームが大きすぎると、求める情報を見つけるのに時間がかかるため、どれくらいのFAQを用意するかも考えなくてはなりません。
FAQサイトの継続的な改善ができている
FAQを運用しつつ継続的な改善ができていないと、ユーザーの新たなニーズに対応できません。情報が古いままでは求める情報を取得できず、ユーザーにストレスを与えてしまいます。
そのため、FAQは一度構築して終わりではなく、定期的な見直しと改善を繰り返す必要があります。ユーザーのニーズがどう変化しているのかを把握し、FAQもそれに合わせて成長させることが大切です。
求めるFAQを探しやすくするには?
ユーザーが求める情報へスムーズにアクセスできるよう、検索窓の配置やSEOの強化に取り組みましょう。また、ユーザー目線でカテゴリ分けする、FAQへの導線を見直すことも大切です。
見るべき指標
FAQの改善にあたり見るべき指標は、0件ヒット率、セッション数とアクセス数の比率、閲覧率の3つです。
0件ヒット数が高い場合、検索されると想定しているキーワードとコンテンツにギャップが生じている可能性があります。
セッション数はFAQサイトへの訪問回数で、アクセス数はコンテンツが閲覧された数です。2つの比率がなるべく1:1に近づくよう設計するのが基本です。
閲覧率は、キーワード検索からスムーズに求めるコンテンツへアクセスできているかどうかを示す指標です。
改善方法1:検索窓の配置を見直す
FAQのボリュームが大きい場合には、検索機能の実装が必須です。質問と回答の数が多すぎると、カテゴリ分けをしていてもユーザーがなかなか求める情報へアクセスできない可能性があります。
検索窓を設置すれば、ユーザーがキーワードを入力して知りたい情報を探せます。FAQページのみでなく、全ページへの設置で情報へのアクセス性を高められるでしょう。
改善方法2:SEO対策を強化する
SEOの強化により検索順位が上がれば、ユーザーはGoogleなど検索エンジンから直接知りたい情報を見つけられる可能性が高まります。想定されるキーワードを抽出してコンテンツに盛り込む、検索エンジンに好まれるサイト設計を採用するなど、SEOの強化に取り組みましょう。
改善方法3:ユーザー目線でカテゴリ分けする
FAQに検索機能を導入していても、「そもそもどのようなキーワードで検索すればよいのか分からない」といったユーザーが一定数存在すると考えられます。このようなユーザーが求める情報をすぐ見つけられるよう、カテゴリ分けをしておきましょう。
大切なのは、ユーザー目線でカテゴリ分けをすることです。ユーザーはどのような情報を求めてFAQへアクセスしているのかを考えて、コンテンツを整理しましょう。
改善方法4:FAQへの導線を見直す
優れたFAQを構築しても、ユーザーがたどり着けないようでは意味がありません。FAQへスムーズにアクセスできるよう、導線を見直しましょう。
まず、全ページに表示される共通メニューにFAQを加えます。これで、ユーザーはどのページからでもFAQへのアクセスが可能です。また、問い合わせフォームや電話番号などの近くにFAQを配置すると、問い合わせの削減効果が期待できます。
改善方法5:お問い合わせの件数が多い順に並び替える
問い合わせ件数の多さはニーズの高さを示しています。多くのユーザーが知りたがっている情報を上位に表示すれば、取得したい情報へ速やかにアクセスできて満足度向上につながります。
効果的な手法のひとつがランキング形式での表示です。よくある質問をランキング形式で表示すれば、多くのユーザーは求める情報をすぐに見つけられるでしょう。
FAQの解決率を高めるには?
FAQにたどり着いても知りたい情報を得られないとなれば、ユーザーにとってストレスです。解決率を高めるにはアンケート結果やクリックスルー率、閲覧後の問い合わせ件数といった指標をチェックし、そのうえで必要な対処を行いましょう。
見るべき指標
FAQで回答を示したあとに、「問題は解決しましたか」といったアンケートを用意することで、ユーザーの課題を解決できているかどうかを把握できます。解決できた、できなかった人の割合をチェックしましょう。
クリックスルー率は、FAQを見つけたユーザーが回答を閲覧した割合です。検索結果の表示回数が多いのにクリック数が少ないのなら、ユーザーのニーズにマッチしていない可能性があります。
閲覧後の問い合わせ件数が多い場合、ユーザーはFAQだけで問題を解決できなかったと考えられます。必要な内容のFAQが用意されていない、回答が難しく分かりにくいといったケースが挙げられます。
改善方法1:FAQの項目数を増やす
過去の問い合わせ内容などを分析し、FAQの項目数を増やしましょう。ユーザーが求める情報を網羅できれば、自ら課題を解決でき問い合わせ数の削減にもつながります。FAQ構築後も必要に応じてコンテンツを増やしていきましょう。
改善方法2:誰にでも伝わる文章へ書き換える
質問に正しく答えていても、ユーザーに伝わらなければ意味がありません。専門用語や難しい語彙をなるべく使わない、できるだけ短く回答するなど工夫しましょう。結論から伝えることも大切です。「〇〇は〇〇ですか?」といった「はい・いいえ」で答えられる質問に対しては「はい。〇〇は〇〇です。」と、まず結論から伝えましょう。
FAQの改善を継続的に行うには?
FAQを継続的に改善するため、お客様の声を参考にしましょう。また、定期的にFAQを更新する仕組みやルールづくりも大切です。
見るべき指標
お客様から寄せられたリアルな声は、FAQの継続的な改善に役立ちます。コールセンターやコンタクトセンターに寄せられた質問やクレーム、意見などを参考に、FAQへ追加すべきコンテンツを抽出するとよいでしょう。収集した声を定期的に集計、分析する仕組みも必要です。
改善方法:定期的に更新する仕組みを作る
FAQには、常に最新の情報を記載する必要があります。情報が古いままでは、ユーザーが悩みや課題を解決できない可能性があるためです。そのためには、定期的にコンテンツを更新する仕組みづくりが求められます。
定期的な見直しやメンテナンス行えるよう、組織の体制や仕組みを見直しルールも策定するとよいでしょう。定期的に効率よく更新作業を行えるよう、管理システムを導入するのも選択肢のひとつです。
まとめ
ユーザーが求める情報に速やかにアクセスして自己解決できることが、良いFAQの条件です。迷わずアクセスできるか、求める回答へスピーディーにたどり着けるか、課題を解決できるコンテンツであるか、などをチェックし改善に活かしましょう。
FAQの構築と継続的な改善を実現するには、専用システムやツールの導入が有効です。Microsoft Dynamics 365はさまざまな業務アプリケーションを網羅しており、FAQの構築も可能です。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。