メールのクラウド移行を検討している企業も多いでしょう。クラウドでメールを利用できれば、社外でも簡単にメールチェックができます。今回は、クラウドメールの導入方法と製品選びのポイントについて解説します。クラウド移行でお困りであれば、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドメールとは
クラウドメールとは、GmailやiCloudなどのいわゆるWebメールのことを指します。Web上にあるサーバーを介してメールの送受信を行う点において、パソコンにメールソフトをダウンロードする従来の電子メールとは異なります。
クラウドメールは、スマートフォンやタブレットなど社内PC以外の端末でも簡単にチェックすることが可能です。昨今では、情報量も増えメールソフトでは対応しきれていない企業も少なくないでしょう。したがって、情報共有の効率化や生産性向上のため、メールソフトではなくクラウドメールに移行する企業も増えてきています。
クラウドメールのメリット
クラウドメールには、さまざまなメリットがあります。ここでは、導入するうえで特にポイントとなるクラウドメールのメリットについて解説します。
大容量なメールボックスが使える
メールソフトをダウンロードしてローカルにデータを保存する場合、ハードディスクにかなりの負荷がかかります。一方クラウドメールの場合、メールデータはサーバーに保存されます。無料でもギガバイト単位、有償であれば容量上限のないメールボックスを利用可能なものも多いです。またPCが故障した場合も、クラウドメールを利用していれば、新しいPCやスマートフォンからすぐにメールデータを確認することが可能です。
最新機能に自動でアップデートされる
自社でメールサーバーを管理する場合、担当者が定期的に最新機能や環境にアップデートする必要があります。しかし、これでは人件費をカットしたい企業にとってはデメリットと言えるでしょう。一方、クラウドメールでは、迷惑メール対策やセキュリティといった重要な機能は、常に最新の状態に自動アップデートされます。そのため、いつでも最新の状況で安全に使用することが可能です。
どこからでもメールサービスが利用できる
クラウドメールの最大のメリットとして、インターネット環境さえあれば、どこでも利用できる点が挙げられます。
PCにメールソフトをダウンロードする従来の方法では、決まったPCでしかメールをチェックすることができませんでした。しかし、クラウドメールであれば、例えば社外で作業をしている場合でも気軽にチェックができます。コロナ禍や働き方改革によりテレワークを導入し始めた企業にとっては特に、クラウドメールの恩恵は大きいでしょう。
コストカットにつながる
通常、オンプレミス型ではシステム構築など初期費用がかかるため、無料のクラウドメール利用することでコストカットにつながります。
一方で、企業や取引の規模によって、無料サービスでは容量が足りないという場合もあり得るでしょう。その際は有償サービスへの切り替えを検討することになりますが、毎月の支払いが積み重なり予想よりも費用がかかることも十分考えられます。クラウドメールを導入する場合は、現在と導入後のメール使用量についてよくチェックしておくことが大切です。
メールのクラウド移行には何が必要?
多くのクラウドメールサービスでは、データ移行用のツールが用意されています。「使用予定のクラウドメールには、データ移行用ツールがあるか」という点を確認しておくとよいでしょう。また、クラウド移行ツールを使えば、サーバーにかかる負担を抑えた移行が可能です。この方法であれば、利用ユーザーにも影響は出ません。
例えば、サイボウズが提供しているMailwiseでは「cybozu.com データ移行ツール for サイボウズ メールワイズ」というツールを用意しています。また、Microsoft365にデータを移行したい場合には、MigrationWizを用いることで、クラウド移行を簡単に行えます。
クラウドメール製品の選び方
クラウドメールはさまざまありますが、何を基準に選べばよいでしょうか。ここでは、クラウドメール製品の選び方について解説します。
機能性
クラウドメールを選ぶうえで、まず重視したいのが機能性です。「フォルダの自動振り分け機能があるか」「メール共有は可能か」「ほかのサービスとの互換性はあるか」など、自社に必要な機能がそろっているか確認する必要があります。
また、メールボックスの容量や添付ファイルの最大サイズ、アンチスパム機能なども確認しておくことで、クラウドメールを使用する際に起こるトラブルを事前に防ぐことができるでしょう。
大切なのは、自社に必要な機能を見極めることです。機能の優先順位を決めて、従業員が使いやすいサービスを選ぶようにしましょう。
移行のしやすさ
メールデータをクラウドに移行する際にかかる時間は、ネットワーク環境やサーバーのスペック、データの容量によって異なります。数分で終わる場合もあれば、数時間かかることもあります。日常業務に支障をきたさないために、時間に余裕をもって臨みましょう。
加えて、トラブルが起きないよう、クラウドメールサービス導入・移行の流れをしっかり把握しておきましょう。またそのクラウドメールについて、「カスタマーサービスが充実しているかどうか」も確認しておくと、疑問点や問題の生じた際にもスムーズに対応することが可能です。過去の実績をチェックしておくことをおすすめします。
他システムとの連携
業務を進めるうえで、ほかのシステムと連携できるかどうかは重要なポイントです。特にクラウド上への移行の際は、業務フローの調整が必要になることも考えられます。その場合には、連携できるシステムの方が圧倒的に便利です。クラウドメールサービスを導入する際は、必ず事前に、「他システムと連携できるかどうか」についても確認しておきましょう。
利用のしやすさ
利用のしやすさも、クラウドメール製品を選ぶうえで重視したい点です。特に管理画面の操作性やUIは、メール対応の作業効率にも直結します。加えて、シンプルな画面は導入時の負荷も少なく、移行した後も比較的スムーズに使えるはずです。
利用のしやすさという点では、「マニュアルや問い合わせ窓口があるかどうか」も重要です。多くのクラウドメールサービスは、無料で試用期間を設けているので、これを利用してみるのもおすすめです。
セキュリティ
クラウド上に自社のデータを置いておくのは心配、という企業担当者も多いでしょう。しかし昨今 では、クラウドメールのセキュリティ機能も向上しており、安心して利用できるものが増えています。
ツールを選定する際は、セキュリティ対策はもちろんトラブル発生の頻度、復旧速度から算出されるサービスの稼働率、そして品質保証(SLA:Service Level Agreement)についても確認しておきましょう。
また、データセンターの立地・設備・運用もチェックしておくことで、問題発生時にスムーズな対応をしてもらえるか、判断することができます。
SoftwareONEのマネージドクラウドで簡単移行
DXの実現を目標に掲げるSoftwareONEでは、クラウドデータを保護するサービス「マネージドクラウド」を提供しています。
マネージドクラウドは、「セキュリティ管理」「バックアップ・アップデート管理」「コスト管理」「リファクト」など、クラウドを利用するうえで必要不可欠な機能を備えています。データの移行も簡単で安全に行えます。未だ移行ツールを決めかねている場合は、SoftwareONEの利用も視野に入れておくとよいでしょう。
まとめ
ここまで、クラウドメールの基本知識からメリット、移行に必要なポイント、製品ツールの選び方まで解説してきました。クラウドメール製品を選ぶ際は、機能性や移行のしやすさ、セキュリティといったポイントを押さえることが大切です。SoftwareONEのマネージドクラウドでは、スムーズなクラウド移行を支援しています。クラウドに関する総合的なサポートも受けられるため、クラウドメールの移行を考えている方はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。