快適な業務環境を構築するためには、SaaSのパフォーマンス最適化が重要です。ところが、利用するデバイスの多様化、システムの複雑化によって、従業員やIT活用の実態を把握することが困難になりつつあります。
レイクサイドソフトウェア株式会社が提供するワークスペースアナリティクスの「SysTrack」は、SaaSのパフォーマンスを最適化するために、利用状やIT資産を可視化して一元管理を実現します。
ここではSaaSのパフォーマンスの最適化に求められるポイントを挙げながら、SysTrackの概要を紹介します。
SaaSパフォーマンス最適化に求められる要件
快適なSaaS環境とはどのようなものでしょうか。従業員の業務レベルでは、リモートワークを含めて、障害やレスポンスの遅延がなく業務に集中できることが必須の条件です。IT部門や管理部門においては、ヘルプデスクの負荷軽減が重要になります。
経営面から考えると、最新の業務アプリケーションを最速で導入して企業の競争力を強化するとともに、コストの最適化が重要です。BCP(事業継続計画)の観点から、セキュリティなどのリスク回避もポイントになります。
SaaSパフォーマンス最適化に求められる要件を列記すると以下になります。
業務における最適化
- 働き方の把握
- 働き方に合わせたリソースの調達/提供
- アプリケーションパフォーマンス管理
- ハードウェアパフォーマンス管理
- デスクトップトランスフォーメーション
運用保守の最適化
- ライセンス管理
- ヘルプデスクの業務最適化
- 分析エンジン
コストの最適
- 予算の適切な利用とコスト削減
リスク回避の最適化
- 予防保守
- サービスレベルの遵守
- セキュリティリスクの可視化と監視
それぞれの項目は、独立しているわけではありません。たとえば、SaaSのパフォーマンスを業務に合わせて最適化することは、運用保守の最適化になり、コスト最適化にも貢献します。
順番に考察する中で、SysTrackのソリューションを取り上げていきます。
業務におけるパフォーマンス最適化
SaaSのスペックや環境は、実際の業務の状況に最適化することが第一の条件です。従業員の働き方やITリソースの利用状況に関するデータの収集と可視化を行い、全体を俯瞰してパフォーマンスを向上させます。
働き方の把握
複雑化、多様化するSaaSの情報システムにおいては、ITリソースの利用状況、生産性向上に必要なデータなどを収集する必要があります。
SysTrackは、エンドポイントから収集されたデータに基づいてペルソナ(ユーザーモデル)を作成し、ユーザーエクスペリエンスを最大化します。ペルソナで細分化することにより、ITリソースの無駄を省き、組織全体の最適化が可能になります。
働き方に合わせたリソースの調達と提供
企業の競争力を高めるためには、業務アプリケーションを常に最新の状態にする必要があります。しかし、その一方で管理項目は増え続けます。
エンドポイントに設置されるSysTrackエージェントは、既存のアプリケーションのバージョンやライセンスに加えて、プロトコルのトラフィック、システムリソースの分析、統合イベントと障害の追跡、自動的にバックエンドサーバーの検出と分析を行います。アプリケーションの全体像を確認しながら管理することが可能になります。
アプリケーションパフォーマンス管理
SaaSのアプリケーションを最適化するためには、常に稼働状況をモニタリングする必要があります。SysTrackは、アプリケーションに対するあらゆる監視、アラート、修正が可能です。多角的にパラメータの分析を行い、しきい値を超えたときに警告し、事前に設定した内容に沿って問題のあるアプリケーションを自動的に修正します。
ハードウェアパフォーマンス管理
ハードウェアもパフォーマンスの最適化が必要です。SysTrackを使うと、デスクトップとサーバーの詳細な情報、利用のパターン、リソース使用率を明確に把握できます。デスクトップ、SQLデータベースサーバー、ドメインコントローラーなど、すべての利用データを収集して維持費の算出とハードウェアに対する投資の最適化が可能です。
デスクトップトランスフォーメーション
企業の情報システムは絶え間なく進化するため、リアルタイムで現状を把握しつつ、最適な環境にトランスフォーメーション(変形)を行わなければなりません。したがって、情報システム部門では大規模なITシステムを完全に理解し、短期間の導入策定が求められます。
SysTrackの強力な分析エンジンを使うと、従業員の利用状況や行動、環境データを取得して、デスクトップトランスフォーメーションの計画立案を最適化します。
運用保守のパフォーマンス最適化
ハードウェアやアプリケーションの最適化に加えて、運用保守の見直しが重要になります。情報システム部門の作業負荷を軽減し、効率的な組織運営を行うことがポイントです。情報システム部門の担当者は煩雑な作業から解放され、本来行わなければならない業務に集中できます。
ライセンス管理
ソフトウェア資産は、コスト削減、監査、財務や法律上の観点から、ライセンスの利用状況の把握が求められます。不要なライセンスは破棄して監査に合わせた準備をします。他の資産管理ソフトウェアと異なるSysTrackのメリットは、ソフトウェアの情報を直接エンドポイントから収集することです。ライセンス環境、利用状況、要件などを可視化します。
ヘルプデスクの業務管理
日常的なシステムのトラブルや更新作業は、情報部門の業務を圧迫します。SysTrackでは物理的または仮想化されたデスクトップを視覚的に把握して、問題を迅速かつ継続的に診断・解決ができるようにします。エンドポイントという最も強力な視点から、情報システム部門のヘルプデスクを最適化します。
分析エンジン
直感的なチャットベースのインターフェイスを実装することにより、直感的に課題に対する答えをみつけられるようになります。SysTrackには、強力な自然言語処理を用いたAsk SysTrackを搭載しています。関連性手法を用いたシンプルな自然言語クエリを使って、問題に対する答えを簡単に得ることが可能になります。
コストのパフォーマンス最適化
業務の利用状況に合わせて、仮想マシンのスペックやストレージなどを柔軟に最適化できることがクラウドを利用したSaaSのメリットです。さらに、更新などの長期的な運用計画からコストを算出します。
予算の適切な利用とコスト削減
SysTrackを使用すると、仮想デスクトップやアップグレードなどを判断するための情報を把握しやすくなります。パフォーマンスの低下がないか、要件を満たしているか、あるいはハードウェア更新の必要性など、最適化の支援を行います。
リスク回避のパフォーマンス最適化
SaaSのリスクを回避するためには、予防保守、サービスレベルの厳守、セキュリティリスクの可視化と監視があります。
予防保守
技術的な課題と解決策を特定して、障害を予測して継続的な保守を行います。SysTrackエージェントはユーザーエクスペリエンス全体を監視し、ダウンタイムが発生する前に課題を認識してトラブルシューティングを行ないます。また、KPI(主要業績評価指標)の画面で正常範囲外を強調表示して、障害が起こる前に課題を把握できます。
サービスレベルの厳守
SLA (サービス品質保証)の測定と維持によりSaaSの信頼性を維持します。SysTrackではエンドポイントデータの継続的な監視を行い、ITベンダーが主張するSLAを検証することが可能です。ユーザーに影響を及ぼすパフォーマンスを定量化するとともに、アウトソーサーの運用コストを削減します。
セキュリティリスクの可視化と監視
生産性の向上とセキュリティ強化は、バランスよく持続することが重要になります。SysTrackでは、データの記録と評価を継続的に行い、脅威に対する予防、検出、対応を行います。
セキュリティ関連の複雑なトラブルに迅速な対応ができることを目的として、あらゆるファイルの実行と変更、ネットワークの接続状況、プロセス間イベントの関係を長期的に監視し、すべてのバイナリの実行を識別して記録します。
まとめ
SaaSのパフォーマンス最適化には、アプリケーションからハードウェア、従業員の働き方まで、あらゆるデータの収集と可視化が大切です。SysTrackはワークスペースアナリティクスのコンセプトによってSaaS全体のチューニングを可能にします。