マイクロソフトの人気クラウドサービスとは？特徴やできること

昨今では、クラウドサービスを導入する企業が増えています。それに呼応するように、多くのベンダーも日々新たなクラウドサービスを提供しています。数あるクラウドベンダーのなかでも確固たる地位を築いているのが、マイクロソフト社です。
そこで本記事では、マイクロソフト社製の人気クラウドサービス4つについて、特徴やできることをお伝えします。

Microsoft Azure

マイクロソフト社製クラウドサービスのなかでも特におすすめは、Microsoft Azureです。Microsoft Azureは「パブリッククラウド」であり、2010年にリリースされました。パブリッククラウドとは、企業や個人向けにサーバーやストレージ、コンピューティングなどの幅広いクラウド環境を提供するサービスです。

2022年3月現在、200種類を超えるサービスが存在し、さまざまな用途に利用できます。Microsoft Azureでできることは、主に次の3つです。1つずつ、順番に解説します。

• ハイブリッドクラウド環境をシームレスに運用できる
• 強靭なグローバルネットワークを使用できる
• 高セキュアな環境下で利用できる

ハイブリッドクラウド環境をシームレスに運用できる

Microsoft Azureの大きな特徴は「ハイブリッドクラウド」を実現できる点です。ハイブリッドクラウドとは、自社管理のオンプレミス環境とクラウド環境を組み合わせた環境を指します。オンプレミスのセキュリティ性とクラウドの俊敏性を両立できる、有力なソリューションです。

Microsoft Azureを使えば、ハイブリッドクラウド環境を構築し、シームレスに運用できます。オンプレミス環境を複数のクラウドやエッジ（モバイル端末）にまで拡大でき、利便性が飛躍的に向上します。また、異なるインフラ間の通信でも、意識することなく利用することが可能です。

強靭なグローバルネットワークを使用できる

Microsoft Azureは、世界中のデータセンターに高性能なコンピューターを配置し、強靭なグローバルネットワークを構築しています。そのため、世界中で高品質なパブリッククラウドを使用でき、海外への事業展開などにも対応可能です。また拡張性にも優れており、企業のニーズに応じて柔軟にスケールアウトできます。

高セキュアな環境下で利用できる

Microsoft Azureは、セキュリティ面でも高い信頼を獲得しています。世界中からセキュリティに関する情報をリアルタイムに収集し、常に対策をアップデートしているのです。データセンター内外のあらゆるセキュリティリスクを想定した対策が行われるため、クラウドの不安要素であるセキュリティ面の心配はありません。

Microsoft 365

「Microsoft 365」とは、マイクロソフト社製のさまざまなアプリケーション（以下アプリ）をパッケージ化したクラウドサービスのことです。2020年4月に従来の「Office 365」を統合して生まれたサービスであり、Office 365の機能が全て利用できます。Microsoft 365の特徴は、下記の3つです。順番に詳しく解説します。

• 常に最新のOfficeが使える
• コストを最適化できる
• 無料のサポートが充実している

常に最新のOfficeが使える

ExcelやWordといったOfficeのアプリをビジネスに取り入れている企業は多いでしょう。Microsoft 365を利用すれば、常に最新のOfficeアプリを利用できます。インターネットにさえ接続できれば、アプリの更新プログラムを素早く適用することが可能です。

また、WindowsやmacOSのパソコンはもちろんiOSやAndroidのスマートフォンなど、さまざまなデバイス・OSにインストールできます。さらに、Microsoft 365にはサポート期限がないため、ずっと安心して使い続けられるのも嬉しいポイントです。

コストを最適化できる

Microsoft 365の料金体系は、月額または年額の料金を支払うサブスクリプション方式です。ビジネス向けには4つのプランが用意されており、企業のニーズや予算に合わせて選べます。ビジネス向けは基本的に年間払いとなりますが、個人向けの場合は年間払い・月間払いから選択が可能です。

社員数の増減があった場合でも、サブスクリプションの開始・停止だけで済み、コストを最適化しやすいといえます。またクラウド上でデータ管理できるため、自社サーバーの構築や運用が不要となり、コストを抑えやすいでしょう。

無料のサポートが充実している

上記サブスクリプションの料金を支払えば、追加料金なしでMicrosoft 365のサポートを利用できます。アプリのセットアップや使い方、トラブルなど幅広いテクニカルサポートを無料で受けることが可能です。サポートが充実しているため、Officeに慣れていない方でも心配ありません。

Microsoft Dynamics 365

「Microsoft Dynamics 365」とは、マイクロソフト社が提供しているビジネスアプリのことです。営業やマーケティングなど、さまざまなビジネスシーンに役立つアプリを包括したパッケージとなっています。

Microsoft Dynamics 365でできることは、主に次の3つです。1つずつ、順番に解説します。

• Microsoft 365と連携できる
• ノーコードでニーズに合わせたカスタマイズができる
• データを有効活用できる

Microsoft 365と連携できる

Microsoft Dynamics 365は、先述したMicrosoft 365と連携できます。Microsoft 365のアカウントは、Microsoft Dynamics 365でもそのまま利用することが可能です。また、Microsoft 365のポータル画面上に表示されているため、他のOfficeアプリと同様にアクセスが容易に行えます。日頃からOfficeアプリを用いている方なら、直感的に操作できるでしょう。

ノーコードでニーズに合わせたカスタマイズができる

Microsoft Dynamics 365の1つの機能として提供されている「Microsoft Power Apps」を使えば、企業独自の業務アプリを作成できます。ドラッグアンドドロップなどでの直感的な操作、豊富なテンプレートにより、ノーコードでの利用を可能にしています。

また「Microsoft Power Automate」を使えば、パソコンの繰り返し作業を自動化することも可能です。GUIを用いてプロセスをつなぎ合わせるだけで業務フローを自動化でき、プログラミングスキルを必要としません。こうした機能を用いることで、企業のニーズに合わせて業務をカスタマイズできます。

データを有効活用できる

Microsoft Dynamics 365は、企業のデータ活用も加速させます。「Microsoft Power BI」を使うことで、膨大なデータの収集・可視化・分析が可能です。Microsoft Azure上で提供される人工知能（AI）の活用により高度な分析が実現し、ビジネスにおける有用なインサイトが得られます。

Windows 365

「Windows 365」とは、クラウド上でWindowsのデスクトップ環境を利用できるサービスです。Windows 365の大きな特徴3つについて、それぞれ順番に解説します。

• シームレスに利用可能
• ゼロトラストの原則に基づくセキュリティ
• 簡単に環境構築ができる

シームレスに利用可能

Windows 365は「DaaS（Desktop as a Service）」の一種で、クラウド上に自分専用のPCがあるような感覚で利用できます。Webブラウザさえあれば、macOSパソコンやスマートフォンでもWindowsを利用でき、環境の違いを意識する必要がありません。Officeなどのマイクロソフト社製アプリとの連携も可能で、シームレスな利用を可能にします。

ゼロトラストの原則に基づくセキュリティ

Windows 365は「ゼロトラスト」を採用しています。ゼロトラストの考え方である「何も信頼しない」に基づいて、強固なセキュリティを実現しています。データは信頼性の高いデータセンター内で厳重に保管され、個人端末に残ることはありません。そのため情報漏えいなどの心配がなく、企業の管理下にない個人の端末でも、企業のデータへ安全にアクセスできます。

簡単に環境構築ができる

Windows 365を利用するために、特別な環境構築は不要です。ライセンスを購入するだけで、すぐに新たなデスクトップ環境をクラウド上に構築できます。自社でITリソースを確保できない場合などでも、クラウドPCを追加することでカバーが可能です。また、VDI（仮想デスクトップ）の知識がなくても、簡単に運用できます。

まとめ

マイクロソフト社製のクラウドサービスはセキュリティ性・俊敏性に優れ、さまざまなビジネスシーンのパフォーマンス向上を実現します。
特にMicrosoft Azureは、ハイブリッドクラウド環境を実現してビジネスのDXを促進します。クラウドサービスの導入をお考えの企業は、Microsoft Azureなどのマイクロソフト社製品をぜひご活用ください。