新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、ビジネスのあり方は新時代へと進んでいます。いわゆる「Withコロナ」「Afterコロナ」と呼ばれるニューノーマルな時代が到来したことで、我々は今までに経験したことのないビジネス環境に身を投じていく必要があるのです。
その中で、IoT(モノのインターネット)やセンサーを活用した新しいビジネス環境の構築に取り組む事例も増えています。非接触型ビジネスが推奨されていますが、現時点で人と人との対面コミュニケーションを防ぐことは困難であり、ことビジネスにおいてはイノベーションの促進を図るためにも人同士の繋がりを維持しなければいけません。
本記事では、ビジネス環境刷新の一環として採用されることが多い「照度センサー」について解説します。照度センサーとは何か?どのような効果があるのか?ご注目ください。
照度センサーとは?
照度センサーは「明るさに反応するセンサー」のことです。身近なところで言えばスマートフォンやタブレット等のディスプレイの明るさ調整に搭載されており、周囲が明るければ画面を明るくして見やすくし、暗ければ画面の明るさを落とします。最近ではハイエンドモデルの端末でなくても搭載されているので、「ああ、あれか」とイメージできる方も多いかと思います。
また、単純な照度センサーは周囲が暗くなるとライトを点灯させ、周囲が明るくなると消灯するといったものも存在します。人感センサーと組み合わせれば人を感知してあらかじめ設定したレベルで点灯するなども可能です。
照度センサーで省エネ貢献
昨今のビジネスでは事業成長へ積極的に取り組むだけでなく、環境保護に対する配慮も必要になります。また、利益確保のために企業の水道光熱費を最適化することも重要になります。
そこで照度センサーを使った省エネ対策が有効です。前述のように、照度センサーは周囲の明るさに反応して調光等を行うセンサーなので、例えば人の移動が少ない執務室などにおいて照度センサーが調光することで、常に適切な照度で室内を照らすことができます。
外光の明るさに応じて調光することで無駄なエネルギー消費を控えたりして省エネに貢献できます。これも人感センサーと組み合わせるとより精巧な調光が可能になり、快適性を保ちつつ省エネ対策に繋がるので、光熱費削減も期待できます。
照度センサーを活用するとコロナ対策に繋がる?
「Withコロナ」「Afterコロナ」時代において重要なことはやはり「3密の回避」です。いわゆる密閉・密集・密接を避けることで新型コロナウイルス感染症拡大を防ぎます。
照度センサーは周囲の明るさに反応するセンサーなので、当然ながらそれだけではコロナ対策にはなりません。大切なのは他のセンサーと組み合わせて、コロナ対策に対応したオフィス環境を構築することにあります。
例えばオフィス内で最も3密になる可能性が高いのが会議室です。基本的には会議室のドアが開いた状態を保ち、窓を開けて風通しの良い環境を作ります。その上で参加者同士がソーシャルディスタンスによって距離を取り、最小人数で会議を実施するというのがコロナ対策になります。しかしながら、ビジネス上の便宜を考えると、3密回避が難しい現実もあるでしょう。これを複数のセンサーから監視して客観的情報を提供します。
照度センサーによって会議室の明るさを感知し、会議室の使用有無を確認、ドア開閉センサーによって3密回避のためにドアを開いた状態にしているかを確認、CO2センサーによって会議室の密集・密接状態を確認することで3密を回避します。
このようにセンサーを駆使してコロナ対策を講じることで、社員が安心して働けるオフィス環境を構築し、客観的情報から3密状態を確認することで組織全体が「Withコロナ」「Afterコロナ」時代を生きるビジネスパーソンとして自身の健康を管理できます。
「Withコロナ」「Afterコロナ」時代に欠かせないビジネス像とは?
新型コロナウイルス感染症は緊急事態宣言が発令された2020年4月7日以降、外出自粛やテレワーク実施によって感染者数が一時は東京で1桁台まで減少しました。しかし、宣言解除後には徐々に増加しています。おそらく私たちはしばらくの間、この新型コロナウイルス感染症と向き合う必要があるのです。
では、「Withコロナ」「Afterコロナ」時代ではビジネスがどのように変化していくのでしょうか?
テレワークの常態化
現在、日本で感染拡大している新型コロナウイルスは感染拡大が著しい米国やブラジルで流通しているウイルスとは型が異なり、比較的影響力が低いと言われています。しかし、2021年には東京オリンピックも予定されているので、次第に日本と海外を往来する人の数も増えていきます。また、企業は以前より働き方改革に取り組んでいます。そのような中でテレワークは常態化していくものと考えて良いでしょう。これに伴ってICTツールの導入が進み、クラウドサービスをベースにしたシステム構成が取られていきます。
スマートオフィスの導入
新型コロナウイルス感染症拡大に際し、オフィスのあり方も変わっています。従来は人が集まりビジネスを進めるための場所だったオフィスが、極力人の出入りを避けながら、センサー等を駆使したオフィスの使用状況を客観的に管理し、労務管理等にデータを役立てるようなスマートオフィスが導入されていくでしょう。
また、スマートオフィスを別の側面から見ると、社員ごとのビジネスパフォーマンスを可視化して労働生産性を向上する効果もあります。スマートオフィスが加速すると社員1人ひとりにフォーカスしたデータ収集・分析が可能になり、オフィス内の行動によってどれくらいのビジネスパフォーマンスを発揮しているかを把握できるようになります。それぞれの状況に応じてフィードバックを行うことで、労働生産性を向上するためのヒントを提示することになるでしょう。
以上のように、「Withコロナ」「Afterコロナ」時代ではビジネスのあり方が大きく変わっていくでしょう。企業はその未来を予測し、事前対策を取ることで次世代のビジネスに対応できる環境を構築することが重要です。
Microsoft AzureによるAI/IoT活用
前述したようなソリューションは、Microsoft AzureにおけるAI/IoTを活用したソリューションで実現することが可能です。IoTを通じてセンサーからデータを収集し、AIがそれを解析・分類・可視化することで客観的情報を得られます。「Withコロナ」「Afterコロナ」時代ではMicrosoft Azureなどのクラウドプラットフォームの重要性がより高まることでしょう。皆さんもこの機会にスマートオフィス等の新しいオフィス環境を検討されてはいかがでしょうか?