AI、機械学習

生成AIとは?ChatGPTの他や活用例を分かりやすく解説

生成AIとは?ChatGPTの他や活用例を分かりやすく解説

「生成AIとはどんなものなのか。ChatGPT以外の生成AIは何があるのか」

そんな疑問をお持ちのあなたに、当記事では生成AIとは何かを具体的に分かりやすく解説します。また生成AIの関連キーワードや具体的なサービスの紹介もしているので、読み終える頃には生成AIについて理解し、使ってみたい気持ちが高まっているでしょう。

AIの効果的な活用方法とは? 製造業の未来を支えるテクノロジー

生成AIを簡単に解説|基本的な定義と仕組み

生成AIを簡単に解説|基本的な定義と仕組み

「AI」と「生成AI」の違いを説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。当項では生成AIの基礎知識から解説します。

生成AIに重要な「モデル」も含めて、初心者にも分かりやすい形で解説します。

生成AIの定義・従来のAIとの違い

生成AIはコンテンツを生成できるAIのことです。一方でAIは学習した動作、作業を人間のように行う概念のこと、または概念を体現した機械のことをいいます。

AIは人間のように動作、作業することで人間の代わりに業務の自動化を実現できます。生成AIは自動化できる作業のうち、コンテンツ生成に特化しているAIで、機械学習によって動作を習得します。

AIが行う機械学習には強化学習、クラスタリングなどがあり、その中でも生成AIがコンテンツを生成するために実施している学習がディープラーニングです。ディープラーニングによって、データ間の共通点や関連性を生成AIにインプットすることで、コンテンツを生成する能力を得ます。

ディープラーニングにはたくさんの訓練データ(インプット用データ)が必要です。一般人が生成AIをつくろうと思えば、膨大な訓練データを用意するだけでも大きなハードルになるでしょう。よって、企業が訓練を済ませた生成AIをサービス化して提供することで、一般人も手軽に利用可能です。

ChatGPTなどの生成AIサービスは、モデルが膨大な訓練データをディープラーニングしたことで、コンテンツを生成しています。

生成モデルとは

生成モデルとは、コンテンツを生成するためにディープラーニングによって訓練された構造のことです。

モデルとは特定の動作を自動化するために機械学習された構造を指し、生成モデルの場合はコンテンツ生成に特化したモデルです。他のモデルの例として、識別モデルは与えられた画像に映り込む人や生物、物体の検出に特化したモデル、といえます。

生成モデルはディープラーニングされたことによって、与えられた条件からコンテンツを生成可能です。コンテンツ生成の流れを解説するために、テキストによるインプットで画像を生成する例を示します。

  1. テキストで生成したい画像の特徴がインプットされる
  2. モデルがテキストを分解し、意味を理解する
  3. 理解した内容をもとに画像生成を実施
  4. 生成した画像をアウトプットする

生成モデルはさまざまな種類が登場しており、各モデルごとに学習されたデータの量や学習手法、アウトプットのクオリティが異なります。

代表的な生成モデル

代表的な生成モデルの例として以下を紹介します。

  • VAE
  • GAN
  • 拡散モデル
  • GPT

VAE

VAE(Variational Autoencoder)は主に画像を生成するための生成モデルです。

VAEの特徴は、データを分布化することです。分布化はデータを空間(座標)に落とし込み、特徴を抽出するための作業になります。入力したデータを分布化した空間を踏まえて、出力するデータの分布を決めることで、コンテンツ生成が実現される仕組みです。

入力データの分布から、生成したい画像の特徴を捉えることで、生成すべきコンテンツの分布を決めることが可能です。入力データの分布が肝ともいえ、入力データの分布に近いコンテンツが生成される特徴があります。

例えば、とある芸術家の複数の作品をVAEに学習させて、入力データの分布が安定することで、出力データの分布(生成コンテンツ)は、その芸術家が作成したものに近い作品となります。

GAN

GAN(Generative Adversarial Networks)もVAE同様に、画像を生成するための生成モデルです。

GANは生成器(Generator)と識別器(Discriminator)で構成されるモデルです。生成機が作成したコンテンツに対して、識別器が「本物か偽物か」を識別する役割を持ちます。

生成器は識別器をだませるように、識別器は生成器の出力を識別できるように、お互いで切磋琢磨しながら学習を進めることが特徴です。これにより、徐々に生成器と識別器の精度差分が小さくなり、コンテンツを生成できる能力を生み出します。

GANを使うことで、生成器と識別器の切磋琢磨により精度が高い画像の生成が可能です。

拡散モデル

拡散モデルも主に画像生成に用いられている生成モデルです。

拡散モデルはGANに近い手法で画像生成を行います。

  1. 学習データを用意し、その学習データにノイズ(ランダムな変動)を与える
  2. ノイズによって、学習データは元のデータから変化が加わる
  3. ノイズ除去を試みることで、徐々に元のデータに近づく
  4. 最終的には元のデータに戻る

拡散モデルはこのノイズ除去の仕組みを学習することで、画像生成の精度を高める生成モデルです。画像生成AIサービスのStable DiffusionやDALL-E2でも採用されており、拡散モデルは注目度が高い生成モデルでもあります。

GPT

GPT(Generative Pre-trained Transformer)はテキスト生成に用いられている生成モデルです。名前でお分かりだと思いますが、ChatGPTに利用されているモデルとなります。

GPTは事前に大量の学習データを用いて学習しています。一要素となる単語から次の単語を予測し、つなぎ合わせていくことでテキスト生成が可能です。大量の学習データのおかげで、次の単語の予測能力に長けています。結果として、GPTは従来よりも高い精度のテキストを生成できる生成AIとして注目を集めることになりました。

GPTの新しいバージョンが登場するたびに精度が高くなっており、今後もさらなるバージョンアップに期待がかかります。

生成AIが生成できるコンテンツの種類

生成AIが生成できるコンテンツの種類

生成AIが生成できるコンテンツの種類として以下を紹介します。

  • テキスト
  • 画像
  • 動画
  • 音声

テキスト

生成AIはテキストを生成可能です。

昨今の生成AIブームから考えると、生成AIが生成できるコンテンツで最初に思い浮かぶのはテキストではないでしょうか。テキストを生成できる生成AIサービスとしてChatGPT(OpenAI社)やGemini(Google社)などがあります。

生成AIにテキストを生成させることで、例として以下の業務を効率化できます。

  • 文脈にもとづいたアイデア出し・提案
  • 外国語の翻訳
  • 長い文章の要約
  • プログラミングのコード生成

生成AIがテキストを処理するスピードは年々進化しています。各社が性能を競い合っており、今後もさらなる進化が続いていくでしょう。人間よりも速いスピードでテキストを解読し、生成が可能です。間違った内容の可能性はありますが、人間による修正作業が加わることで、従来よりも速いテキスト作成の業務が実現します。

画像

生成AIは画像を生成可能です。

テキストを入力すると内容を反映した画像を生成するサービスや、画像を入れて変化を加えた画像を生成するサービスがあります。画像を生成できる生成AIサービスとしてDALL-E(OpenAI社)やStable Diffusion(Stability AI社)などがあります。

生成AIに画像を生成させることで、例えば以下の業務を効率化できます。

  • デザインのアイデア出し
  • 医療画像の生成
  • 建物や機械の内装・配置の検討
  • 仮想キャラクターの作成

デザインと聞くとゲームやアート業界を思い浮かべるかもしれません。しかし、営業や広告が必要な企業はデザイン作成の業務が必要になります。よって、多くの企業が画像作成を生成AIに任せることで、業務効率化を実現可能です。

動画

生成AIは動画も生成可能です。

テキストを入力すると内容を反映した動画を生成するサービスや、画像を1枚渡すだけで動画を作成できるサービスがあります。動画を生成できる生成AIサービスとしてSynthesia(Synthesia社)やVASA-1(Microsoft社)などがあります。

生成AIに動画を生成させることで、例えば以下の業務を効率化できます。

  • 広告動画の作成
  • 教育コンテンツの充実
  • 映像へ特殊効果の追加
  • 教育のシミュレーション

動画を生成AIが作成することで、撮影や編集のコストを大きく削減できます。また人間はテキストよりも動画の説明の方が理解しやすいことが多いです。よって動画を生成AIが生成することで、ユーザーの理解度が高いコンテンツの作成が実現します。

音声

生成AIは音声も生成可能です。

テキストを入力すると内容を反映した音声を生成するサービスや、音声ファイルを入力し意図した形に変換できるサービスがあります。音声を生成できる生成AIサービスとしてText-to-Speech AI(Google社)やLyrebird AI(Wondershare社)などがあります。

生成AIに音声を生成させることで、例えば以下の業務を効率化できます。

  • テキストを音声にして説明(ナレーション)
  • カスタマーサービスの自動化
  • 翻訳
  • キャラクターボイス作成

人間はテキストよりも音声の方が理解が速いです。また音声であれば別の作業をしながらでも利用できるため、テキストを音声化するだけでもユーザーが利用しやすいコンテンツになります。

音声作成は画像、動画と同様に属人性が高く、高度なスキルが必要だと認識されてきました。しかし、生成AIが動画を生成することで、誰でも同じクオリティのコンテンツを生成できます。

生成AIで知っておきたい用語集

生成AIで知っておきたい用語集

生成AIの概念やモデル以外にも、知っておきたい生成AIの用語として、以下を解説します。

  • 人工知能
  • 人工ニューラルネットワーク
  • 機械学習
  • 深層学習
  • 拡張知能

人工知能

人工知能(AI)は学習した動作、作業を人間のように行う概念、または概念を体現した機械のことです。

AI(Artificial Intelligence)は学習をすることで、習得した動作を実行できます。AIは学習するための仕組みと、動作をするための仕組みに分かれていることが一般的です。例えばAI搭載ロボットのAIは人間の脳にあたり、ロボットが作業する部分が人間の手足にあたります。

生成AIはAIの一種であり、先述したように学習する仕組みと動作(コンテンツ生成)をする仕組みに分かれています。この学習する仕組みと動作する仕組みを合わせて、生成モデルと呼ぶことが一般的です。2つの仕組みはモデルとして1つの概念になっているため、生成AIサービスを利用する際に意識することはありません。

人工ニューラルネットワーク

人工ニューラルネットワーク(ANN)は、生物の脳神経細胞の動きを模倣した計算モデルです。単にニューラルネットワークとも呼ばれます。

ニューラルネットワークは複数のニューロンが、自身に与えられた役割を果たすために計算を行います。ニューロンは連結されており、層としてグループを組む構成です。層はそれぞれ役割を持っており、入力層、隠れ層、出力層の3種類があります。計算の流れは以下の通りです。

  1. 入力層が入力データを受け取る
  2. 隠れ層がそれぞれの計算を行う
  3. 出力層に計算結果が集められ、出力する

ニューラルネットワークは生成AIのモデルに用いられています。多くのモデルはニューラルネットワークが基盤となってつくられたものです。

機械学習

機械学習(Machine Lerning)はデータのパターンを学習し、新たなデータの判断や予測をするための技術です。人間が行う学習を単に学習と呼び、AIが行う学習を機械学習と考えると分かりやすいでしょう。よって「AIが学習する」とは「AI が機械学習する」が省略されていると考えてください。

AIは機械学習をすることで、データのパターンを学びます。生成AIも機械学習をすることで、データのパターンを読み取り、新たなコンテンツの生成を実現可能です。

深層学習

深層学習(Deep Learning)は機械学習の1種です。また深層学習は人工ニューラルネットワークで、より複雑なデータを処理する機構を持つ計算モデルで行う機械学習ともいえます。

ニューラルネットワークには入力層、隠れ層、出力層があることを先述しました。このうち計算は隠れ層で行います。よって隠れ層の数を増やすことで、より複雑な計算による特徴抽出が実現可能です。

まとめるとニューラルネットワークの隠れ層を増やし、複雑な計算をできるようにした計算モデルによる機械学習が深層学習となります。生成AIで機械学習が行われていますが、行われているのは深層学習であることが一般的です。

拡張知能

拡張知能は人間とAIが連携して、よりよい結果を得るために協力する考え方です。

拡張知能の考え方は「AIに全てを任せよう」ではなく「人間とAIが協力してよりより未来を目指そう」というものです。昨今の生成AIの登場で「人間の仕事がなくなる」などの不安が生まれるようになりました。しかし、生成AIは万能ではありません。もちろん、生成AIには人間にはない強みもあります。

拡張知能によって人間の苦手なポイントを生成AIが補強し、生成AIが苦手な部分を人間が補強することで、新たな価値を創出することが必要です。

生成AIを活用するメリット

生成AIを活用するメリット

生成AIを活用することのメリットとして以下があります。

  • 業務効率化の実現
  • リアルタイムでデータを分析し洞察を得られる
  • 顧客へのパーソナライズによる信頼関係の構築
  • コンテンツ作成のコストの削減
  • 知見の追加やサポート

業務効率化の実現

生成AIを活用することで業務効率化を実現可能です。

生成AIは、テキストや画像などのコンテンツを生成できます。これらのコンテンツ生成は従来、人間が作業をしていました。しかし生成AIに任せることで、人間の作業負担が大きく削減できます。例えば以下の具合で業務効率化を実現可能です。

  • 長い文章の要約
  • 議事録を別の言語に翻訳
  • 新しいキャラクターを作成するときのイメージ作成
  • テキストを用意するのみで実現する音声ガイド
  • 工場やオフィスの内装を検討する見取り図の作成
  • 自社の紹介をするイメージ動画の作成

生成AIを活用することで人間の業務負担が軽減し、生成AIが苦手な提案や教育などの業務に集中できます。

リアルタイムでデータを分析し洞察を得られる

生成AIはリアルタイムでデータを分析し、洞察を得られるメリットがあります。

生成AIはリアルタイムで情報を得ることも可能です。この情報を分析すれば、最新のトレンドや洞察を把握できるようになります。

例として以下が可能です。

  • 売上データをリアルタイムに読み込ませ、今後の予測グラフやレポートの生成
  • セッションで視聴者の質問をリアルタイムに読み込ませ、回答すべき質問を優先度付きで回答まで生成

生成AIによるリアルタイムのデータ分析とそれを踏まえたコンテンツ生成により、迅速な意思決定やユーザー体験につなげられます。

顧客へのパーソナライズによる信頼関係の構築

生成AIは、顧客へのパーソナライズによる信頼関係の構築も実現できます。

生成AIはコンテンツを生成しながら、同時に学習をしていきます。よって生成AIを使い続けることで、ユーザーの好みやニーズを理解したコンテンツの生成が可能です。このパーソナライズにより、ユーザーはより求めていたコンテンツを入手できるようになります。

ユーザーが望むコンテンツが提供されることで、生成AIを用いてコンテンツ生成を行う企業とユーザー間の信頼が強化されるでしょう。信頼を勝ち取るために、生成AIを使ってパーソナライズを進めていくことは効果的です。

コンテンツ作成のコストの削減

生成AIを活用することでコンテンツ作成のコスト削減も実現可能です。

コンテンツの作成には当然コストがかかります。例として以下のコストです。

  • 作成に携わる人の人件費(編集者、ライター、デザイナーなど)
  • 作成用ソフトウェアやサービスの購入、利用にかかる費用
  • コンテンツ作成前にかかる費用(スタッフの教育や市場調査の費用)

生成AIを活用することで、上記のコストはかからなくなります。生成AIは無料でも利用可能なため、大幅なコスト削減が見込めるでしょう。

生成AIが生成したコンテンツをそのまま利用することは、なかなかありません。しかし、生成されたコンテンツを修正するのみであれば、上記のコストのうち人件費や作成前のコストを削減できます。

知見の追加やサポート

生成AIは知見の追加やサポートにも役立ちます。

人間は漠然としたイメージを持っていても、言語化やイメージ化をするのは簡単ではありません。またアイデアが思い浮かばずに、手が止まってしまうこともしばしばあります。生成AIを活用することで、アイデアの言語化やイメージ化のサポートが可能です。

人間にとって、たくさんの考慮事項を踏まえた意見を作り出すことは難しい作業です。しかし既存のアイデアに対しての分類や修正であれば、ハードルが低くなります。ブレインストーミングのように、ゼロベースのアイデアをたくさん出す方法は考えをまとめる際に有効な手段です。

このアイデアをたくさん出せる生成AIにも協力してもらうことで、考えがまとまりやすくなります。生成AIはこうしたアイデア出しに活用することも有効です。

生成AIを活用するデメリットと問題点

生成AIを活用するデメリットと問題点

生成AIを活用する際のデメリットや問題点として以下があります。

  • ハルシネーションの可能性
  • セキュリティリスクの懸念
  • 倫理的な問題を引き起こす可能性
  • 技術の進化が早すぎる

ハルシネーションの可能性

生成AIを活用する際に、ハルシネーションを引き起こす可能性があります。

ハルシネーションは、生成AIが間違った情報をあたかも本当の情報のように生成することです。テキストで質問すると、事実とは全く異なる答えが返ってくることがあります。

ハルシネーションは学習したデータが古い、または誤っている場合に起こることが大半です。生成AIは学習した内容を踏まえてコンテンツを生成するため、学習で誤った内容がインプットされれば、生成コンテンツにも影響してしまいます。

生成AIを業務に活用する場合は、ハルシネーションが起こる前提で生成AIを利用しましょう。そしてハルシネーションが起こったか気がつけるよう「本当に正しいか、問題がないか」を人間が確認する必要があります。

セキュリティリスクの懸念

生成AIの利用時はセキュリティリスクの懸念があります。

生成AIは事前の学習だけでなく、コンテンツを生成しながら学習をしています。よって社内のデータや個人情報を生成AIが扱う場合には、十分な注意が必要です。例えば個人情報を学習し、全く関係がないユーザーがコンテンツ生成をした際に、個人情報が含まれてしまう可能性があります。

こうしたセキュリティリスクがあるため、現状は生成AIに個人情報や機密情報を扱わせるべきではありません。特に生成AIを社内で利用する場合には、従業員に個人情報や機密情報を入れないようにルールを定めておく必要があります。

倫理的な問題を引き起こす可能性

生成AIが生成したコンテンツには、倫理的な問題が含まれる可能性があります。

倫理的な問題とは人種・ジェンダーの差別や偏見を想像させることや、ディープフェイクによって事実無根のニュースをつくり出してしまうことです。倫理的な問題は社会の混乱を引き起こす可能性や、特定の個人のプライバシーを侵害してしまう可能性があるため、防ぐ必要があります。

特に自社で生成AIを活用したサービスを展開する場合は、こういった問題への対策が不可欠です。倫理ガイドラインを制定しておくことや、倫理的な問題を排除するコンテンツ生成ができるようにチューニングすることが必要です。

技術の進化が早すぎる

生成AIは技術の進化が早いため、すぐによりよいサービスやモデルが登場する可能性があります。

ChatGPTによる生成AIブームの到来は記憶に新しいですが、ChatGPTだけでもすでに数回バージョンアップが繰り返されてきました。競合サービスや派生サービスも続々と登場しているため、生成AIを活用する場合には、進化についていくか、あるいはバージョンアップを止めておくかを選択することになります。止める場合には、バージョンが対応しなくなる場合などもあるので、十分に注意が必要です。

基本的には技術の進化についていけるよう、定期的なバージョンアップや、それに伴うマニュアルの改修などを行っていく必要があります。

ChatGPTだけじゃない!生成AIを使えるサービス

ChatGPTだけじゃない!生成AIを使えるサービス

生成AIサービスと聞いて、ChatGPTを思い浮かべた方は多いのではないでしょうか。しかし、生成AIブームもあり、さまざまな生成AIサービスが登場しています。

ChatGPTを含めた生成AIサービスを、生成するコンテンツごとに紹介します。

  • テキスト
  • 画像
  • 動画
  • 音声

テキストの生成AI

テキストの生成をする生成AIサービスの例として以下があります。

  • Chat GPT
  • Gemini
  • Copilot

Chat GPT

ChatGPTはOpenAI社が提供するテキスト生成AIサービスです。ブームになったことは記憶に新しいですが、登場してからバージョンアップが何度も繰り返されてきました。

2024年7月現在は無料でGPT-3.5のモデルを使えるだけでなく、GPT-4oモデルも限定的に利用可能です。同月に入り、軽量かつ低コストに利用できるGPT-4o Miniも発表されました。3.5よりもはるかに高性能になっているため、ぜひ1度試してみてください。

ChatGPTについてはさまざまな記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
ChatGPTとは?始め方や使い方・活用事例を解説
ChatGPTの仕組みとは?学習モデルなどを詳しく解説

Gemini

GeminiはGoogle社が提供するテキスト生成AIサービスです。当初はBardという名前でリリースされていましたが、2024年2月にGeminiに統合されました。

GeminiはGoogleアカウントを持っていれば無料で利用可能です。またGoogle Workspaceを利用するユーザーはGeminiのオプションを追加すると、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートなどでもGeminiによるサポートを受けながら業務に活用できます。

Copilot

CopilotはMicrosoft社が提供するテキスト生成AIサービスです。

Copilotも無料で利用できます。またMicrosoft 365にCopilotを組み込むこと(プランによっては有料オプション)で、TeamsやOutlook、Wordなどさまざまなアプリと組み合わせて利用できます。Copilotと拡張知能を実現することで、効率よい業務進行が可能です。

画像の生成AI

画像を生成する生成AIサービスの例として以下があります。

  • Stable Diffusion
  • Midjourney
  • Bing Image Creator

Stable Diffusion

Stable DiffusionはSTABILITY AI社が提供する画像生成AIサービスです。

Stable Diffusionはテキストで生成したい画像の特徴を入力し、ボタンを押すだけで特徴を踏まえた画像を生成してくれます。また画像を入力し、どのように変化させたいのかを入力することで、変化を加えた画像の生成も可能です。

Stable Diffusionは無料で利用できます。

Midjourney

MidjourneyはMidjourney社が提供する画像生成AIサービスです。

MidjourneyはDiscordというアプリ上でチャット形式によって生成したい画像の特徴を入力します。Discordは無料で利用可能です。

Midjourneyは無料プランが廃止されてしまい、有料プランのみが提供されています。Midjourneyを利用するにはDiscordの登録に加え、Midjourney自体の登録が必要です。登録後に有料プランを契約することで利用を開始できます。

Bing Image Creator

Bing Image CreatorはMicrosoft社が提供する画像生成AIサービスです。

Bing Image CreatorはMicrosoftアカウントを持っていれば無料で利用できます。生成したい画像の特徴をテキストで入力し、ボタンを押すだけで、画像が複数生成されます。またボタンを押すごとに画像が生成され、同じ画像が再び生成されることはありません。生成された複数の画像の中から気に入ったものを選択しましょう。

動画の生成AI

画像の生成をする生成AIサービスの例として以下があります。

  • Sora
  • Runway Gen-2
  • Kaiber

Sora

SoraはOpenAI社が提供する動画生成AIサービスです。

SoraはChatGPTと同じくOpenAI社が提供しています。生成したい動画の特徴をテキストで入力することで、最長1分の動画を生成可能です。なお2024年7月現在、日本ではリリースされていません。料金なども未定ですが、ChatGPTと同様に無料と有料で機能差分があることが予想されています。

Runway Gen-2

Runway Gen-2はRunway社が提供する動画生成AIサービスです。

Runwayのページでアカウント登録後、無料で利用できます。Runway Gen-2を利用することで、最大16秒の動画を生成可能です。テキスト入力による動画生成はもちろん、画像や動画を入力した動画生成もできます。

またRunwayではGen-3 Alphaという新しい動画生成モデルを用いた動画生成AIサービスも登場しているので、どちらも要チェックです。

Kaiber

KaiberはKaiber社が提供する動画生成AIサービスです。

Kaiberはアカウント登録後、有料プランを契約するか、無料トライアルを選択することで利用を開始できます。テキストを入力して動画を生成できるサービスです。また、動画のアスペクト比やカメラ位置なども選択できるようになっています。

Kaiberは基本的に有料ですが、高性能な動画を生成したいユーザーにおすすめできる生成AIサービスです。

音声の生成AI

音声の生成をする生成AIサービスの例として以下があります。

  • Text-to-Speech AI
  • VALL-E
  • Voice Engine

Text-to-Speech AI

Text-to-Speech AIはGoogle社が提供する音声生成AIサービスです。

Text-to-SpeechはGCP(Google Cloud Platform)上で提供されているため、利用するにはGCPのプロジェクトを立ち上げる必要があります。デモをするだけであれば、Text-to-Speechのページにアクセスし、読み上げたい文章の入力と言語の選択を行うだけで音声の生成が可能です。スピードや声質も選択できるので、生成したい音声を実現できるでしょう。

VALL-E

VALL-EはMicrosoft社が提供する音声生成AIサービスです。

VALL-Eは音声を入力し、変化させたい特徴を入力することで新たな音声として生成してくれます。例えば英語で話している音声を入力し、同じ声質でありながら言語を日本語に設定して音声を生成することが可能です。

VALL-Eを使うためにはGithubなどを用いた環境構築が必要ですが、無料で利用できます。

Voice Engine

Voice EngineはOpenAI社が提供する音声生成AIサービスです。

VALL-Eと同様に音声とテキストを入力することで、実現したい音声を生成できます。こちらも同様に違う言語への変更も可能です。

Voice Engineは2024年7月現在は公開されていませんが、無料で利用可能と公表されています。倫理的な問題が解消されることで、公開を実現できる可能性があります。

まとめ

生成AIは、コンテンツ生成に特化したAIです。生成AIはテキストだけでなく、音声や動画、画像とさまざまな種類のコンテンツを生成できます。

業務においてコンテンツ生成をする必要があれば、まずは生成AIにつくらせてみて、アイデアを出してもらいましょう。その後、軽微な修正のみで済めば業務負担や費用を大きく削減可能です。

ChatGPTをはじめ多くの生成AIサービスは無料でも利用できるので、使ったことがないサービスがあればぜひ利用してみましょう。

  • fb-button
  • line-button
  • linkedin-button

無料メルマガ

RELATED SITES

関連サイト

CONTACT

マイクロソフト関連ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら

TOP