データインテリジェンスとは、サイエンティストやアナリストがメタ情報を活用し、データの透明化を図るためのプロセスを実現することを指します。しかし、何を根拠に透明化を図り信頼性の高いデータをインテリジェンスの考え方に基づいて紐づけることができるのか、理解できていない情報システム開発の関係者もいることでしょう。
本記事では、データインテリジェンスの仕組みや活用事例などについて解説しています。またデータインテリジェンスの将来性などについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
データインテリジェンスとは?定義について解説!
データインテリジェンスはビジネス業界で用いられる用語として定着していますが、具体的な定義について正しく解釈している方は一部に限られます。
情報技術や消費者向けのマーケットインテリジェンスを展開するIDC(International Data Corporation)が発端とされているデータインテリジェンスですが、明確な定義を知っておかなければ運用、そして管理する際にさまざまな支障をきたす恐れがあるため注意が必要です。
まずは、IDCが掲げるデータインテリジェンスの定義から、詳しくみていきましょう。
データインテリジェンスの定義
IDC(International Data Corporation)は、データインテリジェンスについて、下記のように定義しています。
”データインテリジェンスは、ビジネス、技術、リレーショナル、および運用のメタデータを活用して、データプロファイル、分類、品質、場所、系統、およびコンテキストの透明性を提供する。信頼できるデータであり、人、プロセス、テクノロジーを実現できる。”
引用:IDC Defining Data intelligence
データインテリジェンスとメタデータの関連性
メタデータおよびリポジトリーによって、データインテリジェンスの信頼性が担保されています。
そんなデータインテリジェンスの本質ともいえるメタデータですが、結果として得られるリソースの確実性を提供するための仕様について理解しておかなければなりません。
メタデータがデータインテリジェンスとのかかわりが深く、仕組みの一部となっているのでしょうか。
その答えは、メタデータによってアクセス情報や更新情報だけでなく、データの意味や用途などがインテリジェンスに結びつくためであり、メタデータは「データについてのデータ」ともいわれています。
つまり、データインテリジェンスはメタデータに紐づいて構造化データもしくは非構造データを分析することができ、結果としてデータ分析および統合ができるようになるということです。
データインテリジェンスの将来性
データインテリジェンスによって正しく情報が取り扱われるようになるには、ガバナンスによるマネジメントおよび内容の理解が重要なポイントといえます。
それでは、データインテリジェンスの将来性および実現に向けての課題には、どのような内容が挙げられるのでしょうか。
データガバナンスの実現
データインテリジェンスを将来的に導入し実現するには、ガバナンスの改革が必要です。物事に対してデータ主導で取り組むことは情報の運用マネジメントにおいて重要ですが、情報の信頼性およびリソースのサイロ化が課題として残ります。
しかし、これらを解決に導く仕組みがデータガバナンスです。
ガバナンスといえば規制することでコンプライアンスを厳格化しますが、データインテリジェンスにおいては広範囲な場面で情報を共有するうえで重要な考え方です。
データガバナンスは、人、プロセス、ポリシーの複数の側面をもち、テクノロジーによりサポートされています。そのため、データガバナンスの実現には、物理的に分散しているデータを一元管理する必要があり、データを統制するシステム(ソフトウェア)の力が不可欠といえるでしょう。
データインテリジェンスのユースケース
データインテリジェンスは、メタデータに基づいてリソースの運用、マネジメントを実践するなかで情報のコンテキストの透明性を図るには重要な考え方です。
そして、ビジネスにおけるユースケーとして、下記の内容が注目されています。
- データガバナンス
- クラウドデータの移行
- クラウドトランスフォーメーション
- デジタルトランスフォーメーション
- プライバシー、コンプライアンス、リスク
- 分析
データガバナンスによる情報の統治は、リソースの信頼性を生み出します。しかし、情報のサイロ化はマネジメントするうえで課題として残るため、システムをクラウドで構築できるような仕組みが必要です。トランスフォーメーションによって、ビジネスモデルを最大限に活かしたユーザーフレンドリーを目指せるでしょう。
もちろん、データインテリジェンスを実現するにはコンプライアンスに則ったガバナンスの運用が不可欠となります。リスクヘッジしながら運用、そして分析していくことが重要です。
AzureのPurview
Azureには、データインテリジェンスの特徴を享受できるツールが存在します。
AzureのPurviewは、リソースを保護しガバナンスに基づいてソリューションを展開し、オートメーション化されたデータ抽出および分類など解析までの一連の流れをマネジメントするのにおすすめのツールです。
データインテリジェンスのガバナンスソリューションに基づいて、Purviewを導入し運用することで、下記のようなメリットが得られます。
- 必要とするデータにアクセスできる
- オンプレミスやマルチクラウド環境のデータ統合ができる
- データガバナンス基盤を構築できる
- セキュリティポリシーに基づいてアクセス制限が可能
- データの利活用が進み、ビジネスに良い影響を与える
- メタデータを自動化して管理
- 他にもAzureのサービスと連携ができる など
このように、AzureのPurviewはデータインテリジェンスにおけるガバナンスを実現させることに有用です。
まとめ
今回は、データインテリジェンスの定義やメタデータとの関係性、ガバナンスの実現性などについて解説してきました。
情報を精査し信頼性を担保できるような仕組みを構築するには、コンプライアンスに紐づいたガバナンスの運用が不可欠。しかしデータインテリジェンスを正しく運用するには、情報のサイロ化を改善するなど課題が残ります。
そのなかでデータ関連のオートメーション化、そしてガバナンスソリューションを実現するにはAzureのPurviewがおすすめです。現代の情報社会において、クラウドを介したビジネスモデルやプロジェクトは数多く存在します。
ぜひデータインテリジェンスを活用したビジネスソリューションをご検討ください。