2023年11月6日、OpenAI社がChatGPT-4を新たに進化させた「GPT-4 Turbo」を発表したことはご存じでしょうか?
以前から注目を集めているChatGPTですが、20ドルの料金を支払って「ChatGPT-4」を利用するか迷っている人も少なくないでしょう。現在、ChatGPT-4を使うかどうか迷っている人に向けて、ChatGPT-4でできることや性能の最新情報を解説していきます。
無料版のChatGPTで満足しているという人も、情報収集の一環としてぜひお読みください。
ChatGPT-4とは?
ChatGPT-4は、サンフランシスコにあるAIに関する研究・開発を行う企業のOpenAIが開発した、GPTシリーズの最新モデルです。Microsoftから1兆円を超える支援を受けるということで、さらなる注目を集めました。
ここではChatGPT-4とはどんなものか、概要や利用料金、無料版との違いについて解説します。
GPTとは?
GPTとは、OpenAIが開発した言語モデルです。言語モデルを分かりやすく解説すると、ある文書を入力すると、次に来る単語を予測する装置となります。
「水が」という言葉の後に、「おいしい」「きれい」「澄んでいる」など次にくる確率が高い単語を言語モデルが予測し、文章を書いていく装置がGPTです。
AIが文章を作成していますが、まるで人間とコミュニケーションをとっているかのごとく返答をしてくれるということで話題となっています。
- 2018年:初代GPT
- 2019年:GPT-2
- 2020年:GPT-3
- 2022年11月:改良を重ねてGPT-3.5を用いた対話型AIモデル「ChatGPT」を発表
- 2023年3月:GPT-4を発表
2022年のサービス発表から爆発的な知名度を持っていましたが、開発は2018年から進められていました。
ChatGPT-4の概要
ChatGPTは、言語モデル「GPT-3.5」を用いて作成されたAIチャットボットの商品名です。
GPT-3.5を用いたChatGPTは無料で利用できます。2023年12月現在、さらに改良された「GPT-4」の言語モデルを用いたAIチャットボットは、「ChatGPT Plus」の有料会員のみが利用可能です。
ChatGPT 4とChatGPT-3.5の主な違い
有料版のChatGPT-4と無料版のChatGPT-3.5には、料金の他、主な違いが3つあります。
- 回答の正確性が向上
OpenAIの研究で、司法試験の成績や心理学、統計学、世界史、数学、物理学などほぼすべての試験においてChatGPT-3.5に比べて、ChatGPT-4がよい成績を収めたと発表がありました。このことから、ChatGPT-4の回答の正確性が向上していることが分かります。 - マルチモーダル対応
テキストだけでなく音声や画像・動画の入力も可能になりました。 - ChatGPT-4は家庭教師として勉強を教えることができる
答えを瞬時に答えさせるだけではなく、考え方を教えてくれる家庭教師のようなチャットもできるようになりました。
OpenAIの公式Webサイトに、「ソクラテスの家庭教師」として、数学の二次方程式を教えるやり取りが公開されています。「答えを教えて」と入力しても、答えを教えず導き方を示し、間違えた回答に関しては「計算に小さな間違いがあったようです」と指摘もしてくれます。実際のやり取りを見ると、人間の返答にかなり近いと感じるはずです。
ChatGPT-4の料金体系
ChatGPTには、GPT-3.5を利用する無料版と、GPT-4を利用する有料版があります。
有料版のChatGPT-4を利用する際は、ChatGPT Plusの登録が必要です。ChatGPT Plusは、月額20ドル(2023年12月25日時点で2,847円)で、クレジットカードの登録も必須です。
また、ChatGPTはAPIの使用量に対しても別途料金が発生します。
モデル名 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
GPT-4 (8k版) | 1000トークン 0.03ドル(2023年12月25日時点で4.3円) | 1000トークン 0.06ドル(2023年12月25日時点で8.5円) |
GPT-4 (32k版) | 1000トークン 0.06ドル(2023年12月25日時点で8.5円) | 1000トークン 0.12ドル(2023年12月25日時点で17円) |
32k版は、8k版と比べて一度に扱える文字数が多く、APIの使用料金も高くなります。
このように、ChatGPT-4を利用するために契約するChatGPT Plusには、「固定の20ドル」と使った分だけ支払う従量課金制のAPI利用料の2種類の料金体系があります。APIについては後ほど「ChatGPT-4のAPIとプラグインの活用」の章で詳しく解説します。
ChatGPT Plus(GPT-4)の新規登録停止
OpenAIの最高経営責任者(CEO)であるサム・アルトマンが自身のX(旧Twitter)で、2023年11月15日、「ChatGPT Plus」への新規登録を一時停止すると公表しました。現在は残念ながら、11月15日までにChatGPT Plusの契約を行っていた人のみが利用可能な状態です。その理由は、急増する利用者数に対応できず、サーバーのキャパシティを超えたためと説明されています。
「再開時にはアプリ内で詳細を告知する」との記載もあるので、すぐにChatGPT-4を利用したいと考えていた人は、続報を待ちましょう。ユーザーの期待に応えるため、適切なキャパシティ確保した上で再開される見通しです。
ChatGPT 4 Turboを発表
2023年11月6日に、OpenAIが新たにGPT-4 Turbo(ターボ)を発表しました。Turboと名前が付けられている通り、ChatGPT-4よりも速度が向上し、扱える文字数も増加しています。
ChatGPT-4と比べてGPT-4 Turboがどのように進化したのか、7つの項目に分けて詳しく解説しましょう。
入力できるトークンが4倍に
モデル名 | トークン数上限 |
---|---|
GPT-35-turbo(無料版) | 4096 |
GPT-4 (8k版) | 8192 |
GPT-4 (32k版) | 3万2768 |
GPT-4 Turbo | 12万8000 |
ChatGPTは、改良を重ねるたびに1度の質問で使用できるトークン数の上限が増加しています。これまでは、ChatGPT-4で最大3万2768トークンまででしたが、GPT-4 Turboでは約4倍となる12万8000トークンまで利用できます。12万8000トークンは、一般的な本に換算して300ページといわれています。
これまで、長い文章の要約をするときなどは文章を小分けに入力する必要がありました。また、ChatGPTが書く文章が途中で止まり、続きを書いても文章のつながりが悪いといった経験をしたことがある人も少なくないはずです。
今回のアップデートで、1度にかなりの文量の入出力が可能になったため、より正確な文章の生成ができ、作業効率の向上も期待できます。
アプリの関数呼び出し機能の強化
ChatGPT-4 Turboには、「Function Calling」と呼ばれるアプリの関数呼び出し機能が搭載されました。Function Callingを利用することで、APIを呼び出しExcelを操作したり、JSON形式、SQL言語といったプログラミング言語を使って質問・返答をもらうことができます。
これまでは、1回の命令につき1つの関数のみとされていましたが、今回の強化により、複数の関数を1度の質問でまとめて呼び出しできるようになりました。
コーディングがより精密に
ChatGPT-4にプログラミングを1から書かせたり、エラー箇所を修正する際にプログラミング言語の表記が揺れて一部が他の言語の表記となっていたりするケースもありました。
GPT-4 Turboによるアップデート後、JSONモードやPythonモードといったレギュレーションの指定が可能になります。レギュレーションを指定することで、表記揺れが起きにくくなるでしょう。
先ほど紹介したFunction Callingと併用し、アプリ開発の効率が格段に向上しています。
人間のような音声に変換する機能を搭載
OpenAIが、ChatGPT-4 Turboに合わせて、Text to speech(TTS)のAPIを発表しました。
TTSのAPIとは、文書を自然な音声に変えるためのAPIです。多言語対応しており、記事の朗読やChatGPTが書いた内容のリアルタイム音声出力が可能です。
このAPIの使用には、1000文字当たり0.015ドル(2023年12月25日時点で2.13円)が発生します。
多言語自動音声認識モデルを搭載
GPT-4 TurboとText to speech(TTS)と同日に、OpenAIが音声変換テキスト「Whisper large-v3」を発表しました。これにより、GPT-4 TurboとWhisper large-v3を統合した多言語自動音声認識モデルを利用することができるようになります。
例えば、音声入力された情報を理解して、適切な応答をChatGPT上に出力も可能になるでしょう。近日中にAPI経由での多言語自動音声認識モデルも利用できるようになる見込みで、音声データを多く扱う人などChatGPT-4の利用者がさらに増えることが予想されます。
音声で入力して、音声で出力する完全対話式のモデルが誕生する未来も近いでしょう。
API経由で画像生成できる機能を搭載
GPT-4 Turboは、APIを介して画像生成が可能な「Images API」を搭載しています。この中には、画像生成に特化したDALL・E3が組み込まれており、テキストの説明に基づいてリアルな画像やアートを生成できます。
例えば、「雪の降る公園で遊ぶ子どもたちの画像を作成してほしい」という命令に対して、数秒でその要求に合致した画像を生成することが可能です。これにより、APIを通じて簡便かつ効果的な画像生成が実現され、さまざまなクリエイティブな用途に利用できます。
API利用料金が安くなった
モデル名 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
GPT-4 (8k版) | 1000トークン 0.03ドル(2023年12月25日時点で4.3円) | 1000トークン 0.06ドル(2023年12月25日時点で8.5円) |
GPT-4 (32k版) | 1000トークン 0.06ドル(2023年12月25日時点で8.5円) | 1000トークン 0.12ドル(2023年12月25日時点で17円) |
GPT-4 Turbo | 1000トークン 0.01ドル(2023年12月25日時点で1.4円) | 1000トークン 0.03ドル(2023年12月25日時点で4.3円) |
GPT-4 Turboは、従来のChatGPT-4と比べてトークン数の上限が増えたり、新機能が追加されたりとアップデートされています。それに加えてAPIの利用料金も約3分の1となりました。
機能が改良されているにもかかわらず料金が安くなっているのは、ユーザーにとってはうれしいアップデートです。
ChatGPT-4を活用した業務の効率化
ChatGPT-4 を活用することで、文章の作成を効率化できるだけでなくアイデア出しやプログラム、プレゼンテーション資料の作成なども効率化できます。それぞれ具体的に解説しましょう。
資料を作成する
ChatGPT-4を利用することで、資料作成の効率化が可能です。
マニュアルや手順書の構成案をChatGPTが作成し、作成した構成案に基づいて内容を書いてもらうこともできます。1から文章を考えさせることもできますが、書いた文章の推敲もChatGPT-4の得意分野です。
また、単純なテキスト文章を作成するだけでなく、資料に使用するための表も作成できます。ChatGPT-4が作成した表をExcelに張り付けて利用することで、表やグラフ作成の効率化が図れるでしょう。
メール文章を作成する
ChatGPT-4を使うことで、業務で行うメール作成の業務効率化や、指示の出し方によってはメールマガジンの作成が可能です。
例えば以下のようなプロンプトで、ChatGPTにメール文書を作成させることができます。
- ビジネス相手に日程を調整するメールを送信します。丁寧な表現のメール文を書いてください。
- 社内のチームメンバーに送る入社のあいさつをメールで送ります。内容を考えてください。
- 子育て世代の女性に、ある商品のメルマガを送ります。メールの内容を考えてください。
「砕けた表現にしてください」「短く簡潔に書いてください」などの指定もできます。以上を参考にしてChatGPTでメールを作成してみましょう。
アイデア出しをする
ChatGPT-4を活用して、企画やセミナーのテーマ案のアイデア出しを効率化できます。
- 新商品の企画案を箇条書きで10個書き出してください。
- 今後の○○に関するセミナーの議題内容を5つ書いてください。
上記のように、何の企画やセミナーのたたき台を出したいのかを明確にして、個数と箇条書きのように記載方法を指定することで、意図する回答を得られやすくなります。
プログラミングコードを作成する
ChatGPT-4をコードの記述やバグの修正時に利用しているエンジニアも多いです。あるコンサルティング事業を行う会社の調査によれば、半数以上のエンジニアがソースコード記述時に、ChatGPTを利用していると回答しました。
コーディング作業だけでなく、エラーやバグの箇所の特定・修正もChatGPTが行ってくれます。
ChatGPT-4のAPIとプラグインの活用
ChatGPTの無料版では利用できませんが、ChatGPT-4ではAPIとプラグインが利用できます。ここからはそれぞれの概要の他、プラグインの設定方法とおすすめするプラグインについて解説します。
ChatGPT-4 APIの概要
ChatGPT-4のAPIは、開発者がChatGPT-4の機能を利用できるプログラムインターフェースです。
APIを使用することで、外部アプリケーションやサービスからChatGPT-4にアクセスし、テキスト生成や対話が可能です。これにより、開発者は自身のアプリケーションやプロジェクトにChatGPT-4の言語生成能力を組み込むことができます。
ChatGPT-4 プラグインの概要
プラグインは、ChatGPT-4を拡張し、特定の用途や業界に適した追加機能を提供する仕組みです。これにより、ユーザーは特定のニーズに合わせてChatGPT-4をカスタマイズでき、例えば特定の専門知識や業界用語を理解しやすくするなど、より柔軟かつ効果的な利用が可能になります。
APIとプラグインの組み合わせにより、ChatGPT-4は多岐にわたる応用領域で利用されることが期待されます。
ChatGPT-4 プラグインの設定方法
プラグインを利用するために、ChatGPT Plusの登録をします。その後、ChatGPT-4の画面でプラグインの利用許可を行い、実際にプラグインをインストールする作業が必要です。
プラグインの利用許可手順
- 画面左下にあるユーザー名の横の「…」をクリック
- 「Settings」をクリック
- 「Beta features」内にある「Plugins」のメニューをONにする
プラグインのインストール手順
- 「No plugins enabled」をクリック
- 「Plugin store」をクリック
- 利用するプラグインを探す
- 「Install」をクリック
- TOPに戻る
- インストール後にプラグインを確認
ChatGPT-4を強化するプラグイン
ChatGPT-4をさらに使いこなすための、おすすめのプラグインを7つ紹介します。
PlugFinder|ChatGPTプラグインを検索
ChatGPTのプラグインを検索するためのプラグインです。ChatGPTの公式Webサイトからプラグインをダウンロードする必要なく、プラグインの名前や機能で検索できます。例えば、「画像編集プラグインを探してほしい」とプロンプトに入力すると、適切なプラグインを見つけてくれます。
プラグインは主に「生成系」「サーチ系」「解析系」に分類されます。
生成系プラグイン:新しいコンテンツを生成する
サーチ系プラグイン:特定の情報を検索する
解析系プラグイン:与えられた情報を解析する
中でも、解析系のプラグインは業務の効率化に寄与するでしょう。
ChatWithWebsite|AIチャットボットを作成
「ChatWithWebsite」はWebサイトにAIチャットボットを組み込むためのプラグインです。WebサイトにAPIコードを追加するだけで、即座にAIチャットボットを構築できます。
ユーザーは特別なプログラミングスキルを必要とせず、このプラグインを使用することで、Webサイト訪問者と対話するインタラクティブで効果的なコミュニケーションを実現できます。
Text Count|テキストの文字数や単語数を瞬時にカウント
「Text Count」は、簡単にテキストの文字数や単語数を数えることができるプラグインです。テキストをコピーしてプラグインに貼り付けるだけで、文字数や単語数を瞬時に確認できます。特に日本語の場合、ChatGPTが指定した文字数と大きく乖離(かいり)することがある中、このプラグインを使用することで正確な文字数指定が可能になります。
例えば、X(旧Twitter)の140文字制限に適した文章を作成する際に、Text Countは適切な文字数指定をサポートします。ユーザーは文を簡単に調整し、文字数制限に適したコンテンツを作成できます。
SceneXplain|画像の概要をテキスト化
「SceneXplain」は、画像URLを入力すると、その画像の内容をテキスト化するプラグインです。ユーザーは画像のURLを提供し、プラグインがその画像に関する説明を生成します。
この機能を利用することで、画像生成AIに対して指定した画像と似たような画像を生成させるなど、画像情報をテキスト形式で取得し、応用させることが可能です。
Speak|ChatGPTが語学の先生に
「Speak」プラグインは外国語学習を支援するツールです。具体的なフレーズの翻訳から文化や言語のニュアンスまで幅広く解説し、特に状況や文脈に応じた表現の選び方に焦点を当てています。細部にわたるサポートを通じて、言語理解を深めることができます。
ただし、ネットスラングや方言など特殊な言葉への対応は限られており、同音異義語などにはChatGPTの指示が必要です。特殊な表現や文脈においては、ChatGPTに的確な指示を与えることが重要です。
Expedia|旅行予約サイトと連携
旅行予約サイト「Expedia」と連携するためのプラグインです。ChatGPTと会話しながら、旅行の予約や情報収集を行うことができます。
旅行をする前に情報収集をすることは重要です。インターネットで観光する場所を調べてもありきたりなものしか出てこなかったという方は、穴場が見つかる可能性が上がるでしょう。
Now|GoogleやTwitterのトレンドを抽出できる
GoogleやX(旧Twitter)のトレンドを抽出するためのプラグインです。GoogleやX(旧Twitter)で話題になっているトピックを、ChatGPTが簡単にまとめてくれます。
経営者や営業職の方など、トレンドを押さえておきたいという方におすすめです。
ChatGPT-4を使う場合の注意点
ここまで、ChatGPT-4の概要やメリットの部分を紹介してきました。実際に利用する上でのデメリットや注意点もあります。特に注意するべきことを5つ紹介します。
回答が100%正確ではない点に注意する
ChatGPTの概要説明でも解説しましたが、次に来る可能性が高い単語をつなげて文章を作成する言語モデルのため、すべてが正しい情報ではありません。
計算や歴史などの分野では、正確な回答をする確率が高いです。しかし、時事やマイナーな情報に関しては、誤った文章を生成することもあります。そのため、情報の取捨選択をしたり、正しい情報を見極めたりといったネットリテラシーがこれまで以上に求められるでしょう。
ChatGPTにも得意分野と苦手分野があることを認識して利用してください。
2023年4月までの情報をもとに回答していることを理解する
ChatGPT-4は、昨日起こった出来事など最新のデータには対応していません。
ChatGPTは、2021年9月までの情報を学習させていると言われてきました。2023年9月には、2022年1月までのデータに対応し、11月のアップデートで「2023年4月までのデータを学習させた」と発表がありました。
参考:OpenAI
現在は、ChatGPT-4のみが2023年4月までの情報に対応しています。
以下は、11月のアップデートが反映されていない状態ですが、「最新の情報には答えられない」という内容を回答してきた実際の画面です。このように、答えられないという場合もあれば、誤った情報をそのまま記載することもあるため、注意しましょう。
セキュリティリスクがある
ChatGPT-4ではセーフガードが搭載され、悪意のある質問に対応しないようになっています。セーフガードとは、爆弾やダイナマイトの作り方など、危険度のある質問に回答しないというものです。
しかし、プロンプト内容の変更によってセーフガードが回避される事例も報告されています。ChatGPT-4が犯罪に悪用される可能性があることを認識し、使用時には慎重にプロンプトを設定し、適切なセキュリティ対策を心得ておくことが重要です。
API使用時は関連サービス停止の可能性を考える
ChatGPT-4に障害が発生した場合、連携中の他のサービスも影響を受ける可能性があります。
大規模な障害が発生した際には、ChatGPT-4と連携する他のツールのサービスが停止するかもしれません。これを考慮し、事前に障害時の対策を検討しておくことが重要です。代替手段や冗長性の確保、バックアッププランの策定などを検討し、円滑な業務継続を確保するための対策を講じましょう。
使用制限がある
ChatGPT-4の現行仕様では、3時間あたり40メッセージまでの使用制限が課せられています(2023年12月現在)。これを超えると、一定時間、ChatGPTの利用が制限される可能性が生じます。
しかしながら、OpenAI社はユーザーの要望に柔軟に対応し、今後の改善に向けて使用制限の見直しを行っています。そのため、上限が低くなるなど、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待されます。
ChatGPT 4とチャットボットを連携した事例紹介
ChatGPT-4のAPIやプラグインを使ってチャットボットと連携し、業務の中にChatGPT-4を取り入れている事例を紹介します。
カスタマーサポート
ChatGPT-4とチャットボットを連携し、カスタマーサポートに導入することで、問い合わせ対応の自動化が可能になります。
今までのチャットボットは、あらかじめ決められた内容を返答するものでした。しかし、ChatGPTと組み合わせることで、人間らしい解答や高度な質問に回答できるなどメリットは大きいです。
ゲーム・作曲・本の制作をサポート
エンタメ業界のChatGPT活用事例を紹介します。
まずは、あるゲーム作成企業の事例です。ChatGPT-4でチャットボットを作成し、そのチャットボットに「テトリスを作りたい」と指示を出すと、作成の手順やプログラミングのコードまで教えてくれます。
また、音楽業界では「GPT作曲くん」というサービスが話題を集めています。
チャット形式で、歌詞のイメージを伝えるとイメージに合ったフレーズを出力してくれるため、作曲の時間を大幅に削減できるでしょう。
また、出版業界ではChatGPT-4に「手塚治虫」のブラックジャックの新作を執筆させたものが話題を集めています。
上記のように、エンタメ業界でもChatGPT-4のチャットボットが活用されています。
業務の自動化
ChatGPT-4とチャットボットを活用することで、業務の自動化を実現できます。具体的には、スケジュールの管理、メールの自動返信といった、日常的な業務プロセスを自動的に処理することが可能です。
この効果的な自動化により、従業員は繰り返し作業から解放され、より重要な業務に集中できるようになります。生産性が向上する一方で、チャットボットが迅速かつ正確に業務を遂行することで、エラーの発生も軽減されます。結果として、企業は効率的な業務プロセスを確立し、従業員のワークロードを軽減できるでしょう。
マーケティング
ChatGPT-4を利用することで、企業はマーケティングの強化ができます。例えば、ChatGPTを活用して顧客の意見や要望を的確に把握し、これを基に新しい商品やサービスを開発することが可能です。顧客の声を即座に理解し、市場の変化に柔軟に対応することで、競争力を強化できます。
また、ChatGPTは顧客とのコミュニケーションを効果的に強化します。チャットボットが顧客の問い合わせに素早くかつ適切に対応することで、顧客満足度を向上させます。
データ分析
ChatGPT-4とチャットボットを連携して、データ分析もできます。
例えば、顧客のレビューなどをChatGPTに解析させれば、その顧客の嗜好や意見を詳細に把握可能です。これにより、商品やサービスの改善点を発見しやすくなり、迅速な対応が可能となるでしょう。
また、ChatGPTによるデータ分析は手作業の作業負担を軽減し、専門家がより戦略的な課題に注力できるようにサポートします。
まとめ
ChatGPT-4は、2023年11月6日に発表されたTurboの実装により、文字数が増えただけでなく、追加機能も充実しています。アプリの関数同時呼び出し機能や音声、画像を呼び出すAPIの追加など革新的な機能が追加されています。
APIやプラグインの機能は、有料版ChatGPTのChatGPT-4しか使えない機能のため、本記事で紹介したプラグインを使いたい場合は「ChatGPT Plus」の登録をご検討ください。
2022年11月にChatGPTを発表してから約1年で、さまざまな追加機能や性能向上を行っています。今後も、より便利なAPIやプラグインが開発されることが予想されます。ChatGPT-4を使って業務の効率化を図っていきましょう。