Webデータベースという言葉をご存知でしょうか。Webデータベースは通常のデータベースとは異なり、クラウド上に構築してデータを管理するデータベースです。企業が膨大なデータを適切に管理し、出張先やリモート勤務など社外からも簡単にアクセスが可能となるため、データを扱う業務の効率化を図れます。本記事では、Webデータベースの概要や導入メリット、基本機能についてまとめました。また、マイクロソフトのクラウドであるAzureにおいてWebデータベースを実現するために導入すべきサービスを紹介します。
Webデータベースの概要と導入メリット
まず、Webデータベースの概要と導入するメリットについて解説します。
Webデータベースとは
Webブラウザ上にてデータベースを構築して、データの登録、更新、検索、削除などの管理ができるアプリケーションです。クラウド上にデータベースを構築するため、世界中のどこにいてもインターネット環境があればデータベースの利用が可能です。また、Webデータベースの多くは、複雑な設定やデータベースの専門的知識・技術が不要で、誰でも簡単に構築できるサービスとして提供されています。通常のデータベースはエンジニアをターゲットとしているのに対して、Webデータベースは知識や技術がないエンドユーザ向けのサービスであると言えます。
Webデータベースの導入メリット
メリット1.導入コストが低い
Webデータベースの構築は通常のデータベースとは異なり、専門的な知見や技術が不要です。そのため、専門的知見や技術を持った人材の確保や教育にかかるコストを削減できます。また、クラウド上にデータベースを構築することで物理的なサーバーを用意する必要がなくなり、サーバーの導入コストやメンテナンスコストの削減も図れるでしょう。
メリット2.データベースへのアクセスが容易となり業務効率化につながる
クラウド上にデータベースを構築するため、出張先や自宅からのリモート勤務の際も、簡単にデータベースへアクセス可能です。他の場所にいる人とデータベースを共同で操作したり共有したりできるため、業務効率化につながります。
Webデータベースの利用場面
Web上に構築したデータベースは、どのような場面で活用できるのかを解説します。
商品管理
ネット上で商品を販売するネット店舗を運営している企業は、多数の商品を抱えるほど管理が難しくなっていきます。そこでWebデータベースを構築して商品をクラウド上で管理することで、在庫や商品情報を迅速かつ正確に確認できるようになります。また、インターネット環境さえあれば、営業担当者は営業先でも商品情報を確認して、商品を提案することが可能です。
顧客管理
企業が収集した顧客に関する情報をWebデータベースで管理して、顧客が過去にどのような商品やサービスを購入・利用したのか、購買傾向を分析できます。その結果、既存顧客の満足度向上や顧客ニーズの把握、確実なアプローチによるコスト削減などの効果が見込めます。
従業員管理
企業の従業員情報もWebデータベースでの管理が可能です。従業員について知りたい情報をすぐに確認できるほか、複雑な管理や紙媒体での管理が不要となるためコスト削減につながります。また、従業員の業務をデータベースに保管しておくことで、業務の引継ぎやノウハウの共有もスムーズに行えます。
「Azure SQL Database」を導入してWebデータベース構築
Azure SQL Databaseの概要と利用するメリットを解説します。
Azure SQL Databaseとは
マイクロソフトが提供している、Web上にデータベースを構築してデータ管理が可能なサービスです。データベース以外のインフラをAzureが行ってくれるフルマネージドのデータベースであるため、導入が容易で、安心して構築・運用が可能です。CPUやメモリなどは柔軟に変更でき、コストの把握がしやすくなっています。また、99.9%以上の時間における可用性がサービス品質として保障されています。
Azure SQL Databaseの利用メリット
メリット1.バックアップが不要
Azure SQL Databaseには、自動でバックアップを取得する機能が備えられているためバックアップが不要です。1週間間隔で実行される完全バックアップ、12時間間隔で実行される差分バックアップ、5~10分間隔で実行されるトランザクションログの自動バックアップを取得でき、Azure Blob Storageというストレージサービスのコンテナーに最長で10年間も自動的に保持されるように設定が可能です。
メリット2.さまざまなテンプレートが用意されている
Azure SQL Databaseにはテンプレートが多数用意されています。実現したいことや解決したい課題に応じてさまざまなテンプレートから選定でき、簡単に社内ニーズを満たしたデータベースを構築できます。また、テンプレートの利用により、難しい技術やプログラミングが不要となる点もメリットです。Azure SQL Databaseを導入する際は、テンプレートを上手く活用していきましょう。
メリット3.複雑な設定が不要
本来データベースを構築する場合は、サーバーを用意して複雑な設定をしなければなりません。しかし、Azure SQL Databaseは簡単な設定をするだけで簡単にデータベースの構築が可能です。
まとめ
リモートワークが普及するなかで、Web上でデータ管理ができるWebデータベースを利用する企業が増えています。通常のデータベースとは違いSQLのような専門的な知識や技術が不要で、簡単にデータベースの構築・運用が可能な点がWebデータベースの魅力です。企業の膨大なデータを管理するためには、何らかのデータベースが必要であるため、Webデータベースの需要は今後もますます高まっていくでしょう。Azureでは、Web上にデータベースを簡単に構築できるサービス「Azure SQL Database」が用意されています。Azure SQL Databaseはバックアップが不要で、クラウド上に構築するために物理的サーバーも必要ありません。Webデータベースを構築するのであれば、フルマネージドのデータベースで導入しやすAzure SQL Databaseを活用しましょう。