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クラウドSAPとは何か?メリットや導入方法をわかりやすく解説

クラウド環境にERPシステムを構築する企業が増加傾向にある中で、多くの企業に高い支持を得ているSAP社のクラウド型ERP。メリットや導入方法などについて不安のある担当者も少なくないでしょう。本記事は、クラウド環境にSAP社のERPシステムを構築するメリットやデメリット、導入方法についてわかりやすく解説します。

クラウドSAPとは何か?メリットや導入方法をわかりやすく解説

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ERP・SAP・クラウドとは

SAP社のクラウド型ERPについて解説する前に、まずは「ERP」「SAP」「クラウド」についておさらいしておきましょう。

ERPとは何か

ERPとは「Enterprise Resources Planning」の頭文字を取った略称です。経営資源を統合的に管理するマネージメント手法を指します。企業の基幹業務を一元的に管理し、限られた経営資源を効率的に運用する経営体制を構築することがERPの目的です。そして、財務・会計・生産・流通・販売など基幹業務のデータを一元的に管理するITシステムを「統合基幹業務システム」、または「ERPシステム」と呼びます。

組織の規模や事業形態によって異なりますが、これまでは、企業の業務データは各部門の情報システムに個別管理されていました。しかし、それぞれの部門が独立したシステムを保持してしまい、部門をまたいだ情報連携ができないままになっていては、変化の激しい現代的な市場に対応することは困難になるでしょう。組織内に分散している業務データを統合的に管理して俯瞰し、経営状況の可視化や全社横断的な情報共有、素早い経営判断を実現するのがERPシステムの主な役割です。

本来、ERPはマネージメント手法を意味する概念的な用語ですが、近年では統合基幹業務システムを指してERPと呼称するのが一般的になりつつあります。

SAPとは何か

SAPとは、ドイツのヴァルドルフに本社を置くヨーロッパ最大のソフトウェア企業であり、ERPシステムの分野で世界トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。SAP社は1973年に世界初のERPシステムと呼ばれる「R/1」をリリースし、「R/2」→「R/3」→「SAP ERP」→「SAP HANA」と段階的にバージョンアップを遂げてきました。

現在、SAP社が提供するERPシステムの現行製品は「SAP HANA」をベースとする「SAP S/4HANA」であり、世界中の企業で統合基幹業務システムとして採用されています。その実績や認知度の高さからか、今日では一般に、統合基幹業務システム全般を指して「ERP」と呼称し、SAP社が提供するERPシステムを総称して「SAP」と呼ぶ傾向にあります。そのため、「SAP=ソフトウェア企業」ではなく、「SAP=ERPシステム」と認識している人も少なくありません。

クラウドとは何か

クラウドとは、インターネット上に構築されたプラットフォームやアプリケーションなどを利用できる技術です。わかりやすく言えば、「PCやスマートフォンにインストールすることなく利用できるサービス」を指します。そして、このようなクラウド環境で提供されるサービスを「クラウドコンピューティングサービス」と呼びます。ローカル環境を構築する必要がなく、情報機器とインターネット環境さえあれば時間や場所を問わずアクセスできるのが特徴です。

クラウドSAPを導入するメリット

SAP社はオンプレミス環境のERPシステムを得意とする企業でしたが、近年はクラウド版の人気が高まっています。業績も、「2021年第2四半期はクラウド事業の売上が11%増、固定通貨換算ベースで17%増」と発表しています。

SAP社のクラウド型ERPが人気を博している理由として挙げられるのが、ほかの製品にはない優れた拡張性や高度なセキュリティ機能を備えていることです。具体的には、SAP社のクラウド型ERPを導入するメリットとして以下の4つが挙げられます。

  • どんな企業規模にも対応可能
  • 自動でアップデートされる
  • 企業のデータを一箇所に集約できる
  • セキュリティレベルが高い

どんな企業規模にも対応可能

ITシステムを導入する上で重要な課題の1つが、自社の企業規模や事業形態に適したソリューションを選択することです。特に基幹業務を統合管理するERPシステムは、企業によって求められるシステム要件が大きく異なります。SAP社のERPシステムは拡張性と柔軟性に優れるため、あらゆる規模の企業に対応できるフレキシブルなシステム環境を構築可能です。

自動でアップデートされる

クラウドコンピューティングサービスは、システムやセキュリティのアップデートをサービス事業者が対応してくれる点が大きなメリットです。オンプレミス環境にERPシステムを構築した場合、こうしたアップデートは自社で対応しなくてはなりません。SAP社のクラウド型ERPは、システムやセキュリティのアップデートを自動的に対応してくれるため、空いたリソースを自社のコア業務に注力できます。

企業のデータを一箇所に集約できる

SAP社のクラウド型ERPを導入するメリットは、クラウド環境に構築されたファイルサーバーに経営データを統合管理できる点です。オンプレミス環境にすべてのデータが集約されている場合、地震や火災といった災害発生時に情報システムがダウンし、事業継続が困難になる可能性があります。クラウド型ERPは経営状況の可視化や迅速な意思決定に寄与するだけでなく、クラウド環境にデータを保管することで事業継続性の向上に貢献します。

セキュリティレベルが高い

ERPシステムは企業の基幹業務を統合的に管理するソリューションであり、さまざまな部門の機密情報が保管されています。そのため、数あるITシステムのなかでも、もっとも高度なセキュリティ要件が求められるソリューションです。SAP社のクラウドERPはアクセス権限設定といったセキュリティ機能を搭載しているのはもちろん、専門のエキスパートチームがセキュアなデータ管理をサポートします。

クラウドSAPの導入方法

SAP社のクラウドERPを導入する方法はいくつかあります。おすすめしたいのは「SAP S/4HANA Cloud」か「SAP Business ByDesign」の導入です。「SAP S/4HANA Cloud」はSaaS型のクラウドコンピューティングサービスで、マルチテナント型とシングルテナント型の2種類があり、自社に適したERPシステムを構築可能という点が大きな特徴です。

「SAP S/4HANA Cloud」は大企業向けのソリューションであるのに対し、「SAP Business ByDesign」は比較的低コストで導入できる中堅企業・海外拠点向けのクラウドERPです。この2つのソリューションは優劣を比較するものではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。そのため、事業規模や経営課題、システム環境などを考慮して自社に適した製品を選択することが重要です。

クラウドSAP導入の注意点

ここからは、SAP社のクラウドERPを導入する上で注意すべき点について解説します。

SPA導入の目的を明確化する

SAP社のクラウドERPを選定する上で大切なのは、導入する目的の明確化です。例えば、ビッグデータ分析基盤と連携してデータインフォームドに基づく経営戦略の策定を目指す場合と、製品開発情報と顧客情報を連携して顧客満足の向上を目指す場合では必要な機能が異なります。自社の事業目標や経営課題を洗い出し、クラウドERPを導入する目的を明確化しましょう。

サポート体制を確認する

クラウドERPを導入する際は、KOBELCO SYSTEMSのようなSler(システムインテグレーター)にシステムの設計・開発・導入を依頼するのが一般的です。そこで重要となるのがサポート体制の確認です。

クラウドERPは導入して終わりではなく、中長期的な運用計画と継続的な改善が求められます。そのため、システム導入後のサポート体制は必ず確認しなくてはなりません。システムの導入前に契約候補のSlerが、それぞれどのようなサポート体制を提供しているのか、よく把握しておきましょう。

まとめ

SAP社はERP分野の世界トップシェアを誇るリーディングカンパニーであり、クラウド型ERPの領域でも高い評価を得ています。ERPシステムのクラウド移行や新規導入を検討している企業は、SAP社のソリューションがおすすめです。SAPを導入する際はコベルコシステムの導入支援サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

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