セキュリティとガバナンス

Webシステムのセキュリティ対策とは?対策方法についてわかりやすく解説

利便性の高いWebシステムは、しばしばサイバー攻撃の脅威にさらされることがあります。近年はそういった事例が増加しており、企業は対策を強化する必要があるといえるでしょう。

そこで今回は、Webシステムのセキュリティ対策について知るために、具体的な攻撃の手法を解説していきます。そのうえでシステム運用に有効な対策方法をチェックしていきましょう。

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そもそもWebシステムとは?

はじめにWebシステムとは何かという概要部分を整理しておきましょう。

近年はインターネット環境の普及により、Webブラウザなどを通じてネット上で買い物をしたり、銀行口座から振り込みを行ったり、確定申告の手続きを済ませたり、店舗や医院の予約をしたりなど多くのサービスを利用することが可能となりました。

これらをすべて可能にしているものを、一般的にWebシステムといいます。

Webシステムを利用すれば、自宅など外に出かけていないときでもオンラインでサービスを利用することができます。

総務省によれば、2019年の時点で個人のインターネットの利用率は89.9%となります。このデータを見れば、実に10人のうち9人近くの人がインターネットを使用し、Webページ閲覧を含めたWebシステムを利用していることが推察できます。

オンライン環境が普及した現代では、まさにWebシステムは私たちの便利な暮らしに欠かせないものになりつつあります。

しかしその反面、近年はセキュリティにおける課題や注意点も頻繁に指摘されるようになっており、利用の際には十分に注意を払う必要があります。そしてWebシステムを使ってサービスを提供する事業者は、ユーザーに安心してサービスを使ってもらうためにも、セキュリティについてのリテラシーは十分に身につけたうえで、対策を徹底する必要があるといえるでしょう。

近年、大企業だけでなく中小企業もサイバー攻撃を受けている

Webシステムは、インターネットという誰でもアクセスできる環境の弱点を持つことから、しばしば不正アクセスなどのサイバー攻撃の標的とされることがあります。

この件数は年を追うごとに増加しており、大企業が悪意ある人物・組織からのサイバー攻撃を受けたというニュースは実際に後を絶ちません。多くの重要データを持つ大企業は、昔からサイバー攻撃の標的とされてきました。

しかし近年は、中小企業も例外ではなくなってきました。そもそもサイバー攻撃の件数の母数自体が増えているため、そのターゲットには中小企業も頻繁に選ばれるようになったのです。

このためWebシステム利用時には、事業者は会社の規模問わず、高いリテラシーをもって対策を徹底することがより一層求められるようになったといえます。

サイバー攻撃を受けた結果、万が一重要な顧客データを漏洩させるかたちとなってしまえば、企業は経営規模問わず多くの利益と信頼を失うことが考えられます。

よくあるWebセキュリティのサイバー攻撃手法

では、サイバー攻撃を行うハッカーは、具体的にどういった攻撃を仕掛けてくるのでしょうか。対策を徹底するためには、攻撃の種類や具体的な手法について、まず理解を深めておく必要があるといえます。

総当たり攻撃、XSS、SQLなど、代表的なケースについて具体的な内容を整理していきましょう。

総当たり攻撃

本来のユーザーではない第三者が、その人の持つIDとパスワードを知らないなかで不正にアクセスができるのは、そもそもなぜなのでしょうか。

アカウント情報の解読には多くの手法があるとされていますが、そのうちの一つに総当たり攻撃があります。別名ではブルートフォースアタックとも呼ばれるのが特徴です。

これは簡単に言うと、一つのアカウントに対して推測できるIDやパスワードを、手あたり次第入力して不正アクセスを試みる方法です。極端な例を出せば、一桁の数字のどれかがパスワードだったとすれば1~0、合計10回入力を試せば侵入は可能となります。

ハッカーは、この作業をプログラミングによって行うため、総当たり攻撃で侵入されやすいパスワードを設定していた場合は、これによって不正アクセスを許してしまうことになります。

XSS

XSS(クロスサイトスクリプティング)とは、Webブラウザの中に特定のJavaScriptを仕掛けて攻撃をする手法になります。

このJavaScriptは不正な動きをするようにプログラムされており、例えば一般のユーザーがWebサイトにアクセスすることで、JavaScriptを通じてCookie・セッションの情報を盗み出す方法があります。一般のユーザーの動きで情報を盗めるようになるのは、あらかじめ不正なメールマガジンなどを通じてJavaScriptが仕込まれたURLなどを送り、そこからユーザーにサイトへアクセスさせているためです。

SQLインジェクション

SQLインジェクションは、データベースを主に標的としてサイバー攻撃をする手法です。Webシステムには運用していくためのデータベースが必ず存在するため、ハッカーは不正な働きをするコードを、入力フォームなどを通じて送信します。

するとデータベースでは入力された不正なコードによって何らかのエラーが起こります。この結果サイトの情報が改ざんされ、情報流出などの事故につながります。

Webシステムを守るセキュリティ対策手法

Webシステムは便利なシステムですが、悪意ある第三者からの攻撃を受けやすいという脆弱性についてはよく理解したうえで、運用を行っていく必要があります。

そのためには当然ながら、適した対策が不可欠です。では、Webシステムを安全に保護し、安心して使う・もしくはユーザーに安心して使ってもらうためには、具体的にどういった対策が求められるのでしょうか。

代表的な手法としてチェックしておくべきことは、次のとおりです。

ソフトウェアやサーバーOSの更新

Webシステムにおける情報セキュリティインシデントを防ぐには、常にソフトウェアやサーバー、OSを最新の環境に整えておくことが欠かせません。

各種ソフトウェアは、サイバー攻撃に対応するために常にバージョンのアップデートを行っています。サイバー攻撃の種類は年月の経過とともに増え、手口・手法はより巧妙なものとなっています。時代の変化に対応していくには、最新バージョンへの更新をこまめに実施することが重要となります。

WAFの導入

WAF(Web Application Fire Wall)は、Webシステムの脆弱性を突く攻撃に対して、非常に有効的と考えられる対策の一つです。

ネットショップやネットバンキングなどのシステムを保護するファイアウォールになるため、不正なコード送信やパスワード解除を試みる行為などを素早く検出するのが特徴です。

近年Webシステムを運用する多くの事業は、このWAFを導入しており、サイバー攻撃への対処を徹底しています。

セキュリティソフトの導入

セキュリティソフトを導入したうえで対策することも欠かせないポイントの一つです。一般的に販売されているセキュリティソフトは、サイバー攻撃につながるあらゆるパターンに対応しています。

サイバー攻撃はあらゆる対策をかいくぐって行われるため、セキュリティソフトを導入していないデバイスはいつ攻撃のターゲットにされても不思議ではありません。また、導入後は頻繁に更新を行い、最新のバージョンにしておくことも忘れないでおきましょう。

セキュア・プログラミング

利便性の高いWebシステムは、常に外部からの攻撃という脅威と隣り合わせにあるといっても過言ではありません。それだけWebシステムには脆弱性が発見されやすいということです。

そのためWebシステムを構築する際には、そもそも脆弱性を生まないための設計が重要となります。これがセキュア・プログラミングの考え方です。脆弱性のないシステムを作り、万が一発見されたときには速やかに対応するために、より適したかたちでプログラミングし直すことが重要となります。

まとめ

Webシステムは現代において非常に便利なものとなっており、私たちの生活にすでに根付いているものといっても過言ではありません。しかしその利便性は上がれば上がるほど、同時にセキュリティ上の脅威を許すかたちになることも少なくありません。

そのため事業者としてWebシステムを運用していく際には、Webシステムによくあるサイバー攻撃の内容や手法、そして具体的な対策方法について理解を深めることを忘れないようにしましょう。それがIT社会を生きる企業に、必然的に求められる姿勢となります。

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