日常の中で生まれるデータと、それを扱う業務システムはビジネスに欠かせない存在です。昨今では、IoTデータやAI/機械学習など競争力を高めるためのテクノロジーを駆使しながら企業は事業を運営しなければなりません。そのためには、これらIT基盤を「置く場所」にこだわる必要があります。事業運営と発展のために必要不可欠な施設であるデータセンターに注力することが企業や組織にとって重要な要素なのです。
本稿では、データセンター選定の際に気を付けたいポイントについてご紹介します。データセンターを利用したいけれど、どのサービスを選べばよいか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。
データセンターは、一般的にはインフラを安定的かつ安全に運用するための場所、電源の供給、ネット回線、空調管理、災害対策などが提供されています。そうしたデータセンターへの需要が増している中、移行を検討している方も多いでしょう。
データセンター選びで気を付けたいポイント
バックアップ体制は整っているか?
災害や停電が発生すると、サーバーやIT機器が故障したり、電源供給が突然途絶えたりすることでデータやシステムに多大な影響を与えることがあります。なので、データセンター選びで最も大切なのは、「インフラを如何に安全に管理しているか?」という点に着目することです。
その第一段階として、バックアップ体制に目を向けてみましょう。データセンターによってはデータレプリケーションがサービスに組み込まれている場合がありますし、そうでない場合もあります。後者の場合は独自にバックアップデータを取得する必要があるので、事前の確認が大切です。
また、停電時においても緊急的な電源供給体制を整えているかを確認しましょう。データセンターによってはUPS(無停電電源装置)と呼ばれ、一時的に電源を供給することでサーバーやIT機器を安全にシャットダウンさせたり、自家発電システムによって停電時でも安定的にインフラを運用できたりする設備が整えられています。
ほとんどのデータセンターは停電時対策を実施していますが、「どの程度のレベルで対策しているかの?」はサービスによって異なるので、こちらも事前確認が必要です。サービスレベルが高いほどコストは高くなる傾向もあるので、社内で基準となるサービスレベルと取り決めておくことも忘れずに。
災害対策は十分に取られているか?
2019年10月12日から13日にかけて首都圏/東北を直撃した台風19号は、多くの河川を氾濫させ記録的な被害をもたらしました。その際に、社内のデータセンターが何らかの被害を受けたという方も中にはいらっしゃいます。また、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、データセンターを利用し始めた企業も珍しくありません。データセンターを利用するからには、やはりそうした自然災害に耐えうる構造、対策があることが大前提になります。
例えば、火災への対策としては、火災予兆システムを導入しているか?サーバーや人体に被害が少ない窒素ガスでの消火設備が整っているか?が着原点になるでしょう。あらゆるIT機器を運用しているデータセンターでは、火災が発生する可能性が高いため十分な対策な必要です。
また、データセンターそのものの耐震構造についても着目しましょう。これは「耐震」と「免震」に分けられます。耐震とは建物自体が地震によるエネルギーを吸収して軽減させる構造であり、免震とは建物自体の揺れを軽減するための構造です。現時点としては、免震の方が安全性の高い耐震構造だと言われています。
津波や浸水による被害を警戒するためには、港湾や河川から一定以上の距離があるデータセンターを選びましょう。国土交通省が発信しているハザードマップを参考にしてください。
回線設備は充実しているか?
データセンターに設置したサーバーは、リモート接続によってデータや設定を管理することになります。そのため、回線設備の充実さや通信速度は、データセンターを選ぶ上で欠かせないポイントです。データセンターによっては専用回線を設置し、データセンターへのアクセスが集中した時でも高速に通信できるサービスがあります。
また、ネットワークセキュリティにも目を向けましょう。データセンターに設置したサーバー内の機密情報や個人情報が確実を守るには、不正アクセスに対する対策が十分に整えられているかが重要です。
物理的/仮想的なセキュリティ対策は機能しているか?
データセンターには多くの人が出入りしており、内部不正や部外者による情報搾取事件も発生する可能性があります。
そこで、まずは物理的観点からセキュリティ対策が徹底されているかどうかを確認してください。サーバールームへの入退室管理は厳重に行われているか?関係者以外がサーバーなどを操作できないようにシステムがロックされているか?など、データセンターがどのレベルで物理的セキュリティを実施しているか細かくチェックしましょう。
仮想的セキュリティに関しては、ウイルス対策ソフトなどの基本セキュリティから、その他先進的なセキュリティシステムまで様々なものがあります。多様化するサイバー攻撃に耐えられるセキュリティレベルかどうかもチェックしましょう。
立地と目的がマッチしているか?
物理的な障害が発生したり、IT機器を交換する必要があったりする場合は、データセンターへ直接足を運ばなければいけません。その際に、自社から遠いエリアに設置されたデータセンターだと障害対応や機器搬入に遅れが出てしまいます。従って、データセンターへ頻繁に訪れる可能性が高い場合は、自社からほど近いエリアに設置されているデータセンターを選ぶことも想定すると良いでしょう。
反対に、あえて自社から遠いエリアにデータセンターを設けて、災害発生時のリスクヘッジとして機能させる選び方もあります。大切なのは、データセンターを利用する目的と立地とをマッチさせることです。
ラック/スペースの空きはあるか?
自社サーバーをデータセンターに設置している場合、サーバーの増設/移行によって新しいラックやスペースが必要になることがあります。しかし、いざというときに空きがないトラブルも発生します。そうなると、複数のデータセンターを利用することになるので注意しましょう。
クラウドへの移行も考慮する:Microsoft Azureへの移行という選択肢
データセンターの利用を検討している企業の多くは、クラウドへの移行も同時に検討しています。企業は、クラウド コンピューティングを利用することで、高い効率性、優れた柔軟性、低コスト、アプリケーションとサービスのパフォーマンスの向上といった競争上の優位性を獲得できます。
Microsoft Azure は、企業のデータセンターに関する課題への対応を支援するために絶えず拡大を続けるクラウド コンピューティング サービスの集合体です。Azure では、お好みのツールやフレームワークを使って、世界規模の巨大なネットワーク上でアプリケーションを自在に構築、管理、展開できます。既存のデータセンターをMicrosoft Azureに切り替えることにより、企業は以下のようなメリットを享受することが可能になります。
低コスト
一般的なデータセンターには、管理者の雇用や土地、建物、ハードウェアの導入維持費用などのコストが発生します。一方、クラウド コンピューティングでは、データセンターの準備や実行の費用が不要になります。クラウドにより、必要なコンピューター リソースにリアルタイムでアクセスし、オンデマンドでビジネス ニーズを満たすことができます。
強固なセキュリティ
Microsoft Azureでは、業界最高のセキュリティ基準を満たすための投資を常に行なっています。お客様のセキュリティ体制を強化するポリシー、コンプライアンス、テクノロジ、およびコントロールの広範なセットも提供しています。これらが、お客様のデータ、アプリ、インフラストラクチャを脅威から保護します。
生産性の向上
ほぼ無制限のクラウド コンピューティング リソースを使用して、アプリケーションをより効率的に開発し管理することができます。Microsoft Azureでは、データセンター ネットワークを最新世代のハードウェアで継続的に更新し、決して時代遅れにならない高速で効率的なコンピューティング リソースを提供しています。
グローバルなスケーリング
Microsoft Azureは、世界中のデータ センターで実行して、複数の地理的な場所でのデータ バックアップを可能にすることで総合的な回復性と信頼性を実現しています。
まとめ
いかがでしょうか?データセンターを選択する際のポイントはいくつもあるので、それらのポイントをしっかりと押さえた上で選定を進めていきましょう。そして、Microsoft Azureへの移行を検討することで安全かつ高度なIT活用が可能になるため選択肢として検討することをおすすめいたします。