クラウド監視を行うことは、異常事態をすぐに察知し、障害復旧を迅速にするなど、リスク管理のために重要です。しかし、24時間356日の監視を自社の人員だけで対応していては、大きな負担がかかりかねません。本記事では、クラウド監視の必要性やメリットについて解説しつつ、優れた監視サービスの紹介も行います。
24時間365日のシステム運用監視は必要?
システムを運用する上で、運用状況を監視しないということは大きな危険を伴います。何か異常が生じた場合でも察知ができませんし、その分、復旧までの時間が長くなります。そうすると、企業活動の一部を停止しなければならない事態につながってしまいかねません。
例えば、それが社内システムであった場合、業務が滞ります。また、ECサイトを運営しているような、顧客向けのシステムを運用している場合だと、利用者がサービスを受けられなくなり、売上だけでなく、企業の信用を落とすことにもなりかねません。
ブランドイメージを損なってしまうと、短期的損失だけでなく、長期的観点でも影響してきます。良質なサービスを提供していたとしても、その提供が安定的でなければ、なかなかリピーターはつきません。総合的に判断し、安定性のないシステム運用では他社との競争に勝って企業を存続させていくことは難しいでしょう。
そこで、やはりシステムを導入して利用するだけでなく、健全な運用を続けるための監視体制の構築も重要です。理想はやはり24時間356日の監視です。いつ発生するかわからない異常事態に迅速に対応するため、常に監視できる体制を整えておくことが大事です。
システム運用監視に必要なコスト
24時間毎日監視を行うことが重要ですが、これを自社の人員で対応するとどれだけのコストがかかるのでしょうか。
通常、従業員1人の1日の勤務時間は8時間程度です。そうすると従業員を1人まるまる監視にあてたとしても、1日のうちの3分の1しかカバーされません。そこで3人体制にして24時間をカバーしたとしても、月の勤務日数は約20日ほどですので、残りの10日ほどをさらに別の人員でカバーしなければなりません。
結果、監視だけに4,5人はあてなくてはならず、1人あたりの基本給を30万円とすれば単純計算で120万~150万円/月となるでしょう。もちろん、夜間や休日出勤などの手当を考えればさらにコストがかかることになります。基本給がこれより多いこともあるでしょうから、そうすると月に200万円以上かかってもおかしくありません。
実際のコストはこのような単純な計算では出せませんが、いずれにしろ社内に監視専任の人材を配置するのは得策ではないでしょう。人件費だけでも膨大なコストがかかってしまいますし、その分ほかの業務に手が回せません。資金も人材も潤沢な大企業であれば可能かもしれませんが、多くの中小企業などでは24時間の監視体制を整えることは難しいでしょう。
そこで検討すべき手段が外部委託です。システムの監視を委託すれば月額10万円前後で済むケースが多く、社内で実施する場合に比べて大幅なコストカットが期待できます。
システム運用監視を外部委託するメリット
前項で説明したように、システムの監視を外部委託することで、費用を相当に下げられます。費用がかかりすぎて監視が不十分になっているという企業は、ぜひ外部委託を視野に入れましょう。また、外部委託のメリットは費用面に留まりません。以下で詳しく解説します。業務効率化・生産性向上
まず挙げられるのは「業務の効率化」と「生産性向上」です。
自社の従業員が監視のために割く時間を低減させられ、本来注力すべき業務に専念できるようになるからです。他業務へ割く時間が生み出せるだけでなく、業務の種類を減らすことで戦力を集中しやすくなり、効率も上がります。その結果、生産性向上につながります。
外部委託をしなくても、ただモニタリングするだけのアルバイトを雇って対応できるのではないかと考える方もいるかもしれません。これが可能であれば人件費を何割か下げられるでしょう。しかしながら、適切な監視をするためにはシステムに関する知識や技術を持っていなければいけませんし、高度なセキュリティが担保できなければいけません。
そのためやはり確かな知見を有するプロが高いコンプライアンスを維持して対応することが大事です。監視サービスを提供している企業であれば日常的に業務としてシステム監視をしているため、安心して任せられるでしょう。
障害発生リスクの軽減
クラウドシステムを運用している企業であっても、ITに精通した人員が十分にいるとは限りません。このため、システムを管理する担当者が監視にあたったとしても、分野違いで能力を発揮できない可能性があります。外部に委託するメリットは、高水準の運用監視が期待できるという点にもあります。障害の回避に関して豊富な経験を持っており、リスクを軽減可能です。
障害への早期対応
システムの異常発生を未然に防ぐことはもちろん大事ですが、監視を行う大きな目的の1つは、障害発生時に早期対応することです。プロにアウトソーシングすることで、あらゆる状況における障害に対しても、素早いサポートが受けられ、その後取るべき行動に関しても、的確な支援を受けられます。システム運用監視サービスの主なサポート内容
システム運用監視サービスといっても、さまざまなサポート内容があります。具体的には各企業によって異なりますが、一般的によくあるサポート内容を紹介しましょう。
当然、対象となるシステムの監視は行うことになりますが、見るだけでは意味がありません。異常を検知した際の連絡はどのサービスでも通常含まれます。
ただし、連絡の方法に関しては差異があります。例えば電話やメールで知らせるといった方法のほか、監視用のシステムを利用して連絡も取られていることもあるでしょう。
また、異常を知らせるのみならず、原因調査および復旧対応もしてくれるケースもあります。なぜ異常が発生してしまったのかを理解することで、同様の問題発生を防ぎやすくなります。自社で原因追及しようとすれば、高度な知識を持った担当者が必須ですが、委託であれば詳細な解析も任せられるため、原因も迅速に把握可能になります。
さらに、監視内容のレポート作成をしてくれるケースも多いです。どのような状態で運用ができていたのか、障害の内容とその原因、改善ポイントを示してくれるサービスもあります。
このようにシステムの監視だけでなく、復旧確認までをワンストップでサポートされていれば、自社でリソースを割かなければいけない点はほとんどありません。もちろん丸投げするのではなく、状況を正確に把握しておくことは大事ですが、作業に時間や手間をかけることなく正常な稼働状態を維持できるのは、大きなアドバンテージとなるでしょう。
Azureのシステム運用監視はFIXERにお任せ
もし、「Azure」を運用しているのであれば、「FIXER」の監視サービスがおすすめです。
FIXERはAzureに特化したMicrosoftパートナーで、Azureに関するさまざまなサポートを提供しています。例えば、Azureへのシステム移行から運用支援、安定した運用を実現するためのサポートサービスなどがあり、Azure運用に対する不安をワンストップで解消してくれるのです。
そのなかに、「24時間365日の監視サービス」が含まれています。Azureネイティブの監視ツールと、FIXERが構成する監視手段を組み合わせたシステムにより、最適な監視体制を構築できます。
利用の流れとしては、まず申し込みを行い、その後監視設計を実施します。
適切なデータの収集および測定ができるように監視の構成が行われます。アラートに関しては「アプリの全体的正常性に影響しているかどうか」「緊急の注意が必要な問題かどうか」「サービスのユーザーは影響を受けるかどうか」「システム全体での対応が必要かどうか」といったことが考慮されます。単にすべてを監視して異常をそのままフィードバックするのではなく、運用の実態を踏まえた上で、その後の対応を選択するという方法論です。
アラートを出す場合には、即座に電話連絡、障害対応に進みます。なお監視項目としてはOSやSSL証明書、Azure Monitor API、Webシナリオなどを含みます。
さらに、「アラートノイズ」「アラートが発生しない状況」「監視方法の有効性」「アラートのポリシーやプロセス」などを常時評価しつつ、継続的に監視内容の改善を行って、サービスの最適化が図られます。
まとめ
システムの常時監視は、企業活動を止めないため、そして顧客からの信頼を失わないためにも必要です。しかし、社内の人材のみで対応することは、ノウハウやコストの問題からおすすめできません。監視は外部委託するのが効率的です。特に「Azure」のシステム監視を依頼するのであれば、「FIXER」がおすすめです。