企業が利益を出し継続的に活動するためには、サービスの開発や製造のレベルを上げるだけでは不十分であり、営業活動も円滑に行う必要があります。そこで本記事では、営業効率を上げることの重要性や、その方法について解説します。自社の営業活動に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ営業業務の効率化が必要なのか
営業業務の効率を上げる手法を紹介する前に、なぜ効率化を図る必要があるのかについて押さえておきましょう。何を目標にするのか明確にしておくことで、モチベーションを高く保ちつつ業務改善に取り組めます。
売上増加
効率化が求められる一番の理由は「売上」です。企業は利益を出さなければ、活動が継続できません。しかし、その利益を出すためには売上の存在が不可欠です。そこで、売上を出すための商品やサービスを作って、消費者に購入してもらう必要があります。
当然、作るだけでは売上は伸びず、現実にこれらを知ってもらい購入などしてもらわなければなりません。この役割を担うのが「営業業務」です。この営業業務の効率がよいほど、製造・開発などさまざまな分野での動きにも無駄がなくなり、利益増大へつながるのです。
具体的には、「有効な商談数を増加させること」「顧客のニーズに合ったものをピンポイントで訴求すること」などが効率化につながるでしょう。
社員の負担軽減
効率を上げられなくても、仕事をする時間を増やせば、高効率時と同等の売上を出すことは可能でしょう。しかし、そうすると従業員の負担が増えてしまい、結果としてさまざまなデメリットが生じかねません。
例えば、長時間労働を強いられることで身体的・精神的に疲弊し、業務効率が下がってしまいます。また、残業代が発生することで人件費も増加してしまいます。従業員の不満が溜まれば離職者の増加を招き、いつまでもノウハウが蓄積されない恐れもあるでしょう。
そこで、社員の負担を軽減するためにも、効率を上げる必要があるのです。負担が減ることで営業活動に集中できるようになり、さらなる効率アップにもつながります。そうして実績を積み重ねるうちに担当者もスキルアップし、従業員と企業の双方にとって好ましい状況となるでしょう。
働き方改革の推進
働き方改革は、長時間労働の是正や、仕事と介護および子育ての両立などをテーマに進められています。昨今、政府が働き方改革に向けて色々な取り組みを行っており、法の制定がなされるなど働く環境は変わりつつあります。
ここで重要なのは、働き方改革は単なるスローガンとして掲げられているだけではないということです。具体的な改革内容を見ていくと理解できることですが、新たに設けられた規定の中には、企業に法的義務を課すものも存在します。長時間労働を強いるなど、働き方改革に逆行するような職場環境をいつまでも是正せずにいると、ペナルティを受けることになってしまいます。
また、働き方に対する世間の認識も変わりつつあります。劣悪な職場環境だと、ブラック企業のレッテルを貼られかねません。特に注意したいのは「時間外労働」で、残業の上限に配慮して労働時間を考えなくてはなりません。こうした観点からも、業務効率化の重要性は高いと言えます。
営業業務を効率化させる具体的な方法
このように、営業業務の効率を上げることは、企業のためにも従業員のためにも必要なことです。以下では、そのための具体的な方法に関して解説していきます。
従業員の意識改革
日々の作業内容が変わることに対し、不満を抱く従業員がいてもおかしくはありません。そこで、効率を上げることの必要性を理解してもらうため、どのようなメリットがあるのか、どれだけ負担が減らせるのか、といったことを周知する必要があります。各従業員に業務効率を意識してもらってから、具体的な環境整備にとりかかると効果的です。
そのためには、まず各社員の意識チェックから始めてみましょう。アンケートを取り、「現状に対して何を思っているのか」「変えるべきと考えていることがあるか」などを把握します。これに即した形で、効率化に取り組むことで、現業の従業員と企業とが一体になって改善が進められます。
新たにシステムを導入することになったとしても、上からの命令で突然導入することになった場合と、自分たちで考えて導入した場合とでは、モチベーションに差が生じます。機能性の高いツールでも、それを現場で使いこなせなければ意味がないため、実際に操作を行う従業員に適しているかどうかも考慮することが大事です。
見込みの低い問い合わせを減らす
問い合わせをくれた顧客の中には、見込みが高い人もいれば低い人もいます。これを見定めることなく営業担当が動くのは非効率です。そこで、見込みの低い問い合わせが減るような仕組みを作ることが有効です。
例えばWebサイト上にて、商品・サービスの内容が明確に伝わるよう記載しておくなどが挙げられます。これは顧客と商品・サービスとのミスマッチを防ぎ、成約につながらない営業業務を減らすためです。また、情報の掲載方法も工夫するとよいでしょう。Webサイト上での商品情報から、資料のダウンロードまでの動線を作ることで、問い合わせの質が高まります。
あるいは、「よくある質問」などと題してFAQ欄を設けることも有用です。要点をまとめて伝えることができ、直接説明する手間も省けるでしょう。
不要な業務を洗い出す
HubSpot Japan株式会社が2019年に行った「日本の営業に関する意識・実態調査」によると、「働く時間のうちムダだと感じる時間の割合は?」という問いに対し、日本の営業担当者は平均25.5%を「ムダ」だと回答しています。特に会議や報告業務、キーパーソンとの面会ができないことによる再訪問、商談の移動時間などがムダな時間として挙げられています。
営業業務の効率を上げるためには、各作業のスピードを高めることも大切ですが、こうしたムダを削減することも欠かせません。現状における不要な業務を洗い出し、それぞれに優先順位を付けてみましょう。そうすることで、まったく必要でないものや、時間をあまりかけるべきでないものが見えてきます。
ITツールの導入
業務の洗い出しをする中で、無駄な時間こそ多いものの、業務自体を省けないものも出てくるかもしれません。そのような場合には、ITツールの導入で改善できないか検討してみましょう。参考のため、営業支援や顧客管理など、営業効率を上げるのに役立つツールをいくつか紹介します。
代表的なツールとしては、まず「SFA」が挙げられます。これは「Sales Force Automation」の略で、「営業支援システム」を意味します。案件管理・行動管理・予算管理など営業に役立つ機能が幅広く搭載されているのです。
また、「CRM」も有用なツールです。これは「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」とも呼ばれています。顧客情報の管理に強く、顧客との関係を強化するうえで役立ちます。
「MA」というツールもあります。こちらは「Marketing Automation」の略で、文字通りマーケティングのためのツールです。営業とマーケティングは必ずしも分離できるものとは限らないため、状況に応じて検討してみるとよいでしょう。MAはマーケティング機能に特化しているため、メール配信機能やWebページ・サイトと連携する機能などが多く搭載されています。
そして、もう1つ紹介しておきたいツールが「PIM」です。こちらは「Production Information Management」の略で、「商品情報管理」とも呼ばれます。ここでいう商品情報とは、原価情報や属性情報、価格情報といったデータのことです。ECサイト・カタログ・チラシなどに掲載する情報や、客先に提出するプロモーション情報なども含みます。そのため、こちらも具体的な営業活動を支援するために役立つツールと言えるでしょう。
PIMクラウド「PlaPi」で営業活動を効率化
このようにさまざまなツールがありますが、中でもおすすめしたいのが「PlaPi」です。これは、株式会社JSOLが提供するPIMクラウドサービスです。
「PlaPi」では、商品に関するデータをクラウド上で一元管理できるため、商品情報やイメージ、カタログなどのスムーズな検索が可能です。クラウド環境により効率的なデータ活用が実現するため、営業先で商品情報を活用する際も役立ちます。
ほかにも、「比較的利用しやすい価格設定」「操作が簡単で取り入れやすい」などの特徴があります。さらに、全機能が使えるトライアルが用意されているのもうれしいポイントです。試験的な導入でも、すみずみまで使い勝手を確認できます。
PlaPiで大幅に営業工数を削減した事例
「PlaPi」の導入イメージを少しで持つかむため、実際に導入した某技術専門商社の事例を簡単に紹介します。
同社では取り扱っているデータ量が多く、新旧情報が混在しているという問題を抱えていました。そのため、商品情報を別の得意先に誤って伝えてしまうなどのミスも相次いでいたそうです。この問題を解決するために、「PlaPi」の導入を検討しました。
トライアルを申し込み、商品データベースを作成してみたところ、予想以上に簡単に商品情報を管理できることがわかり、本導入へと踏み切ります。「PlaPi」により商品情報の照会が迅速化し、得意先にも間違いのない商品情報を共有できるようになるなど、さまざまな恩恵が得られたとのことです。結果として、同社は大幅な営業工数の削減に成功しています。
まとめ
営業効率を上げれば売上アップにつながるうえ、従業員の負担軽減にも寄与します。営業効率を上げるためには、従業員の意識改革や見込みの低い問い合わせを減らすといった取り組みのほか、ツールの導入も有効です。特に、商品情報の管理などに困っている場合は、ぜひ「PlaPi」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。