企業のビジネス要件を実現するために、1つのクラウドアプリケーションだけでなく、複数のアプリケーションを1つの物理環境に統合する仕組みが採られています。コンテナ型仮想化の技術はこの1つで、多くの企業によって導入が検討されています。
本記事では、コンテナ型仮想化の概要やおすすめの導入・移行支援ツールについて詳しく解説していきます。
コンテナ型仮想化とは
コンテナ型仮想化とは、1つのホストOS上に複数のコンテナと呼ばれる独立空間を形成して、そこでアプリケーションをそれぞれ構築する技術のことを言います。 従来では、1台の物理マシンに対して1つのOSが起動し、その上にさまざまなアプリケーションやソフトウェアが動いているという構造でした。
コンテナ型仮想化の例として「Docker」というインフラ関係やDevOps界隈で注目されている技術があります。「Red Hat Enterprise Linux 7」などLinux最新版でのサポートが開始されており、「Amazon Web Service」などのパブリッククラウドへはもちろん、「Open Stack」などの基盤ソフトへも対応できるコンテナ型仮想化として、Dockerは普及してきています。
また、一般的なサーバー仮想化と比べてもとてもシンプルで効率のよい仕組みを搭載しています。利用可能となるまでの待ち時間も少なく、「使いたいときにすぐに使える」というのがDockerの強みです。
ハイパーバイザ型仮想化との違い
ハイパーバイザ型仮想化とは、「ハードディスク上に直接、仮想化用のソフトであるハイパーバイザとゲストOSを入れた、サーバーの仮想化」のことです。
ハイパーバイザ型仮想化では、ゲストOSはそれぞれの仮想サーバーごとに異なる種類のOSを入れることができます。ホストOSを必要とせずハードウェアを直接制御することが可能なので、仮想マシンの速度低下を最小限に抑えることができるのが特徴です。
それに対してコンテナ型仮想化は、「どのコンテナでも、使用するOSはホストOSになる」という違いがあります。つまりコンテナ型仮想化は、「ホストOS上で分離された1つのプロセスとして動作する」ということです。
コンテナ型仮想化のメリット
コンテナ型仮想化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。 特に知っておきたい2つのメリットについて解説します。
1つ目のメリットは、DevOpsに適していることです。DevOpsは、開発チームと運用チームが協力し合って開発・運用を進めていく手法。コンテナ型仮想化を導入したDevOpsなら、作業負荷の軽減や環境構築作業の工数などを削減できるほか、本番運用と開発環境を並行して構築できるため、本番時のトラブル減少が実現されます。
2つ目のメリットは、多くのクラウドプラットフォームやサービスが増加し、短期間でサービスを導入・実装したいという企業側のニーズに対応できることです。 コンテナ型仮想化はとにかく処理が軽量なため、負荷が小さく高速な動作を実現することができます。コンテナ環境を構築することにより、同じ状況をコピーすることも容易なので、作業時間を大幅に減らすことも可能です。
CTCのC-Nativeはコンテナ型仮想化の導入・移行支援ツール
「C-Native」は、スピーディーなITシステムを提供するソリューションです。クラウドネイティブ製品(※)や技術のソリューションを提供するCTCの掲げるブランドです。 DXを安心して利用するためにスピード感、クオリティ、ベストプライスでのサービス提供を心掛けているのが特徴です。
※「クラウドネイティブ」とはクラウド上での利用を前提として設計されたシステムやサービスのことを指します。
以下では、C-Native導入により期待できる3つの効果についてそれぞれ解説していきます。
アジリティ・柔軟性向上の実現をサポート
「C-Native」は、レッドハット社「OpenShift Container Platform」を中核としたソリューション提供を行っています。主にコンテナ運用に必要なものをコード化していることから、開発生産性向上、インストールやリソーススケーリング、バックアップやアップデートなどの実行を支援してくれます。
そしてハイブリッド・マルチクラウドに対応したEnterprise Kubernetesの提供により高い安定性と品質が担保されるため、ITのアジリティ・柔軟性向上の実現をサポートしてくれます。 このような自動化により、機敏にさまざまな事象に対応できるのは大きな効果と言えるでしょう。
ノウハウ提供によりコスト・時間を短縮できる
「C-Native」は実績・検証済みの技術・設計ノウハウを、SIサービス等を通じて提供することが可能です。従来であれば、企業内で一からサービスを構築しなくてはならなかったものが技術やノウハウを提供してもらえることにより、大幅なコストや時間の削減につながります。 具体的には、PoC、手順・テストドキュメント作成に費やすコストや業務時間短縮が可能になります。
「C-Native」を導入すれば、その時間やコストを別のものに投資することで、新たなサービス開発などに踏み込むことができるため、大きな強みになるでしょう。広く導入実績を積んでおり、それを通じて安定した作動が検証されているので、安心して利用することができます。
オープン技術&マルチベンダーによる柔軟な対応が可能
「C-Native」は、製品群・運用・アプリケーションサービス等を特定メーカーに縛られない柔軟な対応が可能です。さらに、ハイブリッド・マルチクラウドの実現などそれぞれ独自のご要望に応じて対応することもできます。
今の時代は変化がとても速く、1つのことに固執していてはあっという間に取り残されてしまいます。そのため、時代の流れに応じて対応できる製品やサービスをうまく運用していく必要があると言えます。
既存の特定のものに縛られることなく、マルチベンダーな視点で多種多様なサービスの中から最適な製品やサービスを選択できることがとても重要です。
まとめ
今回はコンテナ型仮想化の導入や移行を効率化する方法について解説しました。 1つのクラウドアプリケーションだけでなく、複数のアプリケーションを1つの物理環境に統合するコンテナ型仮想化。これを導入することで、システム運用のコスト面でも優位となり得るので、多くの企業が導入を進めています。
さらに、CTCのC-Nativeはスピード感やクオリティにも強みがあります。コンテナ型仮想化の導入を考えている方は、C-Nativeの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。