データ保存先としてNASを利用している企業は多いです。一方でHDD・SSDの容量が圧迫していることを受け、クラウドに移行することを検討している企業も増えているでしょう。今回は、NASデータをクラウド移行するメリットについて解説します。NASデータのクラウド移行に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
NASデータとその特徴とは
NASとは簡単にいうと、写真や文書などのデータを保存できるストレージのことです。多くの企業で導入されており、特にBuffaloやQNAPが有名で、NASはLANとルーターで接続した端末とデータを共有することができます。そのほかにも自動的にデータをバックアップしたり、データをまとめて管理したりすることが可能です。
セキュリティ対策も講じられているため、不正アクセスから重要なデータをしっかり守ることが可能です。また、NASの中にはQTSというOSを搭載しているものもあります。QTS搭載のNASは、自由にカスタマイズできるように作られており、最新の機能・安全性が保障されているという特徴があります。写真・動画・音楽の保存や再生、企業のサーバーとしての活用など、使用用途がさまざまある点も魅力の1つと言えるでしょう。
また、一度ネットワークを構築してしまえば、ランニングコストがかからないというメリットもあります。
NASデータをクラウド移行するべき理由とは
昨今は、ファイルサーバーの廃止が増えてきています。この背景はあるのが、オンラインストレージの利用頻度の増加です。ここからは、NASデータをクラウド移行するべき理由について解説します。クラウド移行を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
①社内外の共有がスムーズ
円滑に業務を進めるうえで、社内外におけるデータ共有は必要不可欠です。クラウドサービス、つまりオンラインストレージの場合、社内外の共有がスムーズというメリットがあります。
従来のファイルサーバーは、あくまで社内での利用を前提としたものであったため、社外からアクセスはできませんでした。その点、オンラインストレージはどこにいてもスムーズにデータを共有できるため、作業効率のアップも期待できます。特にメールで送りにくい写真・動画データなどの共有も容易です。スピーディーな展開が要求される昨今のビジネスにおいては、クラウド移行のメリットは大きいと言えるでしょう。
②ストレージ容量を削減
クラウド移行のメリットとして、ストレージ容量の削減も挙げられます。ローカルでデータを保存・管理する場合、ハードディスクやSSDに多大な負荷がかかってしまうのです。クラウド移行をすれば、そうした負荷を軽減しつつ、ストレージ容量を減らすことができます。
自社の外付けハードディスクやSSDを確認して、容量が十分に確保できているか確認しましょう。もし、容量が圧迫している場合は、クラウド移行も視野に入れておくことをおすすめします。
③専門人材が不要
NASは、社内の機器と接続するため、サーバーへの負荷は避けられません。利用する場合は、ITに関して知識のある専門人材が必要です。一方、オンラインストレージではサーバー管理の必要がないため、専門人材でなくても簡単に利用することができます。
また、バックアップデータもスムーズに保存でき、すぐに使い始めることが可能です。NASに比べて担当者への負担も少なく導入できる点は大きなメリットでしょう。IT人材がいないという中小企業こそ、オンラインストレージの導入を考える必要があると言えます。
④ストレージの拡張も自由
年々、企業の持つデータは増えていくものです。そのデータを管理するためには、膨大な容量が必要になります。企業によっては自社のファイルサーバーでは対応しきれないという場合もあるでしょう。容量を増やすためサーバーを増設するという方法もありますが、コストや担当者の負担を考えると悩ましいところです。
クラウド上で利用するオンラインストレージであれば、容量を気にすることなく利用することができます。
もちろん、契約内容にもよりますが、ファイルサーバーを新たに設置したり、ファイルを整理したりする必要はありません。そのため、オンラインサーバーは労力低減に有効であると言えるでしょう。また、オンラインストレージは容量拡張がある程度自由というメリットもあります。これらのことか、今後ビジネスを広げていくことを考えている場合は、クラウド移行は非常に有効な手段です。
⑤故障によるデータ紛失等リスク削減
生活していれば、予測できない事件や災害に巻き込まれることもあるでしょう。ハードディスクやSSDを利用している場合、そうした非常時のリスクを考える必要があります。例えば、地震などでハードディスクが破損した場合、その中に保存していたデータが消えてしまうこともあるでしょう。また、サーバーに障害が生じた場合、復旧作業に時間や労力を割かなくてはなりません。業務を円滑に進めるためには、こうしたリスクは極力避けたいものです。
多くのオンラインストレージを提供する企業では、そうしたリスク回避の対策が講じられています。災害大国日本で事業を営んでいる以上、不測の事態への供えは徹底する必要があるでしょう。故障によるデータ紛失などのリスクを減らしたい場合は、オンラインストレージの利用をおすすめします。
⑥セキュリティ性能が高い
クラウドに自社のデータを保管することに抵抗があるという企業担当者もいるでしょう。しかし、最近のオンラインストレージサービスでは、セキュリティ性能も各段に向上しています。NASと比較してもセキュリティには十分配慮され、特に実績のあるサービスでは、データセンターのセキュリティやユーザーデータの保護を徹底しています。そのため、バックアップデータを長期に渡り保管したい場合にも、オンラインストレージは適しているのです。
また、クラウドサービスでは、常に最新の機能を利用することができます。セキュリティ面も定期的にアップデートされるため、安心して使うことが可能です。どうしても心配という場合は、利用しているNASと導入を検討しているオンラインストレージサービスのセキュリティを比較してみてください。
⑦テレワークに対応可能
新型コロナウイルス感染症の流行により、テレワークの導入に積極的な企業が増えています。自社でサーバーを構築しなければならないオンプレミス型の場合、基本的に社内でしか利用することはできません。
その点、オンラインストレージなどのクラウドサービスでは、インターネット環境があればどこでもファイルを参照・共有することが可能です。テレワークとの相性もよく、社外で作業する場合や、資料を参照する場合は利便性の高いツールと言えます。
コロナ禍が落ち着いた後も働き方改革やDXの実現などによりテレワークの導入需要はますます高まっていくことが予想されます。すでにテレワークを導入している企業はもちろん、まだ導入していない企業も、ぜひオンラインストレージの活用を検討してみてください。
今すぐNASデータをクラウド移行しよう
NASは、写真や文書などのデータをハードディスクやSSD保存できるストレージのことです。多くの企業が活用していますが、昨今ではオンラインストレージに取って代わりつつあります。クラウドサービスを利用すれば、社内のデータ共有もスムーズになります。
テレワークの普及も考えると、クラウド移行は急務と言えます。NetAppでは、さまざまなクラウド・ストレージサービスを提供しています。重要なデータを保護するセキュリティ体制も整っているため、クラウド移行を検討している企業はぜひ、NetAppの製品を活用してみてはいかがでしょうか。