AIシステム開発の市場動向と現状の課題| 解決策や開発事例も紹介

近年、オンプレミスからクラウドへ移行させる方法とは異なる、「AIシステム開発（クラウド開発）」が注目を集めています。この記事では、開発にあたってどのような課題があるのか、またAzure OpenAI Service開発支援サービスについて紹介します。
AIシステム開発を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

AIシステムの市場動向

近年、国内のAIシステム市場は、年間20パーセント以上の成長率で推移しています。
2027年にはすでに1.1兆円規模の市場になる見込みです。しかし、AI市場そのものは成長しているものの、人材供給については大きな課題を抱えています。
とくにAIシステム開発を担えるようなAI人材の不足は深刻さを増し、2030年には50パーセントしか供給できないと予測されています。

クラウド移行とAIシステム開発の違い

通常、「クラウド移行」といえば、従来使用してきたオンプレミスのシステム環境からクラウド環境へ移行させることを指します。
作業はインフラエンジニアによって行うパターンが一般的ですが、クラウドインフラ市場の成長率は今や鈍化の傾向にあり、供給も安定している状態です。
一方、近年注目されているAzure OpenAI Serviceを使った「AIシステム開発」は、オンプレミス環境から移行する、といった概念がありません。システムやアプリケーションに、AIエンジニアが直接組み込みを行うことで実現するのが特長です。AI開発市場では需要が急拡大しているため、供給が追い付いていないのが現状です。

AIシステム開発案件でのおもな課題

AIシステムへの注目度は高く、早期に供給できるよう開発を求められるケースは少なくありません。しかし、開発や供給にはいくつかのハードルがあるのも事実です。ここでは代表的なリソース、難易度、コストといった3つの側面から課題を紹介します。

1.リソースに関する課題

AIシステム開発において大きな課題になりやすいのがリソースにまつわるものです。そもそもリソースとは「資源」という意味ですが、現場におけるリソースとは、時間や、開発に必要な資金、資料など複合的な意味で捉えられます。リソースは、社内のみならず外注先でも枯渇していることがよくあります。すると需要に追い付けず、ひいては不本意な失注につながりかねません。

2.難易度に関する課題

AIシステム開発案件の難易度もハードルになりやすい要素です。
完成度の高い案件の場合、そのプランが実現できるかの判断が難しく、見積もり段階で大きなタイムロスとなる可能性があります。また、綿密にスケジュールを組んでも想定通りに進行しないこともあるでしょう。その場合、たとえ受注できたとしても、最終的に赤字が生じるリスクがあります。

3.コストに関する課題

人材確保にかかるコスト面でも課題があります。AIシステム開発を担えるほどのAI人材は希少性が高く、獲得が非常に困難でコストも高くなっているのが現状です。自社で雇用できない場合は外注も可能ですが、相場は高い傾向にあります。
社内の既存人材を教育するのも難易度が高く、顧客と予算感が合わないといったリスクもあります。

AIシステム開発の課題解決にはAzure OpenAI Service

AIシステム開発に関するさまざまな課題を解決するには、「Azure OpenAI Service」を活用するのがおすすめです。Azure OpenAI Serviceは、マイクロソフト社の「Microsoft Azure」において、オープンソースの人工知能が利用できるサービスです。マイクロソフト社が考える「責任あるAI（人を第一に考える原則）」で、慎重に設計されているのが大きな特長です。

Azure OpenAI Serviceを用いたAIシステム開発の事例

Azure OpenAI Serviceを活用すると、AIシステム開発がスムーズかつ効率的に実現します。2つの事例について紹介します。

例1.AI旅行プラン組み立てアプリ

「次の休みはどこに旅行へ行こうか」と旅行を計画したときに便利なアプリが「AI旅行プラン組み立てアプリ」です。旅行者が希望する旅行の内容をアプリに入力すると、AIが自動的におすすめのプランを提案してくれます。
「Azure OpenAI Service （AOAI）」と「Semantic Kernel」を用いて、入力内容を分析したうえで外部API へ問い合わせ、乗換経路や宿泊先候補の情報を取得する仕組みです。

例2.不動産管理会社向けのLINEチャットbot

不動産管理会社の業務では、入居者からの問い合わせ対応が欠かせません。しかし夜間や営業時間外のトラブルがあった場合、電話のみでは対応しきれない場面も多数あります。
そこで、不動産管理会社向けのLINEチャットbotが開発されました。これにより、月間で9 時間の対応工数（約28%）が削減したという結果が出ています。よくある問い合わせなどは24時間休むことなくチャットbotを用いて自動応答できるため、入居者からの満足度も向上するのが大きなメリットです。

船井総研デジタルのAzure OpenAI Service開発とは？

Azure OpenAI Service開発を進めたい場合には、船井総研デジタルへの相談がおすすめです。

AOAI開発に特化したエンジニアがサポート

船井総研デジタルへの相談がおすすめな理由として、まず、Azure OpenAI Service開発に関してのクオリティの高さが挙げられます。
また、船井総研デジタルは、Azure OpenAI Serviceリファレンスアーキテクチャの賛同パートナーです。さらに、Azure OpenAI Serviceの開発実績もあり、MicrosoftのAI資格を保有するエンジニアがサポートしてくれるため、安心感をもって依頼できます。

予算に合わせて活用支援から運用まで対応

Azure OpenAI Service開発を外注するにしても、予算の幅は顧客の企業規模やリソースの状態によりさまざまです。
その点、船井総研デジタルでは顧客の予算に合わせて、スモールスタートを可能にしています。
他にも、AIシステムをどのように活用できるのか知りたい場合には、検討段階での相談も受け付けています。

導入前の相談から、開発、運用保守までワンストップで対応可能なため、リソース不足に悩んでいる場合でも、スムーズに運用できます。

まとめ

近年、AIシステム市場は需要の高さと裏腹に、供給不足の現状があります。また開発には、社内外のリソース不足や難易度、コストなどの課題をクリアすることが不可欠です。
このような課題を早期に解決するためには、専門的なノウハウを持った専門会社へ依頼することを検討するとよいでしょう。
船井総研デジタルのAzure OpenAI Service開発は、AOAI開発に特化した経験豊富なエンジニアが多数在籍しており、顧客それぞれの悩みや要望に沿った提案が可能です。検討段階での相談も受け付けているため、ぜひ問い合わせてみてください。