アプリケーション開発・管理・運用

企業のITモダナイゼーションを確実に進めるキーファクターとは?

DXが注目される一方で、多くの企業においてITインフラの不整備が懸念視されています。古いシステムをどのようにモダナイゼーションするか、適切な計画のもと実行することが求められます。そこで本記事では、ITモダナイゼーションの概要や手法について詳しく解説していきましょう。

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ITモダナイゼーションとは

モダナイゼーション(Modernization)とは、日本語にすると「近代化」に相当する言葉です。ここから転じて、IT業界においては古くなったIT資産を最新技術に対応させたり、置き換えたりする意味合いで使われています。古く非効率になったシステムを一新し、ITモダナイゼーションを実現することで、企業は最新のIT技術を事業に活用し、DXの推進や生産性の向上など、多くのメリットを得られるのです。

ITモダナイゼーションが求められる背景

現在、ITモダナイゼーションが注目を集めている背景には、いわゆる「レガシーシステム」の継続運用が企業や日本社会にとって深刻なIT負債になっていることが挙げられます。レガシーシステムとは、企業が長年使用し続けている古びたシステムを意味します。

システムの移行には相応のコストや手間もかかるため、なるべく現行のシステムを延命したいと考える企業も多いでしょう。しかし、IT技術は急速な勢いで進化しており、数十年前に開発された古いデータベース技術はもはや陳腐化しています。また、度重なる仕様変更でシステムが複雑になりすぎていたり、使われている技術が古すぎたりして、保守性が悪くなっている点も見逃せません。あるいは、テレワークを導入しようにもシステムがクラウド環境に対応しておらず導入不可能など、ビジネスモデルの転換に際して古いシステムが足枷になっている企業も多いのではないでしょうか。

レガシーシステムが抱えるこれらの問題は、企業のITリスクを高め、将来的な事業計画やさまざまな問題への対応の幅に悪影響を与えるものです。社会的にDXが急速に進む中で、IT環境の遅れは企業の競争力の低下にもつながりかねません。つまり、ITモダナイゼーションは、レガシーシステムがもたらすこのような問題を解決する方法として今まさに求められているのです。

ITモダナイゼーションのポイント

システム移行が企業に与える影響は多岐に渡ります。ITモダナイゼーションを実施した結果、かえって事業に悪影響が出たなどということはあってはなりません。そこで続いては、ITモダナイゼーションの実施における注意点について解説していきます。

データ保証

レガシーシステムには、企業が長年貯えた莫大な情報資産が保存されています。それゆえ、ITモダナイゼーションを実施し、現行システムを新しいシステムに移行させる際も、これらのデータのアウトプットの同一性を確保すること、すなわち「データ保証」は何よりも優先すべきことです。データ保証を行うためには、移行前と移行後のシステム間におけるプラットフォームや開発言語、処理単位を適合させ、データの整合性を保つ必要があります。

性能保証

ITモダナイゼーションを実施した結果、かえってシステムの性能が下がってしまったら本末転倒です。それゆえ、新しいシステムには、現行のレガシーシステム以上の性能を有していることが当然求められます。新システムへの移行にあたっては、従来の機能の継承ないしは発展させたり、DBアクセスのアーキテクチャーを見直したりすることが必要です。

保守性向上

企業の情報資産やPC業務の根幹に関わるITモダナイゼーションを実施する際には、入念な計画性が必要です。将来的に発生する業務要件の変更や拡大を見据えて、柔軟かつ迅速に対応する体制を整えて保守性を向上させましょう。保守性の向上のためには、システムの変更による影響範囲の特定、仕様の書換、プログラム変更、テスト、リリースまでを一貫して検証する必要があります。

ITモダナイゼーションを実行するための3つの方法

ITモダナイゼーションを実行する方法は主に3つです。以下では、それぞれの方法の概要やメリット・デメリットについて解説していきます。

システムリプレイス

「システムリプレイス」とは、既存のレガシーシステムを丸ごと廃止し、新しいシステムを新規に再構築する方法を意味します。再構築の方法は主に2つあり、ベンダー企業が提供する既存のパッケージシステムをそのまま採用する方法と、自社の事業計画や業務プロセスに合わせて最適化したオーダーメイド型の新システムを開発・導入する方法とに分けられます。

リプレイスは古いシステムを最新のシステムへと抜本的に置き換えるため、最新のIT技術をフル活用し、DXを推進したい企業におすすめの方法です。また、完全に新たなシステムを導入することは、既存の業務プロセスを見直し、改める機会ともなるので、業務改革の一環としての側面を持っています。

リプレイスは変更が大掛かりな分、費用・時間・労力のいずれも大きなコストが必要ですが、自社のIT資産を根本的に見直して、大胆にビジネスモデルを変えたい場合などにおすすめの方法です。

システムリホスト

「システムリホスト」とは、エミュレーターなどを使って、サーバー・OS・ミドルウェアなどを刷新する手法です。ここには、仮想化技術の導入や最適化も含まれます。

リホストは、主に既存システムをそのまま保存したい場合に適した手法です。例えば、システムの使い勝手は従来のものから変えないまま、システム運用をオンプレミス環境からクラウド環境に移行させたい場合などに特に有効でしょう。

しかし、古いシステムを保存するということは、「最新技術への適合性の低さ」という問題をそのまま残すことも意味します。それゆえリホストは、とりあえず目前の対応としてシステムをクラウド環境に移行させたい場合など、対症療法的にITモダナイゼーションを行いたい企業におすすめです。

システムリライト

「システムリライト」とは、レガシーシステムの古いプログラム言語を新しい言語に書き換える手法です。例えば、COBOLからjava言語へ書き換えるなどして、最新技術への対応をしやすくします。

リライトは、リプレイスに比べてコストを抑えながら最新技術への対応性を確保できる反面、古いプログラム言語を逐一新しい言語に適切に書き換えなければならないため、既存のシステムのドキュメント管理が徹底してなされていることが重要です。場合によっては、レガシーシステムの導入やカスタマイズを担当した技術者の協力が必要になることもあります。つまり、レガシーシステムが古ければ古いほど、適切なリライトの難易度は高くなるのです。

プログラム言語を書き換えるだけのリライトは、従来のシステム運用の仕方を変えないままに最新技術へ対応させたい場合に適しています。リプレイスとリホストのちょうど中間の効果を狙ったITモダナイゼーションと言えるでしょう。

JBCCのIT Modernizationクリニックでインフラ環境検討

ここまでの説明からもわかるように、ITモダナイゼーションを効果的に実現するためには、数々の課題をこなしていかなければなりません。

大枠で言っても、「現状のシステムに対する詳細な評価検証」、「モダナイゼーション方法の選択」、「最適な新システムの検討」、「試験運用と本格導入」、「その後の効果検証」など、必要な作業は目白押しと言えるでしょう。そして、これらの課題を解決していくには、システム移行に関する豊富な経験や高度な技術が必須です。

とはいえ、日常業務も並行して進めなければならない中、自社のIT部門だけでこれらの課題に取り組むことに限界を感じている企業も多いのではないでしょうか。そしてそんな企業におすすめしたいのが、JBCC株式会社の「IT Modernizationクリニック」です。

JBCCのIT Modernizationクリニックとは

IT Modernizationクリニックとは、ITモダナイゼーションの実施に課題を持っている企業に対して、JBCCの経験豊富なITドクターが、適切なソリューションを提供する診断サービスです。診断の種類には「クラウド(IaaS)クリニック」「仮想化/Storageクリニック」「IBM Power System」の3種類あり、それぞれ「オンプレミスからクラウド環境への移行」「仮想化環境の最適化」「次期Powerシステムの検討」に対応しています。

これらのクリニックにおいては、既存システムの現状分析から始め、システムを移行した場合の期待効果分析や設計、モダナイゼーションを実施するためのロードマップの作成などを行なっています。先ほど挙げたようにITモダナイゼーションの実施にはさまざまな検討課題があります。この診断サービスはそうした課題を効率的解決へ導いてくれるため、自社の事業計画や業務プロセスなどに即した最適なITモダナイゼーションの実現を着実に推し進められるでしょう

JBCCは創業から50年以上もの長きに渡り、業種を問わず18,000社以上もの顧客にソリューションを提供してきた実績ある会社です。JBCCはその豊富なノウハウによって、特定のベンダー製品に依存せず、顧客企業にとって最適なシステムを提案できます。しかも非常にお得なことに、IT Modernizationクリニックの診断サービスは無料で提供されています。ITモダナイゼーションの実施を検討している企業は、まずはお気軽にご相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

DXが社会的に急速に進む現在、レガシーシステムの弊害はますます大きくなっており、ITモダナイゼーションは重要性が高まっています。特に感染症対策や働き方改革の一環としてテレワークの導入が社会的に推奨される現在、オンプレミス環境をAzureなどのクラウド環境に移行させることは優先して行うべきでしょう。

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