ビッグデータを整理し運用するまでの基盤を構築する役割を担うデータエンジニアが、近年の新技術登場により大きな注目を浴びています。
とくにスマートフォンの普及やIoT技術・人工知能などの新技術の躍進とともに、機械学習の場面でもビッグデータが活用される時代が到来しています。市場の拡大からみても、今後データエンジニアの需要はますます高まっていくでしょう。
本記事では、データエンジニアの特徴や仕事内容・必要なスキルなどについて解説します。
また、市場における需要やAzureを活用した運用方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
データエンジニアとは
ータエンジニアとは、企業が収集しているビッグデータから統計的かつ情報科学理論を軸とした分析・グルーピングなどを行う職種です。同じような業務を行う職種としてデータサイエンティストが挙げられますが、明確な違いがあります。
ここでは、データエンジニアの特徴や市場の動向・データサイエンティストとの違いについて解説します。
データエンジニアの市場と動向
バイル市場やIT技術の発展により企業を取り巻くビッグデータの多様性から、データエンジニアの需要が高まっています。
経済産業省が行った「IT人材需給に関する調査」によると、データエンジニアを含むIT人材需給は、2030年までは増加傾向となります。具体的には、2030年の IT 人材数は、2018年から10.2万人増の113.3万人となると予測されています。
しかし、IT業界の高齢化と国内人口の減少の影響で、2025年を境に微増傾向に変化し、需給バランスに大きな影響を及ぼすといわれています。このような社会的背景から、データエンジニア業界も急伸しています。とくに年収が1,000万円を超えるポジションもあり、日本国内の経済が約30年間も停滞していたことを背景に、若年層の注目度が上がっています。
またデータマイニングのような新技術の登場により、ビッグデータの価値観が問われていることも、データエンジニアの存在が企業にとって重要とされる理由です。
データエンジニアとデータサイエンティストの違い
ータエンジニアとデータサイエンティストの役割には、明確な違いがあります。
- データエンジニア:データサイエンスに紐づけるための情報の設計および構築を行う職種
- データサイエンティスト:データエンジニアが加工したデータを業務で活用する職種
データエンジニアは、ビッグデータにおける情報科学理論や論理的アルゴリズムに基づきインフラを整備しなければならず、データサイエンティストと比べると技術的なスキルが問われます。
データエンジニアになる方法
ータエンジニアになる方法は、学生の場合と社会人の場合でプロセスが異なります。
学生であれば、データエンジニアリングを学べる大学に進学して、データエンジニアを目指すことが可能です。一方で社会人は、ITエンジニア関連の職種から転職する方法が一般的です。
業界未経験でもデータエンジニアになることはできますが、情報科学理論や機械学習などの知識は必要です。それでは、データエンジニアになる方法を詳しくみていきましょう。
学生の場合
ータエンジニアになるには、情報科学理論やデータサイエンスを学べる大学に通わなければなりません。具体的には、データサイエンスを専門に学べる学科を専攻する必要があるでしょう。
現在データエンジニアになるための学科を専攻できる教育機関としては、南山大学や中央大学・静岡工科大学などが挙げられます。
キャリアアップを目指す社会人の場合
ッグデータを情報科学理論もしくは論理的アルゴリズムに基づき分析し、情報インフラを構築するための技術が問われることから、ITエンジニアリングに関連する知識やスキルが必要です。IT技術を活用したビッグデータの分析を行うデータエンジニアは、キャリアアップもしくはキャリアチェンジしたい社会人におすすめです。ITエンジニア系の職種として勤務している人は、ビッグデータから市場価値を論理的に導き出せる知識だけでなく、情報科学理論もしくは論理的アルゴリズムに関連する基礎を理解していることから、データエンジニアを目指しやすいでしょう。
データエンジニアの仕事内容
ータエンジニアは、情報科学理論に基づいたビッグデータを用いた統計・分析を行うプロフェッショナルです。
ビッグデータを情報科学理論に基づいた方法で分析してデータを加工し、有効活用できるインフラを整えてデータサイエンティストへと引き継ぎます。
データエンジニアの仕事は、下記の流れです。
- データの加工
- 設計・開発
- 保守・運用
データエンジニアは、上記のプロセスで仕事を進めていくなかで、解析結果を導き出すためのインフラを整えなければなりません。
現場において重要な判断を迫られる場合があるほか、データサイエンティストとの連携も必要です。
データエンジニアに役立つスキル
ータエンジニアには、破損したデータをプログラミングの観点から解決に導く知識・スキルが求められます。
そのため、データに紐づけられた「プログラミング」「データクレンジング」などの知識を兼ね備えていることが重要です。また、企業にとってもビジネスで活かせるデータエンジニアの見極めが必要です。
データエンジニアに役立つスキルについて、以下にまとめました。
役立つスキル | 概要 |
---|---|
プログラミング関連スキル | 情報科学理論に基づいたビッグデータをプログラミングにてインフラ整備します。「JAVA」「Python」などの言語を活用します。 |
データベース/SQL関連スキル | データベースエンジニアとして、ベースとなる基礎システムを設計します。SQLやRDBなどのスキルが求められます。 |
インフラ/クラウド関連スキル | インフラエンジニアとして、システム全体の設計を行います。主にクラウドにてMicrosoft Azureを活用します。 |
分散処理の関連スキル | 複数端末で処理を分散させ、ビッグデータ処理にかかる負担を軽減させます。HadoopやSparkが挙げられます。 |
機械学習の関連スキル | データサイエンティストと連携することもあり、データ分析に関連するスキルは必要です。 |
データエンジニアの仕事の流れ
データエンジニアの仕事内容は前述したとおりですが、ここでは具体的な運用方法と仕事の流れについて説明します。
主に下記の分野にて段階的にデータを取り扱います。
- データの可視化
- データクレンジング
- 教師データの作成
- 分析基盤の設計と構築
とくに情報科学理論を軸としたデータ解析による結果を、データサイエンティストが運用できるように可視化させることが重要です。それまでの工程のなかで、データクレンジングによるデータ修復を行います。
また、機械学習や人工知能によるインフラを整え、取り扱うデータの精度を上げることも検討しなければなりません。データエンジニアは、プログラミングによるインフラ整備を構築し、「データ処理」「データ加工」を行う重要な役割を担います。
まとめ
回は、データエンジニアの仕事内容や必要なスキル・業務の流れなどについて解説しました。
データマイニングによる情報収集のなかで、情報科学理論に基づいたインフラ開発を行っていくデータエンジニアは、将来性が期待できます。
Azureには、データエンジニアリングを支援するソリューションが多数存在します。
この機会に、ぜひAzureの導入をご検討ください。