データ分析、データベース

データ活用における日本企業の現状と課題を分かりやすく解説

昨今、データ活用を重視した経営が注目されています。この記事ではデータ活用の意義や、日本企業においてデータ活用がなかなか進まない理由、そしてそれを打破する方法について解説します。また、データ活用に便利なソリューション「Microsoft Azure」 のおすすめポイントについても併せてご紹介します。

データ活用における日本企業の現状と課題を分かりやすく解説

データ分析の工程と関連ツールを紹介

そもそも企業におけるデータ活用とは?

情報爆発時代と呼ばれる現代では、国内外を問わずさまざまな企業でデータ活用への取り組みが進められています。まずは、企業におけるデータ活用の意義などについて、改めて確認していきましょう。

データ活用とはデータを業務効率化や生産性の向上に役立てること

世界的にDX化の動きが強まり、膨大なデータがやりとりされている昨今、企業は「データ活用」を重要視し、さまざまな取り組みを行っています。

そもそも企業におけるデータ活用とは、日々の企業活動で取得・蓄積しているデータをビジネスに役立てることを指します。今やどのようなビジネスモデルであっても、データ活用は必要不可欠であり、データを活用した経営、つまり「データドリブン(Data Driven)経営」が求められているといえます。

データドリブン経営とは?

近年よく耳にするようになってきた「データドリブン」という言葉ですが、これはデータを分析した結果に基づき、判断や行動を起こすことを意味します。

これまでも企業は、さまざまなデータに基づいて経営を行ってきました。しかし現在は、取り扱うデジタルデータの量や種類が膨大になってきています。これまでのように経営者の勘や経験、度胸(いわゆるKKD)といった不確定要素に頼る経営体制では、市場で優位に立つことは困難になってきているのです。そのため、データドリブンの考え方を取り入れたデータドリブン経営を行うことで、自社の成長を図る企業が増えてきています。

総務省が2020年に発表した「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」では、大企業で約9割、中小企業でも約半数がデータドリブン経営を実践していることがうかがえます。また、今後もますますその流れは大きくなっていくことが予想されます。

日本企業におけるデータ活用の現状と課題とは

では、日本企業におけるデータ活用の実態は、どのようになっているのでしょうか。また、どのような課題が生じているのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

データ活用の現状

まず、総務省が発表した「令和2年版 情報通信白書」によると、5年前と比べてデジタルデータの流通量やその種類が大幅に増えたことで、各企業ともIoT化が進んでいることがわかっています。特に小売業界におけるPOSや、Eコマースなどの販売に関する記録データ、電話など音声データの分野などでの活用が目立っています。

ただ、企業の規模別で見ると、大企業と比べて中小企業のデータ活用は依然として発展途上です。業務別で見ても、「経営企画・組織改革」「製品・サービスの企画、開発」「マーケティング」といった部門はデータ活用が進んでいるものの、部門ごとにムラがあるといえるでしょう。

業種別では、製造業での活用が進んでいる傾向にあります。金融においても「FinTech(フィンテック)」などの動きの影響から、ビッグデータの活用が進んでいます。一方、エネルギー・インフラやサービス業では6割程度にとどまっており、業種によってもデータ活用の進み具合はまちまちの状況といえます。

このように、日本では企業や自治体の規模や業種、業務によってムラがあり、全体的にデータ活用が進んでいないと指摘される現状があります。

データ活用の課題

一方、世界に目を向けてみると、大きく成長を遂げている海外企業の多くは、業種を問わずデータ活用に対して積極的に取り組み、経営に活かしています。日本企業が海外と同様にデータ活用を推進するうえでは、各企業がデータ活用の重要性と正しく向き合い、企業規模や業界・業種を問わずデータ活用に取り組める環境を構築することが喫緊の課題といえるでしょう。

データ活用を進める方法とは

では、企業がデータ活用を進めるためには、どういった方法が有効なのでしょうか。ここでは、主に4つのポイントを挙げていきます。

経営層がデータ活用の重要性を理解する

いくら従業員がボトムアップでデータ活用を進めたとしても、最終的に会社の意思決定を下すのは経営者らです。経営層がその重要性を理解できていないと、社内での浸透は困難でしょう。そのため、経営層やトップマネジメント層がデータ活用について積極的に理解し、その行動を先導していくことが求められます。

たとえば、経営者自らデータ活用をする意義・目的を明確化し、経営ビジョンとして掲げるのもよいでしょう。このように、経営層やシニアマネジメント層が舵をとって全社的に進めていくことで、社内でのデータ活用は早期に実現できるようになります。

データ活用のための体制を整える

社内でデータ活用を進めるための体制づくりを進めることも重要です。データ活用は簡単に単発で実現できるわけでなく、収集・蓄積したデータを使って業務改善に活かせるまでには、相当の時間がかかります。そのため、専門的にデータ活用を推進するチームを形成し、必要なツールやシステムを開発したり導入したりして、途中でプロジェクトが頓挫しないような体制を整えることが大切といえます。

データ活用における人材の確保と定着

先にご紹介した「データ活用のための体制を整える」こととも関連しますが、データ活用はある程度長期的に取り組まなければなりません。そのため、専門スキルを持った人材を臨時で雇用すればよい、といった安易な考え方はあまり現実的ではなく、常時雇用できる人材の確保が不可欠といえます。

長い目で見ると、自社でデータサイエンティストといったスキルのある人材の育成は避けて通れません。企業として統計学や分析手法などのスキル習得をフォローし、組織を横断したデータ活用に取り組むことが必要でしょう。

さらに、その人材に対して短期で結果を求めるのではなく、長期スパンでの成果を正当に評価できるような制度づくりも検討しなければなりません。育成した人材がモチベーションを上げて業務に取り組めるよう仕組みを整えることで、離職のリスクが減り、人材の定着化が図れるのです。

データ活用のための基盤を作る

組織や体制の整備、人材の確保などを行い、必要なデータを得て実際にデータ活用を行う段階では、データ分析ツールなどの最適なデータ活用基盤について検討します。

そもそもデータ活用には、データの「取り込み」」「加工・可視化」「分析」といったプロセスが存在します。そのプロセスをスムーズに実現させるためには、専用のツールを利用するのがよいでしょう。中でも「Microsoft Azure」は、同じくデータ活用サービスである「AWS(Amazon Web Services)」や「GCP(Google Cloud Platform)」とは異なるメリットが評価され、近年ユーザーが大きく増加しています。

Azureが他ツールと異なる点としては、まず各プロセスで活用できるサービスが豊富に用意されています。たとえば、データの取り込みでは「Azure Data Factory」、データの可視化では「Power BI」、データ分析では「Azure AD」などのサービスが利用できます。

また、アクセス権限付与といった課題はつきものですが、Azure であればAD(Active Directory)のアカウントをベースに、手軽にアクセス制御できます。手間なくセキュリティを守りながらデータ活用を進められる点で、大きなアドバンテージがあるといえます。

このようにAzureは、データ活用に必要とされるサービスを一通り揃えており、セキュアかつ簡単に利用できるメリットがあります。Azureを導入することで、より高度なデータドリブン経営を実現できるでしょう。

まとめ

今や企業において、業務効率化や生産性向上のためのデータ活用は不可欠となりつつあります。データドリブン経営を成功させるためには、「Microsoft Azure」に代表される利便性の高いツールを導入するのがおすすめです。自社のデータ活用に課題をお抱えの企業様は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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