クラウド移行(インフラ・DB)

クラウド導入設計の重要性や構築のポイントとは?

「クラウド環境への移行を考えているものの、どのような設計や構築を行えばよいのかわからない」というIT部門担当者の方も少なくないでしょう。クラウドの導入に際しては、その重要性を正しく理解し、構築のポイントを押さえておく必要があります。本記事ではクラウド導入設計の重要性や、構築のポイントについて解説します。

クラウド導入設計の重要性や構築のポイントとは?

クラウド移行 まるわかりガイド

導入設計の重要性

システム開発における「設計」は、開発やテストのプロセスと比べるとやや軽視されがちです。というのも、開発やテストのプロセスの改善は、リソースや経費の削減に直結するうえ、工期の短縮化にもつながるからです。
そのため、これらの改善に力を入れる企業は少なくありません。さらにいえば、それらを改善する手法自体が数多くあることも、設計プロセスが軽視されやすい理由の1つでしょう。

設計の重要性を知るには、家づくりをイメージするとわかりやすいかもしれません。家づくりにおいては、建築士が構造・間取り・仕様などを図面に起こし、それを基に現場の職人が作業を進めます。
設計がいい加減では、現場の職人がスムーズに作業を進められないばかりか、欠陥住宅になってしまう恐れもあります。また、設計図がなければ、施主は「どのような家が完成するのか」をイメージできません。その結果、完成した家を見て「想像していたものと違う」といったことが起きてしまいます。

クラウド環境の構築においても、導入設計が重要であることはいうまでもありません。完成イメージの共有や工数削減、最適なクラウド環境の構築。それらを実践するためには、そもそもの設計フェーズをしっかりと練る必要があるのです。

導入設計の流れ

導入設計においては、構成や見積もり、障害対策に関する項目などを検討します。構成で中心となるのは、動作環境の確認およびシステム構成、ネットワーク構成についての設定です。併せて、メモリ所要量やデータベース領域の見積もり、障害対策、メンテナンスについても、この段階でよく検討します。

流れとしてはまず、構成やインストール種別などを決定しましょう。運用管理サーバーの設置場所や、部門管理サーバーの必要性などについて検討を行います。

次に、導入にあたり必要な情報を収集します。収集が必要な情報は多々ありますが、主にネットワークやサブネット、ノード、インストールに必要な情報、運用管理サーバーの環境構築時に必要な情報などが挙げられます。情報収集を終えたら、インストール方法を検討しましょう。

その後、ポリシー運用方法について検討します。具体的には、効率的な管理と運用を実現するための方針を定めます。導入や設計が完了したら、最終的な確認を行いましょう。駆け足にはなりましたが、これが大まかな導入設計の流れです。

クラウド環境の設計・構築のポイント

クラウド環境の設計・構築におけるポイントはいくつかあり、主に「目的を明確にすること」「最適なクラウドサービスを選ぶこと」「コストを把握しておくこと」などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

目的を明確に

明確な目的がないままにクラウドを導入しても、「どのような成果を得られたのか・何が変わったのか」は正確に把握できません。漠然と運用した結果、コストを無駄にしてしまう恐れすらあります。
まずは、なぜ自社でクラウドを導入しようとしているのか、何を達成したいのかといった目的をはっきりさせましょう。

クラウドの導入により解決できることはたくさんあります。その最たる例が、業務の効率化です。クラウド環境の構築により、オフィス以外でのスケジューラーやメールの利用や、社内でバラバラに保管されている情報の有効活用もできます。また、IT関連業務で発生するコストの削減や、新たなITビジネスの企画も可能です。

自社で解決すべき課題を抽出すれば、そこから目的を見出せるかもしれません。まずは、社内できちんと話し合ってみましょう。話し合ったうえで目的が決まれば、社内全体で共通認識を持って行動でき、失敗のリスクを軽減可能です。導入後のスムーズな運用も見込めるでしょう。

最適なクラウドサービス選び

クラウドサービスにはさまざまな種類があるため、自社の目的にマッチしたものを選ぶ必要があります。「自社課題を解決可能なサービスを提供しているか」「目的を達成できる機能があるのか」などを確認しましょう。

料金面も、クラウドサービスを選ぶうえで重要なポイントです。導入前にきちんと課金システムや発生する費用を把握しておかないと、導入後に後悔してしまう恐れがあります。事前に料金形態や費用を正確に把握しておけば、のちに経営を圧迫させてしまう事態も防止できます。サービスや機能と併せて、慎重に比較検討しましょう。

また、信頼できるパートナー企業かどうかを見極めることも大切です。信頼できるかどうかを測るには、過去の実績を確認しましょう。豊富な実績のある企業なら安心だと考えられますが、その情報を公開しているかどうかがポイントです。

「当社は実績が豊富です!」とアピールしていても、根拠がなければ信頼できません。もしかすると、わずかな実績を誇張してアピールしているだけ、といったことも考えられます。公式サイトをチェックし、具体的にどのような実績があるのかを公開しているところなら、パートナー企業として信頼し得るでしょう。もちろん実績だけでなく、「スピード感のある対応ができるか」「自社が求めている専門性を有しているか」といった部分も注目すべきポイントです。

コストを把握しておく

クラウドのメリットは、必要に応じて必要な分だけサービスを利用できることです。従来のように高額な初期費用が不要となり、使った分だけ課金されるため、コスト面の無駄を削減可能です。

とはいえ、初期費用こそ安価に抑えられますが、ランニングコストが発生することは理解しておきましょう。初期費用を抑えられても、ランニングコストが想定外にかかりすぎると、経営の悪化を招く恐れがあります。場合によっては、オンプレミスのほうがトータルでのコストを抑えられた、といったことにもなりかねません。

このような事態とならないよう、事前にきちんと見積もりをしておくことが大切です。1日に何人がどれくらいサービスを利用するのかを割り出し、シミュレーションしておくと正確な見積もりが可能でしょう。しっかりと見積もりをし、かかるコストを把握しておけば、想定外の問題が生じるリスクを軽減できます。

なお、サービスによっては、利用する人数に応じて費用が変わるものもあります。そのため、将来的なことも考慮したうえでサービスを選ぶ必要があります。将来的に人材を大幅増員する予定があるのなら、それも計算に入れたうえでコストの変化を把握しておく必要があるでしょう。

まとめ

クラウド導入設計を適切に行うことが、スムーズな移行と運用を成功させるポイントです。自社の目的を明確にし、コストやサービスを把握したうえで最適なクラウドサービスを選びましょう。本記事で紹介したサービスであれば、クラウド運用を柔軟にサポートしてもらえます。併せて検討してみてはいかがでしょうか。

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