データ分析、データベース

2022年最新!データライフサイクル管理の流れと見るべきポイント!データライフサイクルの活用方法

さまざまなデータを取り扱ううえでチェックしておきたいのが、データライフサイクル管理のポイントや、データライフサイクルにおける基本のステージです。

それぞれのステージ(行程)においてデータはどのような状態にあるのか、必要な管理方法・ルールは何かなど、データライフサイクルについて理解を深めれば、適切な方法でのデータ分析が可能になります。また、情報セキュリティ向上にも大きく貢献するはずです。

そこで今回は、「データライフサイクルとは?」という概要や特徴を解説したうえで、管理の流れなどをわかりやすく解説していきます。

2022年最新!データライフサイクル管理の流れと見るべきポイント!データライフサイクルの活用方法

データ分析の工程と関連ツールを紹介

データライフサイクルとはどのようなことを指す?

データを扱う際にチェックしておきたい言葉の一つとして、データライフサイクルという言葉があります。まずは言葉の意味や概要を押さえたうえで、適切なデータ処理の把握に役立てていきましょう。

データライフサイクルはデータが登録されてから削除されるまでのこと

まず言葉の意味からわかりやすく解説していきます。データライフサイクルは、データが生成されてから破棄されるまでの流れや一連の行程のことを指します。

ライフサイクルとは生物が誕生してから死ぬまでの過程のことを言います。私たちも自分たちの人生を考えるうえでライフサイクルを意識し、どのような生を過ごすのか、それに伴ってどのような準備が必要なのか考える必要があります。

また、ライフサイクルという言葉は、製品やサービスに対して使われることも珍しくありません。企画から製造、そして購買、使用、処分という流れを意識したうえで企画や製造、マーケティングを行うことが、顧客に歩み寄った製品・サービスを開発し利益向上につなげることにかかわるからです。

したがって、データにおいても同様です。このように正しい扱い・保管・破棄を考えるために、ライフサイクルを意識することは重要になります。データは主に、次のようなステージの流れで作成から削除へと至るのが特徴です。

  1. 作成
  2. 保存
  3. 利用
  4. 共有
  5. 長期保管
  6. 破棄(削除)

どのデータを残してどのデータを捨てるのかを判断する

基本的にデータライフサイクルを意識することの重要性は、どのデータを残して、どのデータを削除するのかの判断に役立てるかのポイントにあります。

逆に、データライフサイクルを意識せずに多種多様なデータを膨大に残しておけば、保管スペースはデータであふれかえってしまうものです。物が乱雑に散らかった部屋だと必要なものを探しづらくなるのと同じで、必要・不必要なそれぞれのデータが混在していると、必要なデータを適切に扱うことができなくなってしまいます。

使わないデータを不必要に残しておくと、さまざまなトラブルが生じる要因になります。個人情報などがわかりやすい例でしょう。不要な個人情報を適切なかたち・期間で破棄せずそのまま放置しておけば、その分情報漏洩などのリスクは高まるということです。

データがあふれる現代においてのデータライフサイクルの価値

現代は、超情報社会と呼ばれるほどさまざまなデータであふれかえっている時代です。企業・個人問わず、それぞれが扱うデータの数は計り知れません。したがってデータライフサイクルの各ステージにおけるポリシーを定めておかなければ、情報漏洩・流出などのインシデント、必要なデータが探せないなどのトラブルは容易に起こりえます。

しかし逆に、適切に保存ポリシー、保管ポリシー、破棄ポリシーなどを設けてそれに従ってデータを取り扱っていれば、情報漏洩などのリスク軽減・業務効率化につながります。

取り扱うべきデータが膨大だからこそ、データライフサイクルを意識してデータを正しく共有したり破棄したりすることは、現代においては非常に価値のあることと言えるでしょう。

データライフサイクルの6つの基本ステージ

データライフサイクルのステージについては、上記でも触れてきましたが、ここでステージごとに詳細をチェックしていきましょう。まずは6つの基本ステージのおさらいからです。

  1. 作成
  2. 保存
  3. 利用
  4. 共有
  5. 長期保管
  6. 破棄(削除)

このような流れを認識することで、どのようなかたちでデータが生まれ、そして消えていくのかがわかってくるでしょう。また、各ステージの特徴を知ることも、正しいデータの取り扱いについての理解を深めるポイントになります。

では、それぞれのステージにおける特徴やポイントを整理していきます。

1.作成

例えば、領収書のデータファイルを例に考えてみましょう。まず、領収書をExcelやその他会計ソフトなどで作成します。この作成工程が、データライフサイクルにおける最初の行程「作成」にあたります。

2.保存

続いて作成したデータは、何らかのかたちでデータとして出力しなければ利用や共有ができないため、保存する必要があります。領収書データの場合、作成したソフトウェアで保存を行った場合、データライフサイクルにおける「保存」の行程に移ります。

3.利用

データは、基本的に閲覧したり編集するために作成・保存されます。したがって、保存した領収書データの内容を閲覧したり、必要に応じて編集すると、それはデータライフサイクルにおける「利用」の行程に移ったことになります。

4.共有

領収書データの場合、外部の企業などの取引先・顧客に送付する必要があります。そのため外部に共有したり、必要に応じて税務署に提出したりすることがあれば、それは「共有」の行程に該当すると言えるでしょう。

5.長期保管

現時点で使用する必要性がなくなったデータは、資料として保管されます。データを利用しなくなったからといってすぐに破棄してしまうと、後日チェックが必要になった際などに困る可能性があります。

実際に領収書を含め、一定期間の保管が義務化されているデータは少なくありません。しかし、そうはいっても頻繁に利用するデータと同じ場所に保管しておくと、データの量が膨大になってしまうため、業務を圧迫する可能性があります。そのため、長期保管フェーズに移る場合は、クラウドストレージなどを活用した長期保管用のデータベースに保管される場合が多いです。

6.破棄

使用することがなくなり、念のためとして保管しておくべき期間も経過した際には、データは適切なかたちで破棄する必要があります。不必要にデータを残しておくことは、データベースを圧迫する要因にもなりますし、漏洩・流出などの情報事故を未然に防ぐことにもつながります。

このため、例として挙げてきた領収書データで言えば、必要な長期保管の期間が過ぎたら、管理の手間削減とリスク防止のために、当該領収書データは破棄していくことになります。

データライフサイクルを把握して管理する目的

データライフサイクルを把握すること、データを扱ううえで意識することには、重要な目的がさまざまあるものです。主な目的として挙げられるのは、次の3つです。

  • データセキュリティの向上
  • データの可用性を高める
  • データの正確性を上げる

このように、データライフサイクルを把握したうえで各データを管理することに大事な意義があります。それぞれの目的の重要性や、逆に意識しなかったことで生まれる不利益なども考えながら、詳細を見ていきましょう。

データセキュリティの向上

まず大事なのは、データセキュリティの向上につながる点です。ここで、参考として情報漏洩・流出の事故件数をチェックしてみましょう。

株式会社東京商工リサーチが、上場企業とその子会社に対して行った調査によれば、2021年の個人情報漏洩・紛失事故の件数は、公表されているだけでも120社137件に及ぶと言います。その中において漏洩した個人情報は574万9,773人分です。

なお、この数字は2012年以降の10年間で社数・事故件数ともに最多を記録していると言います。昨今ますます進むデジタルトランスフォーメーションの流れもあり、扱う情報の多さによって、今後も情報漏洩・流出の件数は高い数字を記録していくと考えられます。

このような情報漏洩事故があれば、企業は被害者への補償対応や各方面における信頼回復に努めなければなりません。こうむる不利益は決して少ないものとは言えないでしょう。

データライフサイクルを意識することは、それぞれのステージにおける正しい扱いを把握することです。これはデータセキュリティの向上、データ取扱者のセキュリティリテラシー向上へとつながります。

データの可用性を高める

情報セキュリティを意識してデータを適切に保護していくには、いくつかのポイントを確保する必要があり、そのうちの一つが「可用性」になります。

可用性とは、許可された取扱者・管理者が必要な際に、当該データにスムーズにアクセスできることを指します。可用性が確保されていなければ、誰でも簡単にデータにアクセスすることができ、サイバー攻撃などの脅威を許すことになります。

しかしデータライフサイクルを意識して各ステージの状況、必要なポリシーにのっとった管理方法を把握していれば、アクセス可能な人を絞ったうえで安全にデータの管理が行えます。

また、必要なタイミングで滞りなくデータにアクセスできることは、業務効率化を促すことにもつながってくるでしょう。

データの正確性を上げる

データの正確性とは、データが破壊されたり改ざんされたり、または勝手に削除されたりすることなく完全な方法で保管されていること、アクセスできることを指します。

データライフサイクルを把握せずに雑に各データを管理していると、必要な情報を誤って破棄してしまったり、ファイルが一部破損する場合があります。このような結果は、業務の非効率化やトラブル、重要な情報の紛失などにつながる可能性があります。

しかしデータライフサイクル管理の考え方に基づいてデータの運用・管理を行えば、正確性が担保され、業務効率を高めるきっかけになります。

データライフサイクルを管理する際に見るべきポイント

データライフサイクルを適切に管理する手法としてチェックしたいのは、主に次の3つのことがあります。

  • 過去を参照して使えるデータの取捨選択をする
  • 将来を見据えてどのように保護するのかを考える
  • 本当に必要なデータかどうかを見極める

繰り返しになりますが、データの数は非常に膨大です。そのため過去から将来に至るまでの広い視野を持ち、データ管理・分析に役立てていく必要があると言えます。

では、以上の3つのポイントについて詳細を解説していきます。

過去を参照して使えるデータの取捨選択をする

データライフサイクル管理に基づいてデータを正しく保管したり破棄したりするには、まず過去に目を向けて使えるデータの取捨選択をする必要があります。

データの取り扱いにおいて何らかのトラブルが発生した際には、バックアップを取っていない限り、以前のデータを修正することは難しいものです。したがってこれまでの経験に基づき、起こりえるトラブルを想定したうえで、残すべきデータとそうでないデータを見極めることが必要不可欠になります。

将来を見据えてどのように保護するのかを考える

過去から学ぶ姿勢を持つ場合もあれば、場合によっては将来的な目線を持たなければならないこともあります。

データは今後どう利用されたり共有されたりしていくのか、未来のあり方を見据えて保護の方法を考えれば、適切な手法がわかってくるでしょう。例えば今後の分析がスムーズにいくようにという観点を持てば、分析に必要なデータも自然と見えてくるはずです。

本当に必要なデータかどうかを見極める

どのような場面においても、「必要か不必要かいまいち判断ができないが、念のため保管しておく」という心理は、ときに非効率性を招くものです。

このため、データベースにさまざまなデータを保管しておく際にも、本当に必要なデータなのかどうかはそれぞれ慎重にチェックする必要があります。本来不必要なデータばかりを残しておくと、最終的には管理コストがかさむ一方だからです。

必要なデータを見極めて保管すれば、データ分析の精度も上がりますし、無駄なコストがあがることもありません。

まとめ

データライフサイクルを把握して各ステージにおけるデータの状況、取り扱いの方法を知れば、情報漏洩や紛失などの事故を未然に防げます。また、必要なデータにアクセスしやすくなること、管理コストがカットされることなどのメリットも見出せるでしょう。

たくさんの情報を管理しなければならない現代だからこそ、データライフサイクルについて知識を深めることは必要不可欠です。データライフサイクルに基づいて正しいデータの取り扱いを知ったうえで、リスク回避・業務効率化へつなげていきましょう。

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