ChatGPTを利用する際に気になるのが利用料金です。
本記事では、ChatGPTのプランやAPI経由の場合の料金を含め、利用料金について詳しく解説します。
また、ChatGPTについてはGPT-4とGPT-4oの違い、他社サービスとの料金比較も解説しますので、生成AIの契約に悩んでいる場合にはぜひ参考にしてみてください。
ChatGPTの種類|無料版は使えない?
ChatGPTにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる機能と料金体系を持っています。無料版も提供されていますが、有料版の方が高機能なモデルを利用可能で、より多くの用途に対応できます。
本章では、ChatGPTで利用できるモデルのバージョンについて解説します。
GPT-4とは
GPT-4は、初期モデルのGPT-3.5をさらに進化させたモデルであり、テキストや画像を入力し、テキストを生成します。
GPT-3.5と比較して、画像の入力が可能となりました。画像を読み込ませることで、その画像が何かを判別したり、画像からプログラムのソースコードを出力したりすることができます。
GPT-4o(Omni)とは
GPT-4oは、ChatGPT Plusをはじめとする有償のプランで利用できる最高性能のモデルです。2024年現在の最新技術が利用されており、より自然な文章を生成できます。
また、入力として文字が扱えるだけでなく、画像を理解する機能が強化されています。
画像を読み込んで解析して文字を認識したり、画像をもとに新しい文章を生成したりすることが可能です。
また、GPT-4と比較しても計算速度が上がっています。GPT-4oを利用することで、より高性能な文章が早く生成されますので、クオリティの高い文章が短い時間で量産しやすくなりました。
GPT-4 miniとは
GPT-4 miniは、GPT-4の軽量版として登場した新しいGPTのモデルです。GPT-4よりも動作が軽いかわりに、精度が少し低いというデメリットを持ちますが、受け答えとしては充分といえるでしょう。
2024年現在、ChatGPTを利用する場合のデフォルトのモデルとして選択できるため、事実上のGPT-3.5の代替モデルと考えられます。
GPT-3.5とは
GPT-3.5は、ChatGPTの初期から存在するモデルです。前述のGPT-4やGPT-4oと比較すると性能差がありますが、充分な性能を有しています。
GPT-4 miniの登場と同時に、Web版のChatGPTからは利用できなくなりました。
GPT-4oの料金は?|ChatGPTのプランと料金
最高モデルであるGPT-4oの性能が非常に高いことが分かったところで、本章ではGPT-4oが利用できるプランを含め、ChatGPTの各プランについて料金も交えて解説します。
ChatGPT Plus
プランの概要
ChatGPT Plusは、ChatGPTの有料プランで、主に個人向けのプランです。
ChatGPT Plusを利用することで、以下のモデルが利用できます。
- GPT-4o
- GPT-4
- GPT-4 mini
料金
ChatGPT Plusは、1カ月あたり20ドルで利用できます。
このプランに限らず、ChatGPTの請求は全てドル建てとなります。日本での支払いの場合、為替の影響で毎月支払う料金が変わる可能性があります。契約する際にはその点に注意しましょう。
ChatGPT Team
プランの概要
ChatGPT Teamは、主にChatGPTを業務で利用する人向けのプランです。
利用できるモデルはChatGPT Plusと同じですが、複数のユーザーがChatGPTを利用するための機能が提供されており、チームメンバーの管理やセキュリティ機能、データの管理機能が利用できます。
また、ChatGPT Plusではデフォルトで入力したプロンプトがChatGPTの学習に利用されますが、ChatGPT Teamの場合、プロンプトが学習に利用されることがありません。
そのため、誤って機密情報を入力してしまった場合でも、その情報が外部に漏れる心配がないことは非常に有用でしょう。
料金
ChatGPT Teamは、年払いと月払いで料金が変わります。
年払いの場合:1カ月あたり25ドル/人
月払いの場合:1カ月あたり30ドル/人
1人当たりの料金はChatGPT Plusよりも高価ですが、企業でChatGPTを利用する際に便利な機能が提供されていますので、業務利用する場合には本プランを選択するとよいでしょう。
ChatGPT Free
プランの概要
ChatGPT Freeは、ChatGPTを無料で利用できるプランです。
機能については制限が多く、他の利用者が多い場合には利用が制限される場合もあります。
また、利用できるモデルは「GPT-4 mini」のみですが、制限付きでGPT-4oも利用できます。GPT-4 miniであればほぼ制限なく利用できますので、通常の利用で困ることはないでしょう。
料金
ChatGPT Freeは無料で利用できます。
ChatGPT Enterprise
プランの概要
ChatGPT Enterpriseは、主に大企業向けのプランであり、ChatGPT Teamと比較してさらに企業向けの機能がそろっています。
Teamプランで提供される機能の他に、より強力な管理機能を有しており、全社員にChatGPTを利用させようと考えた際に必要な管理・監視機能を有しています。
料金
ChatGPT Enterpriseの料金は公開されておらず、企業の規模や利用人数によって料金が異なります。もし、企業でChatGPTを全面的に活用しようと考えた際には、OpenAI社の営業担当へコンタクトを取ってみてください。
ChatGPTのAPI料金の目安
Webから利用するChatGPTの料金の目安が分かったところで、ChatGPTをAPIで利用する際の料金について確認していきましょう。
ChatGPTのAPIとは
ChatGPTは、Webブラウザやモバイルアプリから利用するWeb版の他に、APIを経由してChatGPTのモデルを利用できます。
PythonなどのプログラムからAPIを呼び出すことで、社内で利用サービスにChatGPTの機能を組み込んだり、ChatGPTを利用したチャットボットサービスを簡単に構築・提供出来たりします。
ChatGPTのAPIの料金目安
ChatGPTのAPI料金は、利用量に応じて変動します。基本的には、リクエストごとに課金され、具体的な料金は利用するモデルやリクエスト数によって異なります。
また、モデルによって料金が異なることも注意すべきポイントです。高性能なモデルほど利用料金が高くなりますので、精度と料金のトレードオフになることを忘れないようにしましょう。
代表的な各モデルと料金を紹介します。(2024年7月現在)
モデル | 料金 |
---|---|
GPT-4o | $5 / 100万入力トークン $15 / 100万出力トークン |
GPT-4 mini | $0.15 / 100万入力トークン $0.6 / 100万出力トークン |
GPT-4 |
$30 / 100万入力トークン |
GPT-3.5(Turbo) | $1.5 / 100万入力トークン $2.0 / 100万出力トークン |
注意点としては、入力(プロンプト)と出力(生成されたテキスト)の量に応じて課金が発生するという点です。
短いプロンプトを入力したとしても、長い文章が生成された場合には利用料金が高くなります。特に、出力される文章の長さについては予測がしづらい点にも注意が必要です。
ChatGPTの料金の確認方法
ChatGPTを便利に使うためにも、どの程度の料金が発生しているのか確認する必要があります。本章では、ChatGPTの料金について確認する方法を紹介します。
現在のプランを確認する
Web版のChatGPTを利用している場合、右上のアイコンから「マイプラン」を選択することで現在のプランを確認できます。
この例では、ChatGPT Plusが「現在のプラン」となっているため、ChatGPT Plusを契約していることが分かります。
APIの利用料金を確認する
次に、ChatGPT APIの利用料金を確認する方法を紹介します。
ChatGPTのAPIの料金を確認するには、OpenAI APIのダッシュボードへアクセスし、「Usage」を選択します。
この例ではAPIの利用料金が0ドルですが、利用量に応じて料金が見えるようになります。
ChatGPTと他の生成AIとの料金較表
ChatGPTの他にも、さまざまな生成AIサービスが存在します。
本章では、他社の生成AIサービスとの料金を比較します。
生成AIとしての基本的な機能に大きな差はありませんが、利用しているモデルが異なるため同じプロンプトでも違う出力が得られます。また、他のサービスと組み合わせて利用することで副次的な効果を生み出すサービスも存在するため、利用用途に応じて適切な生成AIを選択するとよいでしょう。
ChatGPT | Gemini | Copilot | Claude | |
---|---|---|---|---|
無料版 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
有償版 (月あたり |
$20 | ¥2,900 ※1 | ¥3,200 | $20 |
※1・・・Google One AIプレミアムプランのため、Gemini以外のGoogle機能が利用可能
Google Gemini
Google Geminiは、Google社の開発した生成AIで、Googleの各サービスと統合されています。
特に、企業版のGoogle GeminiはGoogle Workspaceと統合されており、ChatGPTと同様の使い方ができる他、Gmailのメールの下書きをサポートしたり、Googleドキュメントの要約や校正といった機能を利用できます。
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは、Microsoftの提供する生成AIで、Windows11やOffice製品と組み合わせて利用することで真価を発揮します。
Windowsから利用できるCopilotは便利に使えるAIアシスタントである一方で、ビジネス版のCopilotを契約することで、Teams、Word、Excel、PowerPointといったOffice製品を利用したビジネス用途で強力なアシスタントとなります。
Claude
Claudeは、Anthropic社が開発した生成AIのサービスです。
ChatGPTとほぼ同等の機能を有していますが、Claudeの方が一度に多くのコンテキストを処理できます。つまり、長文を入力しても適切に利用が可能であり、ChatGPTと比較しても2倍程度の長さのテキストを処理できます。
ChatGPTの料金に関する疑問
ここでは、ChatGPTの料金に関してよくある疑問についてお答えします。
日割りはできるのか
ChatGPTの料金は日割りされないため注意しましょう。
Web版のChatGPTは月末締めといった概念が存在せず、課金を開始した日を契約日とします。ChatGPT Plusを契約した場合、契約開始日(支払日)を起点とし、そこから1カ月間利用できます。
また、その月途中でChatGPT Plusを解約したとしても、直近の課金から1カ月間はChatGPT Plusが利用でき、1度支払った料金が日割りされ返金されることはありません。
ChatGPTのトークンとは
ChatGPT APIの料金は「トークン」という単位で計算され、1000トークン単位で課金が発生します。
トークンとは単語や句読点、空白といった文章を表す要素を指します。特に、句読点を考慮する必要があるため、1000トークンは約750単語に相当すると考えるとよいでしょう。ChatGPTのAPIを利用する場合、入力の文章と出力の文章でそれぞれ課金が発生します。
長い文章を入力したり、長い文章を出力した場合、課金額が高くなるため注意が必要です。
使用するモデルによって料金は変わる?
ChatGPT APIを利用する場合、使用するモデルによって料金が設定されています。
基本的には高性能なモデルほど料金が高くなりますが、GPT-4oの料金はGPT-4と比較して安価に設定されています。
また、GPT-4 miniはさらに安価となりますので、基本的にはGPT-4 miniを利用し、高性能な会話が必要な場合にはGPT-4oを利用する、といった使い分けをするとよいでしょう。
まとめ
ChatGPTの料金について解説してきました。
ChatGPTには、無料版から高機能な有料版、企業向けのプランといった多様なプランが用意されています。また、ChatGPTのAPIを利用する場合、モデルに応じた料金設定がされています。利用量をあらかじめ予測しておくことで、予算に応じた適切なモデルを選択できるようになります。
ChatGPT以外の生成AIもあわせて比較したうえで、利用目的やニーズに応じて最適なプランを選び、効果的に活用していきましょう。