近年、新しい時代に即したワークスタイルとしてリモートワーク制度が普及しつつあります。そこで本記事では、リモートワーク環境を整備する重要性やおすすめのソリューションについて解説します。ニューノーマル時代に適した労働環境の構築を目指す企業は、ぜひ参考にしてください。
リモートワーク環境が重要な理由
働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症などの影響から、テレワーク制度を導入する企業が増加する傾向にあります。とくに2020年3月にパンデミック認定された新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、パーソル総合研究所の調査では2020年3月時点で13.2%だったテレワークの実施率が、緊急事態宣言発令後の4月以降になると27.9%と約2.1倍にまで上昇しています。
テレワーク制度が導入された場合、多くの従業員は在宅勤務の割合が増加することになりますが、オフィスと自宅では業務環境が大きく異なります。そのため、PCやモバイルデバイスといった情報機器を用意するのはもちろん、ファイル共有や勤怠管理を効率化するソリューションの導入、または社内ネットワークへのセキュアなアクセス経路の確保など、従来のオフィス環境と同等の生産性を確保できるリモートワーク環境を整備する必要があるのです。
快適なリモートワーク環境とは?
それでは、実際にリモートワーク環境を整備するためには何が必要となるのでしょうか。企業の事業形態や組織体制によって最適なリモートワーク環境は異なりますが、一般的には以下の要件を満たす労働環境の整備が求められます。
業務が支障なく行える
テレワーク制度を確立する上で不可欠となるのが、通常業務を支障なく行えるリモートワーク環境です。たとえば、業務負荷に耐え得るPCやモバイルデバイスの提供、快適なインターネット環境の整備、ソフトウェアやアプリケーションのライセンスなど、従来のオフィス環境と同じ業務プロセスを実行できるリモートワーク環境を構築する必要があります。
コミュニケーションが円滑にとれる
リモートワーク環境では従業員同士のコミュニケーションが希薄化するため、オフィス環境と比較すると情報共有の遅滞や業務連携の鈍化を招きます。また、業務への貢献意識や労働意欲といった間接的な評価が見えにくくなり、公正かつ公平な人事評価が困難となるでしょう。そのため、オンラインストレージやWeb会議システム、チャットツールやプロジェクト管理システムなど、組織のコミュニケーションとコラボレーションを強化するソリューションの導入が不可欠です。
セキュリティ対策がされている
オフィス外で業務に取り組む場合、PCやスマートフォン、USBメモリなどの紛失・盗難といったリスクが高まります。さらに自宅やカフェなどの一般的なWi-Fi環境はセキュリティの強度が高いとはいえないため、情報漏洩インシデントが懸念されます。テレワーク制度を取り入れる場合はこうしたリスクを最小化すべく、堅牢かつ強固なセキュリティ体制を整備しなくてはなりません。
心身共に負担のない仕事環境
オフィス空間にはデスクワークに最適化されたデスクやチェアが用意されているものの、自宅にこうした設備を備えている従業員ばかりとは限りません。オフィス環境と同等の生産性を確保するためには、可能な限りコストを抑えつつもリモートワークのための補助金制度を整備したり、デスクワークに必要な情報機器や設備を支給したりといった施策が求められます。
リモートワーク環境を整えるにはAzure Virtual Desktopがおすすめ
「Azure Virtual Desktop」とは、Microsoftが提供するIaaS・PaaS型のクラウドコンピューティング「Microsoft Azure(以下Azure)」上に、VDIを構築するDaaS型のクラウドサービスです。VDIは「Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字をとった略称で、サーバー上に仮想化されたデスクトップ環境を構築し、クライアント端末からアクセス可能となる仕組みを指します。
Azure Virtual Desktopは、このVDI機能をクラウド環境上で提供するサービスであり、時間や場所を問わずにいつでも仮想化された社内ネットワークにアクセスできる労働環境の構築が可能です。テレワーク制度の普及とともにVDIやDaaS型のクラウドサービスが大きな注目を集めており、Azure Virtual Desktopを導入することで以下のようなメリットを組織にもたらします。
オンプレミスのシステムを利用できる
Azure Virtual Desktopは、Azure上のファイルサーバーやストレージだけでなく、オンプレミス環境で運用しているシステムとの連携が可能です。たとえば、Azure Virtual Desktopと社内LANを仮想専用線のVPN接続することで、オフィス外の環境からでもデータやファイルを共有できます。機密度の高いファイルはオンプレミス環境で保管し、共有データはクラウド環境で管理するといった使い方が可能となり、セキュアなリモートワーク環境を整備できます。
Web会議を快適に行える
リモートワーク環境では、いかにして組織のコミュニケーションを活性化するかが重要な課題です。Azure Virtual DesktopのVDI環境であれば、マイクやカメラなどをクライアント端末と接続することで、Web会議を快適に行えます。また、Azure Virtual Desktop上での「Microsoft Teams」のサポートを強化する「AV Redirect」の活用で、さらに快適なWeb会議が可能となり、リモートワーク環境におけるコミュニケーションの活性化に寄与します。
高いセキュリティレベル
VDIはデスクトップ環境がサーバー側に構築されているため、クライアント端末にはデータが一切残らないという特性を備えています。テレワーク制度の普及に伴ってVDIやDaaSが注目されている理由は、この特性にあるといっても過言ではありません。また、ユーザー認証やアクセス制限機能なども備えているため、リモートワーク環境におけるセキュリティを総合的に強化します。
コストを抑えられる
テレワーク制度を確立するためには、コストを抑えつつ心身共に負担がかからない状態で、オフィス環境と同等の生産性を創出できるリモートワーク環境を整備しなくてはなりません。Azure Virtual Desktopは「仮想マシンのリソースを共有できる」という性質と「従量課金制」のコストモデルによって、比較的低コストでリモートワーク環境を整備できます。
仮想マシンのリソースを共有できる
Azure Virtual DesktopはWindowsマルチセッションに対応しており、1つのVDI環境の中で複数のデスクトップ環境を生成可能です。これにより、仮想マシンを複数人のユーザーでシェアできるため、利用料金に無駄が発生しにくくなっています。また、セキュリティ対策を含めた端末の設定が一元管理できるため、メンテナンスのコストも抑えられる点が大きなメリットです。
従量課金制で無駄がない
Azureは基本的に従量課金制のクラウドサービスであり、Azure Virtual Desktopもユーザー数や使用時間といった利用量に応じて課金されます。休日や夜間はシステムを停止することで費用を抑えられると同時に、自社の組織体制や事業規模に適したコストモデルで利用できる点が大きなメリットです。
まとめ
テレワーク制度は、新しい時代に即した働き方として注目を集めているものの、生産性の低下やコミュニケーションの希薄化、セキュリティリスクの増大といった課題を抱えています。テレワーク制度の最適化を目指す企業は、効率的なリモートワーク環境を整備するためにも、Azure Virtual Desktopの導入をご検討ください。