アプリケーション開発・管理・運用

データベース連携型のアプリケーション開発で失敗しないための基礎知識

企業の担当者の中には、今後アプリケーション開発を始めようと考えている方も多いと思います。アプリケーションを開発するうえで重要となるのが、データベースです。

アプリケーション開発で失敗しないためには、データベースやアプリケーションの基礎知識を把握する必要があります。そこで本記事では、データベース連携型のアプリケーション開発における基礎知識を紹介しますので参考にしてください。

データベース連携型のアプリケーション開発で失敗しないための基礎知識

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最低限知っておきたいデータベースの基本

そもそも「データベース」とは、整理して活用しやすくしたデータの集まりを指します。大量のデータを管理しなければならないアプリケーションには、データベースが欠かせません。仮にデータベースを使わないとすると、アプリケーション内でデータ管理するためのプログラムをすべて独自に作成することとなります。コーディング量が増大することはもちろん、メンテナンスにも多くの工数が割かれるでしょう。

一方データベースを使えば、「SQL」と呼ばれる言語を用いることでデータの追加や変更、削除などが行えます。独自にデータ管理の仕組みを作る必要がなくなるため、大幅にコーディングの工数を削減することが可能です。加えて、データの制御やバックアップも容易となり、複数人が同時に利用するWebシステムなどでもデータの整合性を保てます。

データベースを構築・運用する際には、「データベース管理システム」と呼ばれるソフトウェアを用いるのが一般的です。アプリケーションのユーザーがデータベースにアクセスする際には、基本的にデータベース管理システムを経由します。

データベースの構築方法

データベースの構築前には、データベース設計が欠かせません。データベースでどんなデータを管理するのかを明確にし、必要なテーブルやそれらの関係性などを定めます。

データベース構築には、前述したデータベース管理システムに加えて、データベース専用のサーバーが必要です。データベースの設計時には、これらを選定して接続方法なども決めておく必要があります。

こうした設計内容を基に、データベースを構築します。アプリケーションで用いるデータを管理する場所は、データベースサーバーです。データベースサーバーにデータベース管理システムをインストールし、データベースを扱うために必要な設定を行います。そして、データベース管理システムを用いてデータベースを構築していくのです。

データベースの種類

  1. リレーショナルデータベース(関係データベース)
    「リレーショナルデータベース」は現在、主流となっているデータベースです。特にシェアの高いデータベース管理システムである「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「MySQL」のいずれも、リレーショナルデータベースを採用しています。
    「行」と「列」を持ち、表計算ソフトのような構造でデータを管理するのが大きな特徴です。列には1つのデータが持つ項目を重複しないよう設定し、行にデータを追加していく形となります。データを柔軟に扱いやすく、アプリケーション開発との連携がしやすいのがメリットです。

  2. 階層型データベース
    「階層型データベース」は、データをツリー構造で管理するデータベースを指します。木の枝のように、1つの親データから複数の子データが派生する形が特徴です。データの関連性が限定されるため柔軟性に欠ける反面、高速でデータにアクセスできます。

  3. ネットワーク型データベース
    「ネットワーク型データベース」は階層型データベースに似ていますが、こちらは1つの子データが複数の親データを持てるようにしたデータベースです。それによって子データの重複を防止できるメリットがあります。一方で、データ間の関係性がより複雑になり、プログラム上でデータベースを扱いづらいのが難点です。

データベースボリュームやアプリケーションの種類を整理しておく

データベースを構築する場合に、アプリケーションの自社開発・外注問わず事前に整理しておくべきポイントについて解説します。

アプリケーション開発で何を実現したいの?

先ほども解説した通り、データベース構築前にはデータベース設計が欠かせません。つまり、データベース設計に失敗すると、データベース構築も失敗します。

データベースの設計で失敗しないためには、アプリケーション開発で何を実現したいのか、目的を明確にすることが大切です。目的を明確にすることで必要なテーブルやデータ構造がイメージしやすくなり、アプリケーションのニーズに応えるデータベース設計が可能となります。

UIや機能などの要件定義をまとめる

データベースの目的を明確化したら、データベースが満たすべき要件を定義しましょう。この際、データベースの目的を満たすために必要となる「機能要件」だけを定義するのでは不十分です。完成度の高いアプリケーションを開発するためには、機能要件以外の「非機能要件」もしっかり定義する必要があります。

機能要件としては、アプリケーションのユーザーインターフェース(UI)や、データベースとの連携方法などの定義が必須です。非機能要件としては、データベース利用時の処理速度や、バックアップなどのセキュリティ対策について定義しましょう。

アプリケーションの種類は?

データベースとの連携が必要となり得るアプリケーションは、主に3種類です。それぞれ順番に解説します。

  1. Webアプリケーション
    「Webアプリケーション」は、Webブラウザから利用できるものです。ユーザー情報など大量のデータを扱うWebアプリケーションには、データベースが欠かせません。不特定多数のユーザーがアクセスするため、排他制御などを正確に行う堅牢なデータベースが求められます。
    Webアプリケーションはユーザーにインストールしてもらう必要がない分、プログラムの細かいアップデートが行いやすいという点はメリットです。その反面、ユーザーがいつでも利用できるよう、万全な運用・保守体制が必要となります。また、オフラインでは利用できません。

  2. デスクトップアプリケーション
    「デスクトップアプリケーション」は、パソコンにインストールして利用できるものです。企業向けの業務アプリケーションの場合、データベースとの連携が必要不可欠となります。
    Webアプリケーションとは異なり、ある程度の機能はオフラインでも使えるというメリットがあります。一方でインストールが必要となるため、プログラムのアップデートは限られたタイミングでしか行えません。

  3. スマートフォンアプリケーション
    「スマートフォンアプリケーション」は、スマートフォンにインストールして利用できるアプリケーションです。ネットワーク通信を行うスマートフォンアプリケーションの場合は、データベースとの連携が必須となります。
    スマートフォンの普及率上昇にともなってスマートフォンアプリケーションの需要も高まっており、成功のチャンスが多い開発分野です。ただしデスクトップアプリケーションと同様、プログラムの細かいアップデートを行いづらいというデメリットがあります。

使用するプラットフォームは?

アプリケーションの種類によって、使用するプラットフォーム(OSやブラウザ)が異なります。どのプラットフォームに対応させるかによって、開発言語や開発手順も変わってくるので注意が必要です。

  1. Webアプリケーション
    Webアプリケーションの場合は、ユーザーによって利用するブラウザが変わってきます。「Google Chrome」「Microsoft Edge」などのパソコン向けブラウザに加えて、「Safari」などのスマートフォン向けブラウザも考えられます。

  2. デスクトップアプリケーション
    デスクトップアプリケーションの場合は、「Windows」「Linux」「macOS」といったパソコンOSが中心です。

  3. スマートフォンアプリケーション
    スマートフォンアプリケーションの場合は、主に「iOS」または「Android」のいずれかのスマートフォンOSが考えられます。

完成イメージ

アプリケーションを作り終えてから当初のイメージと異なる部分が見つかっても、後戻りできません。そのため、アプリケーションを作り始める前に完成イメージを明確にしておく必要があります。参考となる類似の既存アプリケーションをピックアップしたり、イラストや図で完成イメージを作ったりしておくとよいでしょう。

スケジュール

スケジュールによって、開発にかかる費用は変わってきます。アプリケーションを自社開発する場合は、開発期間や各工程の着手日程を決めましょう。開発を外注する場合は、リリースまでの希望日程を明確にし、委託先に提示する必要があります。

データベース型のアプリケーション開発にかかる費用感・相場

データベース型のアプリケーション開発を外注する場合の費用相場を紹介します。発注先比較サービスの「アイミツ」によると、アプリケーション開発を外注する場合の費用相場はトータル250万円程度です。ただし、アプリケーションの種類や開発規模、発注先エンジニアのスキルなどによって費用は大きく前後します。

データベース構築は別料金となる場合も多く、データベースの規模が大きいほど費用も高くなります。1~2人で利用する小規模なデータベースだと5~30万円程度、大規模なデータベースだと100~400万円程度かかるでしょう。

アプリケーション開発を外注する際の注意点

アプリケーション開発を外注する際に重要となるのは、開発会社の選び方です。開発会社選びを間違えると、コストが想定以上にかかってしまう恐れがあります。開発会社を選ぶ際の4つの注意点について、それぞれ解説します。

開発実績の数や質をチェック!

どの種類のアプリケーション開発を得意としているか知るためには、開発実績のチェックが有効です。自社で開発したいアプリケーションと類似するアプリケーションについて、開発実績が豊富な会社を選びましょう。

よりよい提案をしてくれる開発会社かをチェック!

クライアントの要望を正確にヒアリングして、よい提案をしてくれる開発会社を選ぶのがおすすめです。当初の期待を上回る質の高いアプリケーションを開発してくれることが期待できます。口コミを確認するなどして、開発会社の評判を確認するとよいでしょう。

明朗な料金体系になっているかをチェック!

料金体系のチェックも欠かせません。開発会社によってはオプションや追加費用が多く、トータルコストが予算を大幅に上回ってしまうケースもあります。何にどれだけの費用がかかるのか、内訳のチェックも必須です。

サポート体制がしっかりしているかをチェック!

アプリケーションの運用開始後に、機能追加や問題対応が必要となる場合もあります。こうした場合に、充実したサポートを行ってくれる開発会社を選びましょう。サービス範囲や追加料金などのチェックをおすすめします。

まとめ

今回はデータベース連携型のアプリケーション開発における基礎知識を解説しました。

多くのアプリケーションでは、データベースの利用が欠かせません。データベース構築やアプリケーション開発について理解し、企業に合った開発方法を選びましょう。

アプリケーション開発の外注先を選ぶ際には、費用だけでなく信頼性の高さも重要となります。データベース分野を得意としており、幅広いITソリューションを提供している「SystemEXE(システムエグゼ)」がおすすめです。

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