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ERP担当者のためのクラウドへの移行のメリットをわかりやすく解説

既存のERPをクラウドへ移行するか否か?この問題を抱えている企業は多いでしょう。ERP市場におけるクラウドの存在感は増すばかりですし、レガシーなERPを運用し続けることに不安を持ってしまうのも自然の流れです。

結論を言ってしまえば、クラウドへの移行で新しい効果が生まれるかどうかは、環境によります。オンプレミスのままERPを運用し続けることが正解の場合もありますし、その逆もあります。やはり大切なのは、社内のERP環境を全体的に把握したうえで、クラウドへの移行を精査することです。

ただし、ERPをクラウドへ移行することで一定の効果が得られることは確かです。本稿では、そのメリットについてわかりやすく解説していきます。クラウド移行のメリットについて知ると、「それらを得るために何をすればよいか?」が自然と考えられるようになるので、悩めるERP担当者の方はぜひ参考にしてください。

それではさっそく解説していきます。

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ERPをクラウドへ移行するメリット

1.新しいERP環境の調達に時間がかからない

ERPを長い期間運用し続けるには、一定のサイクルで新しいインフラに移行する必要があります。あるいは、足りないリソースを追加していくなどの対応が必要です。ただし、それらのインフラ調達には時間と費用がかかり、ERP環境を整えるのに多大なコストを要します。

一方、クラウドへ移行するとそうした問題から解放されるようになるでしょう。クラウドは必要なインフラを調達するのに時間がかかりません。仮想マシンのインスタンス(立ち上げ)も最短数分ですし、その他必要なリソースはいつでも調達できます。

ERP運用におけるスピード感を高められることで、IT戦略を加速させてその都度のビジネス要件に応じたシステムを構築できます。

2.長期利用で仮想マシンのコスト削減になる

数あるクラウドサービスの中には、仮想マシンを長期利用することでコスト削減が実現できるケースがあります。たとえば、Microsoft Azureでは3年もしくは1年のリザーブドインスタンスを利用することで、仮想マシンにかかるコストを大幅に削減できます。

ERPは基本的に長期運用することを目的にしたシステムですので、仮想マシンのリザーブドインスタンスを利用するのに抵抗はないかと思います。オンプレミスでは活用しきれなかったリソースを最大限活用しつつ、コスト削減も可能なので現在の運用費が大幅に削減されるかもしれません。

3.信頼性の高いインフラ上でERPを運用できる

大手ベンダーが提供するクラウドサービスは、インフラの信頼性が非常高いことから、インフラ関連の障害が発生しにくくなります。さらに、現在運用しているERPと親和性の高いクラウドに関しては問題が発生しにくい環境を構築できることから、運用にかける手間を省けるのも大きなメリットです。

4.バックアップやDSなどをサービスとして組み込める

ERPに欠かせない対策といえばバックアップやDS(災害復旧)です。ビジネスの遂行に欠かせないシステムデータを大量の保持しているERPでは、バックアップが絶対的に必要ですし、日本は災害大国なので万一のことを考えてのDSも外せません。

クラウドにはこれらのセキュリティ対策をサービスとして組み込めるものがあり、バックアップやDSにかかる手間と費用を大幅に削減できます。これらのセキュリティ対策を維持するには相当の労力が必要なので、サービスで簡略化できるとあれば使わない手はありません。

5.インフラの保守運用負担の軽減及びコスト削減ができる

クラウドはインターネット上に用意されたリソースを利用するものです。厳密に言えば、ベンダーが運用している仮想インフラをネット経由で利用します。そのため、インフラに係る保守運用はすべてベンダーが行い、ユーザー企業は触れることはほぼありません。

インフラ運用の手間が無くなれば、保守運用負担は軽減されますし、今までそこにかかっていた人件費も削減できるでしょう。

6.保守運用にかかるコストをある程度が固定化される

これまでの保守運用にかかるコストといえば、大きくは人件費ですので、保守運用にかかるコストが不透明だったことでしょう。これは企業の財政を圧迫する原因の1つになりかねませんし、コストは常に明確になっているのがベストです。

クラウドを利用するにあたり月々、年間、あるいはさらに長期的なコストはかかりますが、運用保守にいくら投じているのかが明確になるので、資金繰りが行いやすいメリットがあります。

7.BIと接続することでデータ活用を促進できる

BIとは「Business Intelligence」の略で、さまざまなデータを自動的に分析してくれるツールです。ERPからは日々大量のデータが生まれますが、それを活用できるかどうかがこれからのビジネスを決めていきます。

クラウドの中にはBIとの連携をサポートしているものがありますので、ERPを移行するだけでデータ分析基盤も整えられる可能性があります。例えばMicrosoft AzureではPowerBIとSAPとの連携が用意になります。

8.IoTやAI/機械学習など先進技術との連携が可能になる

昨今のビジネスにおいてIoTやAI/機械学習は必要不可欠になりつつあります。これはERPの世界でも同様です。クラウドサービスを提供している企業では、これらのサービスを提供しているケースがあり例えばMicrosoft AzureではSAPとの連携が可能になります。そのため様々なデバイスから大量のデータを受信しデータの分析や可視化に加えて、機械学習による予測分析などが可能になります。

クラウド移行のメリットを最大化するためにやるべきこと

上記のように、ERPをクラウドへ移行すると魅力的なメリットを多数得られます。ただし、「すべての企業が」というわけにはいきません。ERPはあくまでビジネスを遂行するためのツールですし、クラウドはそれを動かすための基盤です。つまり、移行先となるクラウドの選択ミスやERP移行のミスが発生すると、それらのメリットが得られなくなります。

そこでまず大切なのが、「ERPのクラウド移行に際し何を狙うのか?」をハッキリさせることです。既存のERPをクラウドへ移行すると上記のようなメリットが得られるのではなく、複数のメリットが得られるようにERP移行を設計することが大切です。要するに目的と手段を見誤ってはいけない、ということです。

ERPを導入すること自体が目的になってしまうと、結局は何のメリットも得られない結果が待っています。「ERPはあくまで手段、クラウドはインフラ」という認識を常に持った上で、会社が望むERP運用の形を実現していくことが何よりもの成功のポイントです。

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SAP on Azureで得られるもの

既存のERPとしてSAPを運用中の企業では、クラウド移行に際しMicrosoft Azureを視野に入れている場合が多いでしょう。SAP社とMicrosoft社は20年以上に渡るグローバルパートナーシップにより、それぞれのシステムや基盤を生かすためのサービス展開がされています。そして、SAP社はMicrosoft社の、Microsoft社はSAP社のグローバルクライアントです。

それぞれの強みを生かすことに長けており、既存のSAP環境をMicrosoft Azureに移行することで得られるメリットは無数に挙げられます。コストの最適化、移行性の向上、Microsoftクラウドとの連携、信頼性と運用性の確保、SAP HANAの拡張性など他のERPとクラウドにはない関係が構築されています。

現在、SAPを運用中でクラウドへの移行を検討されている場合は、ぜひMicrosoft Azureへの移行を積極的に検討しましょう。

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