クラウド移行(インフラ・DB)

クラウド移行ツールとは?クラウド移行における課題と代表的なツールを紹介

クラウドサービスの拡充に伴い、自社でシステムやデータを運用するオンプレミス環境からクラウド環境へ移行する企業が増えています。その背景には、オンプレミス環境を維持するために必要とされる作業やコストが、企業にとって負担になっていることが挙げられます。そこで本記事では、円滑なクラウド移行を実現するための方法について紹介します。

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クラウド移行 まるわかりガイド

クラウド移行における課題

オンプレミスから確実にクラウドへ移行するためには、乗り越えなければならないさまざまな課題が存在します。まずここでは、クラウド移行においてどのような課題があるのかについて説明します。

データのサイロ化

データのサイロ化とは、「企業内で使用されているシステムが部署によって異なるため、部署間におけるデータの連携ができていない状態にあること」を指します。このサイロ化においては、部署によって出力されるデータ形式が異なってしまい、データを扱うための共通言語も存在しないため、部署間のシナジー効果が発揮できなくなります。結果として、会社全体としての経営効率の低下を招くのです。

またデータがサイロ化している場合、部署ごとに管理されているデータを複数出力し、その後そうして出力データを統合する作業を必要とします。このデータ統合に時間がかかるため、経営レベルでの意思決定に時間がかかってしまいます。

このまま状態のままクラウド移行を行おうとすると、移行準備の段階である「データの棚卸し」において、「導入している各アプリケーションの仕様とデータ形式を分析し、データを統合していく作業」が必要となるため、非常に多くの工数を必要としてしまうのです。

移行作業に時間がかかる

クラウド移行の際、既存データは社内管理しているファイルサーバからクラウド環境上にあるサーバに移行します。また、クラウド上にあるデータへのアクセス権限を担当者、部署、役職、場所等の各レベルに応じて振り分けるセキュリティー設定や、データへ正しくアクセスできるかどうかの環境テストも伴います。

このようなことから、必要な人員が移行作業に割かれてしまい、結果として業務の停滞や既存システムが使えなくなる問題が発生します。

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TD シネックス株式会社

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移行後に自社だけで運用ができない

クラウド環境における運用においては、オンプレミスの運用環境とは異なるノウハウや経験を必要とします。初めてクラウドに移行した場合、クラウド環境の運用経験が浅いと、障害が発生した際の原因の切り分けに時間がかかり、実際の運用に困ってしまうケースがあります。

自社のエンジニアをトレーニングするにも、日々クラウドの技術は日進月歩しているため、時間やコストがかかり企業負担にもなります。また、クラウド環境の運用経験があるエンジニアを社外から新たに雇用するにしても、昨今のエンジニア人材不足により適切な人材を確保することがなかなか難しい状況です。

クラウド移行の課題はクラウド移行(データ移行)ツールで解決

オンプレミスからクラウド移行する際に立ちはだかるこうしたさまざまな課題は、クラウド移行ツールを活用することで効率的に解決することが可能です。

クラウド移行ツールとは、オンプレミスからクラウド、クラウドからほかのクラウドへデータやシステムを移行する際に利用するツールです。クラウド移行ツールは、データ移行作業の高速化・データ同期確認・データ差分チェック・スケジュール設定・データ移行の自動化・アプリの依存関係の可視化などの機能を搭載しています。そして「移行が成功したかどうか」チェックできるレポート機能まで備えており、クラウド移行を包括的にサポートします。

こうしたクラウド移行ツールを利用することによって、移行作業を簡素化、迅速化し、システムのダウンタイムを最小限にとどめることが可能となるのです。

各プラットフォームの代表的なクラウド移行ツール

クラウドサービスを提供している各プラットフォームは独自のクラウド移行ツールを提供しています。ここでは、各プラットフォームが提供しているクラウド移行ツールの主な内容や特長について紹介します。

AWS:AWS Server Migration Service

AWS Server Migration Serviceは、Amazonが提供しているクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」へのリフトアンドシフト移行する際に推奨される、クラウド移行ツールです。

AWS Server Migration Serviceは、AWS マネージメントコンソールと呼ばれる管理ツールを利用することで、簡単かつスピーディーにAWSへの移行を実現します。物理的サーバ、VMware vSphere、Microsoft Hyper-Vなど、各種クラウドサービスからの移行もサポートします。

そのほかの特長として、使用するネットワーク帯域を最小限に抑えることで迅速な移行を可能とする「俊敏性」に加え、増分レプリケーションによってサーバのダウンタイムを大幅に削減する「ダウンタイムの最小化」も挙げられます。

AWS Server Migration Serviceの料金は無料ですが、移行中に発生したストレージリソースの使用は有料となります。

Azure:Azure Site Recovery

Azure Site Recoveryは、Microsoftが提供しているクラウドサービス「Microsoft Azure」へクラウド移行する際に推奨しているクラウド移行ツールです。

Azure Site Recoveryは、Azure Migrateと呼ばれるダッシュボードを提供しています。Azure Migrateを通じてクラウド移行の進行状況を確認できるだけでなく、推奨事項を提示してくれるため、クラウド移行における最適な意思決定を可能とします。

そのほかにも、コストの見積もり機能、エージェントレスのデータセンター検出機能、アプリの依存関係を視覚化する機能などと共に、クラウド移行を全面的に支援します。

Azure Site Recoveryは、1年間基本無料で利用することが可能ですが、パートナーツールを利用する際には料金が発生します。

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GCP:Migrate for Compute Engine

Migrate for Compute Engineは、Googleが提供するクラウドサービス「Google Cloud」への迅速、安全、且つ柔軟なクラウド移行を可能にするクラウド移行ツールです。

Migrate for Compute Engineは、その高度なレプリケーション技術によって、稼働中のリソースを中断させることなく、バックグランドでGoogle Cloudにデータをコピーします。

そのほかの特長として、Migrate for Compute Engineが提供する組み込みの「テストクローン機能」は、本番環境から分離された環境で移行前の検証を可能とし、稼働中のシステムやデータが中断されてしまうことを防止します。これによりダウンタイムを最小限に抑え、リスクを軽減します。

Migrate for Compute Engineは基本無料で利用することができますが、移行時に使用したネットワーク帯域幅、Google Cloud Storage、Compute Engineインスタンス等のリソースに対しては追加料金が発生します。

DISサービス&ソリューションは幅広いクラウド移行をサポート

DISサービス&ソリューションは、DX推進、クラウド・ソリューション、ネットワーク・ソリューション、システム開発(クラウド型・オンプレミス型)等の幅広いビジネスソリューションを通じて顧客のビジネス成長を支援します。

ソリューション導入時における問題点の洗い出し、課題の設定、システム要件定義から始まり、実際のシステム導入作業はもちろん、システム導入後の運用保守やサポートまでをトータルで提供します。

クラウド・ソリューションとしては、Microsoft AzureとAWSの導入支援からオンプレスとクラウドとのシステム連携、保守運用サービスに至るまで、ハイブリッドに尚且つワンストップで提供します。加えてクラウドの導入だけでなく、ユーザー企業に応じた業務フロー改善支援、業務に応じた最適なプラットフォーム導入支援等など、顧客に親身に寄り添ったソリューションを提供している点も大きな特長です。

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まとめ

クラウド移行を検討する際に顕在化するさまざまな課題は、もはや解決できないものではありません。各社クラウドサービスが提供しているクラウド移行ツールを利用することによって、リスクを最小限に抑える方法で容易かつ迅速にクラウド移行の実現が可能となります。また、クラウド環境の構築や運用保守を任せられるエンジニアを自社では確保できない場合でも、DISサービス&ソリューションを利用することで、安定したクラウド移行を実行に移せます。

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