セキュリティとガバナンス

ゼロトラストをAzureで構築する手法とは?特徴やメリットまで解説

近年、感染症予防の観点でテレワークを実施する企業が増加しています。2021年は東京の企業の60%近くがテレワークを実施しているというデータが東京都庁から公表されました。そして、テレワーク時のデータの管理や共有はクラウド上で実施する企業も増加しています。
テレワークやクラウドサービスが導入されていくことで、多様な働き方が実現されてきています。一方で、多くの企業が課題視しているのは、セキュリティ対策です。そしてセキュリティ対策として現在特に注目されている概念が「ゼロトラスト」です。

しかし、「ゼロトラストとは何か?」「ゼロトラストを導入するメリットとは?」と感じることもあるでしょう。本記事ではゼロトラストの概要やゼロトラストを構築する方法の一つである「Azure」というサービスなどについて紹介します。ゼロトラストについて理解したいという方はぜひご参考にしてください。

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今注目の「ゼロトラスト」とは?

ゼロトラストとは、最近注目されているセキュリティ対策を指します。「決して信頼せず、確認せよ」という前提で構築されているという特徴があります。
これまでの一般的なネットワークセキュリティでは、社内のネットワークは信頼できる一方で、社外のネットワークは信頼できず攻撃される危険があると考えられてきました。しかし、働き方の変化により社外だけでなく、社内ネットワークにも危険が潜み、「決して信頼せず、確認せよ」という考え方のもとでセキュリティ対策をする必要性が発生しました。

ゼロトラストが重要視される理由

近年、ゼロトラストが重要視されている理由は、クラウドサービスの利用が増加したことや、テレワークの普及などがあります。
データの管理や共有はクラウドサービスを通して実施されつつあります。そのため、社内の多くの方がアクセスできるようになり、情報漏えいのリスクは高まっています。
また、感染症予防でテレワークが普及し、自宅からでも会社のデータにアクセス可能になり、内部不正の危険性も高まりました。このように情報の管理や共有が便利になった一方で、多くの方がアクセスできるため、情報漏えいや内部不正のリスクが出てきました。このような背景で、社内外かかわらずリスクを軽減するために、ゼロトラストが注目されています。

ゼロトラストをAzureで構築するための機能と手法

ゼロトラストを構築する方法の一つに「Azure」というサービスがあります。AzureとはMicrosoftが提供するサービスで、外部や自社開発したアプリケーションへの認証とアクセス機能が備わっています。
Azureを使用することで、迅速にゼロトラストを実現可能です。Azureでゼロトラストを構築するための機能と手法は以下の2つがあります。

  • Identity Protection
  • アクセス制御

Identity Protection

Identity Protectionとは、Azureの機能の一つで、Microsoftのさまざまなサービスやその他企業が提供するアプリケーションなどへの不正アクセスを防ぎます。
Identity Protectionは、以下の方法で不正アクセスを防ぎます。

  • リスクの程度に合わせてアクセスの遮断や多要素認証の要求
  • パスワードのリセット

Identity Protectionは、匿名IPや遠方からアクセスされた場合に危険を察知し、上記の方法で不正アクセスを未然に防いでくれます。

アクセス制御

Azureには、条件付きアクセスというツールが搭載されています。条件付きアクセスを利用することでアクセス制限を適用させられるのです。
条件付きアクセスでできるアクセス制限に関するアクションはさまざまあり、以下から選択できます。

  • ブロック
  • アクセス権の付与
  • セッション

アクセス権の付与では多要素認証を要求すること、パスワードの変更をさせることでアクセス制限ができ、セッションではアプリケーションやサービスごとに適用される制限を使用することでアクセス制限をします。

ゼロトラストを導入するメリット

ゼロトラストを導入ことには下記の3つのメリットがあります。

  • セキュリティを強化できる
  • テレワークに対応したアクセス方法
  • シンプルな設定

セキュリティを強化できる

ゼロトラストを導入することでセキュリティを強化できます。「決して信頼せず、確認せよ」という前提のもとでセキュリティが構築されているため、社外のみならず、社内からのアクセスに対してもセキュリティ対策が可能となります。

また、ゼロトラストのソリューションの一つである「SOAR」を導入することでシステム管理の業務を自動化や効率化ができます。業務を自動化や効率化をし、システム管理を行う従業員の負担を減らすことで、ミスを防ぎ、よりセキュリティを強化します。

テレワークに対応したアクセス方法

ゼロトラストを導入することで、場所を問わず好みの端末でシステムにアクセスできるようになるため、テレワークに対応したアクセス方法が実現可能となります。

ゼロトラストが導入される前のセキュリティは、社外からのアクセスは基本的に認められないため、自宅からアクセスすることは不可能でした。一方で、ゼロトラストは端末やネットワークによってID管理やアクセス管理も可能となります。そのためユーザーは、自宅からでも認証された端末やネットワークであれば、好みの端末でアクセスできるようになります。
感染症予防でテレワークが普及している近年、「従業員が自宅からでも好みの端末でアクセスできる環境」を構築しておくことは、企業としても大きなメリットにつながるでしょう。

シンプルな設定

ゼロトラストは、導入や運用する際に複雑な設定は不要でシンプルとなっています。
これまでセキュリティ対策をするときは専用のサービスを全社に導入して、VPNやファイヤーウォールを自社に合わせて設定をする必要がありました。一方で、ゼロトラストはセキュリティに関するサービスを導入するわけではないため、VPNやファイヤーウォール設定は不要でシンプルな設定で運用できるというメリットがあります。
設定がシンプルであるため、ゼロトラストのためにエンジニアを雇う必要はなく、自社の従業員で運用できるでしょう。

Azureセキュリティでセキュリティ体制を強化

改めましてAzureとは、ゼロトラストを構築する方法の一つで、Identity Protectionや条件付きアクセスを活用してセキュリティ対策が可能となります。

Azureを導入することでこれまで以上にセキュリティを強化でき、テレワークに対応したアクセス方法まで着実に実現できます。また、設定がシンプルになるため運用も簡単です。自社のセキュリティ対策の強化を検討しているという方は、ぜひAzureを導入してみてはいかがでしょうか?

まとめ

本記事では「ゼロトラスト」の概要やゼロトラストをAzureで構築するための機能と手法、ゼロトラストを導入することのメリットについて解説しました。
テレワークやクラウドサービスが普及している近年は、社外との取引時のみならず、社内でデータの管理や共有をするときもセキュリティ対策が重要となります。自社のセキュリティ対策の強化を検討しているという方は、ぜひAzureによるゼロトラスト導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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