モダンアプリケーションとは何かご存知でしょうか。企業ではイノベーションの加速が求められており、その解決策の一つとしてモダンアプリケーション開発が提唱されています。しかし、新しい概念のため、基本的な情報がまだ少ない状態です。
そこで、本記事ではモダンアプリケーションについて、開発や機能に加え、基礎的なところも解説します。
イノベーションを促進?モダンアプリケーションとは
モダンアプリケーションとは、ビジネスのイノベーションを加速する仕組みを提供するアプリケーションを指します。
企業のグローバル化やデジタル化により、ほとんどの業界では変化の速度が劇的に上がってきている状況です。その中で競争力を優位に保つには、今までにない速度でイノベーションを起こしていく必要があり、そのために必要となるのがモダンアプリケーションです。
モダンアプリケーションは、ミリ単位の速さで動く俊敏性やグローバル高可用性、数百万単位のユーザーにも対応できる伸縮性を持っており、さまざまなユースケースに対応しています。
モダンアプリケーションの機能
モダンアプリケーションに搭載している機能については、以下の内容が挙げられます。
セキュア
セキュアとは、セキュリティ的に危険がない状態のことを指し、アプリケーションの一部だけでなく、すべての階層においてセキュリティが保たれていることをいいます。モダンアプリケーションだけでなく、すべてのアプリケーションが必要とする大前提としての機能です。
伸縮性
伸縮性は、高負荷となった場合でもサービスに障害がでないようにするための機能です。クラウドサーバーのように仮想サーバーを用いることで、必要に応じて利用するサーバーの規模を調整し、機会損失を防ぎながら最適なコストでサーバーを運用できます。
弾力性
弾力性は、データソースやストレージへのアクセスに失敗したときでも、アプリケーションが応答不能にならず、動作を継続できるようにする機能を指します。リトライ処理や例外処理を実装することで応答を継続しつつ、アプリケーションの機能を穏やかに制限するようにします。
モジュール化
モジュール化とは、アプリケーションの機能ごとに独立したアプリケーション実行環境を保持することをいいます。モジュールごとに独立したOSを持つことで非常に軽量な動作を実現し、かつ実行環境を問わず使用できる可搬性に優れるようになります。
自動化
自動化とは、インテグレーションやデプロイを自動化し、アプリケーションリリースまでの期間を最小化し、ミスや属人化を防ぐ機能です。デプロイの自動化は、テスト環境とリリース環境を自動で移動することを指し、インテグレーションの自動化はプログラムのビルドや単体テストを自動化することを指します。
相互運用性
相互運用性は、多くのサービスが連携することで要求の動作を実現させる機能を指します。サービスの連携においては、過去のAPIにも対応することと、個別のサービスがほかのサービスに影響を与えることなく、頻繁にアップデートできることも重要になります。
モダンアプリケーション開発とは
モダンアプリケーション開発とは、具体的にどのような開発のことを指しているのでしょうか。Amazonが紹介するもっとも効率のいいモダンアプリケーション開発手法では、以下の項目が挙げられています。
- セキュリティとコンプライアンスを構築
- アプリケーションの構造をマイクロサービスで作る
- サーバーレステクノロジーを活用する
- インテグレーションとデプロイの⾃動化
- インフラストラクチャをコードで管理
- モニタリングとロギングの組み込み
上記のように、アプリケーションの設計・構築・管理方法を変えることを、総称してモダンアプリケーション開発と呼びます。
モダンアプリケーションの開発で実現できること
従来のアプリケーション開発をモダンアプリケーションに変えることで、企業はイノベーションの加速につながるさまざまな恩恵を受けることが可能です。
市場投入を加速
開発オーバーヘッドを抑えることで開発工数が減少するだけでなく、テストやデプロイの自動化によってエラーが発生しにくくなるため、サービスの市場投入にかかる時間を大幅に短縮できます。
イノベーションの向上
モジュール式のアーキテクチャを使用することで、コンポーネントごとの変更が容易です。加えて、変更に対するリスクも低くなるため、さまざまなアイデアを試しやすくなり、結果的にイノベーションの向上につながるでしょう。
信頼性向上
テストの自動化により、各開発フェーズにてテストを行い、リアルタイムに問題を発見して早期修正ができます。自動化の品質が高ければ、テスト設計における人為的なミスも減り、結果的に信頼性向上が実現できるでしょう。
コスト削減
モダンアプリケーションではリソースを最適化することで、従来は余分なリソースの保持でかかっていた維持コストを削減できます。
また、クラウドなどの従量課金制でリソースを保持している場合、インフラの運用や管理を始めとした、創造性の低い分野にかかるコストが最小化できるので、より付加価値の高い業務にリソースを集中することが可能です。
まとめ
今回は、モダンアプリケーションの特徴や機能、得られる恩恵などについて解説しました。
イノベーションへのニーズから生まれたモダンアプリケーション開発は、活用すればアプリケーション開発にかかるコストや時間、開発にかかるリスクを削減します。また、イノベーションを加速させ、競争力を高めることも可能です。
Amazonなどがモダンアプリケーション開発に効果的なサービスを多数提供しています。しかしながら、そうしたサービスを自社開発に活用していくには技術的なハードルを抱えている場合も多いでしょう。
初めてモダンアプリケーション開発に取り組む場合は、イノベーション推進実績があるコンサルタントに相談して進めていくことが効果的でしょう。CREATIONLINEは、IT技術によるイノベーション推進をビジョンとし、さまざまな実績を培っています。特に、モダンアプリケーション開発のコンサルタントとしておすすめです。
モダンアプリケーションとその開発を行い、自社の課題解決を図る際には、CREATIONLINEをはじめとする専門業者への相談を検討してみてはいかがでしょうか。